すごく難しい有機化学 (original) (raw)
エステルの構造決定2 解答
今回は難易度低めに設定した。
Gの示性式に戸惑うかもしれないが、
アセトンや酢酸など知っているところから推測すればできるはず。
構造式は例にならって記せ、とある場合はその通り書くようにしよう。
省略はしないこと。
最後にフローチャートを載せた。
エステルの構造決定2 問題
制限時間30分想定。
計算ミスはしないように。
エステルの構造決定2
Aは食品添加物や香料の原料として用いられる。Aに酸触媒を加え加水分解すると、BとCが生成した。Bを170 ℃で脱水すると分子内脱水によりDが生成した。Dをチーグラー・ナッタ触媒で付加重合すると熱可塑性樹脂Eが得られた。また、Bは過マンガン酸カリウムにより酸化するとFを生成し、2分子のFが脱水縮合すると無水酢酸が得られた。
Cは不斉炭素原子を持つため、光学異性体が存在する。Cを酸化するとGが得られた。Gの組成式はC3H4O3であり、分子量を測定したところ88であった。
1, Gの示性式を書け。
2, Cの2つの光学異性体を分子の構造がわかるように示せ。
3, Bの構造式を書け。
4, Aの構造式を書け。ただし、不斉炭素原子に*を表示すること。
エステルの構造決定1 解答
1~4はありきたりな問題なので5だけ難易度を高く設定した。
-O-O- 酸素ー酸素単結合は、有機過酸化物になるためエーテルではない。
8種類と書いた人は非常に惜しかった。
エステルの構造決定1 問題
制限時間は30分想定。
問題5は対称面を考えると効率よく探すことができる。
問題5だけ時間がかかるので捨て問にしそうになるが、
一度挑戦してほしい。
エステルの構造決定
次の文章を読み、以下の各問に答えよ。原子量として下の値を用いよ。
H=1.0 ,C=12.0 ,O=16.0
ある果物に含まれる芳香を持つエステルAを加水分解したところ、アルコールBとカルボン酸Cが得られた。
アルコールBはヨードホルム反応を示し、穏やかに酸化するとアルデヒドDになる。得られたアルデヒドDはヨードホルム反応と銀鏡反応を示し、さらに酸化するとカルボン酸Eを得ることができる。カルボン酸Eは水素結合により環状の二量体を形成するため、見かけの分子量は120である。
カルボン酸Cは、無色の液体で臭気を持つ。また、2分子のカルボン酸Cを脱水縮合することにより、無水物Fを生成する。カルボン酸CはアルデヒドGを酸化すると得られ、アルデヒドGにロジウム錯体を触媒として水素を付加するとアルコールHを生成する。アルコールHは濃硫酸を加えて130℃で加熱すると、分子間脱水しエーテルIが得られる。エーテルIの元素分析をすると、炭素70.6%、水素13.7%、酸素15.7%であった。
2、 無水物Fの構造式を書け。
3、 カルボン酸Eの二量体を書け。
4、 エステルAの構造式を書け。
5、 エステルAの構造異性体のうち、不斉炭素原子を1つ持つ5員環の環状エーテルは何種類あるか。
アルキンの反応 解答
アセチレンの三分子重合はすぐに頭に思い浮かぶが、
二分子重合だとわからない人が多い。
頻出ではないが、問題にヒントを散りばめたので解いてほしい問題だ。
銀アセチリドと銅アセチリドのイオン反応式を覚えたら、
アンモニア性硝酸銀水溶液、
アンモニア性塩化銅(Ⅰ)水溶液、
に通じたと書いてあるので化学反応式まで書けるようになろう。
アルキンの反応
今回は計算を含む問題。
制限時間は20分想定。
第3問
次の文章を読み、以下の各問に答えよ。原子量として下の値を用いよ。
H=1.0 ,C=12.0 ,O=16.0 ,Br=80.0
分子式CnH2n-2で示される化合物Aがある。Aを加熱した鉄管中に通じると、三分子重合しベンゼンが得られた。また、Aをアンモニア性硝酸銀水溶液に通じると白色沈殿Bが、アンモニア性塩化銅(Ⅰ)水溶液に通じると赤褐色沈殿Cがそれぞれ生成した。B、Cはどちらも不安定で爆発性がある。B、Cを乾燥させて熱や衝撃を加えると、大きな音とともに爆発する。
また、Aを二分子重合するとC4H4で示される化合物Dが得られた。D 5.20gを十分な量の臭素と反応させると 53.2gのEが生成した。Dはビニル基を持つことがわかっており、Dに塩化水素を付加させると、クロロプレンゴムFの原料となるGが得られた。
1, 白色沈殿Bの物質名を書け。
2, 赤褐色沈殿Cの物質名を書け。
3, 化合物Aの構造式を書け。
4, 化合物D 1molに何 molの臭素が付加するか。
5, 化合物Dの構造式を書け。
6, 化合物Gの物質名を書け。
アスピリンの合成 解答
フローチャートは主生成物のみ記載し、副生成物は無視している。
問題3・問題5は知らないと解けない問題。
超難関大学を受験するなら名前は知っておきたい。