●4563-アンジェス記事ストック:2024/11/17 22:32 (original) (raw)
●4563-アンジェス記事ストック:2024/11/17 22:32
「I」さんが、本日11月17日の日本経済新聞の26面の「科学の扉」に掲載されている日経新聞の編集委員である安藤淳氏が記載した「課題残る条件付き承認」を紹介していましたが、アンジェスのコラテジェンについても記事の中にあるので、紹介します。
◆ 課題残る条件付き承認(その2)
再生医療などに使う細胞は均質に作るのが難しく、有効性の評価に時間がかかる。そこで、安全性を確認できた段階で患者に届けられるよう、14年に施行されたのが条件・期限付き承認制度だ。だが、同制度で承認を得た再生医療等製品は4つのみだ。いずれも本承認は得られていない。企業は開発費を回収できず事業環境は厳しい。
テルモは7月、患者の筋肉の細胞から作り、重症心不全の治療に使う再生医療製品「ハートシート」の販売を打ち切った。大阪大学と共同開発し15年に条件・期限付き承認を得たが、本承認は得られなかった。
アンジェスが開発し、条件・期限付き承認の取得を経て田辺三菱製薬が販売していた遺伝子治療薬「コラテジェン」は、本承認の申請を取り下げた。市販後データで有効性を示す方法論が確立しておらず、PMDAと議論を続けても先が見通せないと判断した。
国立医薬品食品衛生研究所の佐藤陽治薬品部長は「最初から完璧な制度は作れない。製品開発とともに規制も革新を遂げる」と話す。厚生労働省は3月に同制度を使いやすくするための手引を出すなど改善を試みるが、スピードやきめ細かさがまだ足りない。
米国では再生医療を含む細胞・遺伝子治療薬の開発が活発化し、米食品医薬品局(FDA)は審査要員を大幅に拡充した。開発現場の訪問など情報収集にも積極的だ。今がテコ入れ時だとみているのだろう。
日本は創薬力向上へスタートアップの育成などを強化する。だが「出口」の製品化がおぼつかなければ意味がない。実用段階に差し掛かった日本発の先端医療を、最後まで育てあげる丁寧な支援が欠かせない。