BMW R80のパーツをつくる 〜 3Dプリンター Bambu P1S の活用 〜 (original) (raw)

BMW R80に限らず、旧いバイクって樹脂やゴムの部品が劣化しませんか?

しかも、大したことないパーツが手に入らなかったり、手に入ってもやたら高かったり。

ボロボロのパーツをボロボロのままにしとくのも心苦しいので、パーツを作りました。

<制作の大まかな流れ>

1、観察:どんな構造のパーツか観察

2、採寸:実機を採寸します、場合により3Dスキャナでスキャンします

3、設計:Fusion360モデリングします

4、試作:設計したパーツを3Dプリンターで出力し、きちんと取り付けられるか検証します

5、完成&検証:純正部品は長い時間をかけてパーツの耐久性を担保していますが、3Dプリンターで扱える素材に同じような耐久性を求めるのは酷です。完成したパーツは1年通じて使ってみて検証します(また朽ちたらまた作ればいいだけですが)

<作ったもの>

1、シート下小物入れ

バイクの無塗装樹脂部品の多くはポリプロピレンらしいのですが、R100、R80系のそれはどうも違うようです。なんというか風化するようにポロポロと朽ちていきます。

そこで、ASAという耐候性や耐熱性に優れた樹脂で制作しました。形がややこしかったので3Dスキャンしましたが、結局現物を採寸して寸法を合わせました。
綺麗に収まりましたが、大型のASAパーツは収縮が大きく、純正のフタをハメられるようにするのに苦労しました。フタの必要性はそんなに大きくないので、試作材料代と天秤にかけてフタの装着は諦めました。

2、メータのラバーシュラウド
純正のゴム部品は劣化でスカスカ&痩せてたので気になってました。
TPUなる柔らか素材も出力可能なので、そちらで作ってみました。
どうしてもテカテカになっちゃいますが、ピタピタで作れました。
こういう外観部品って、小さくても平面ではなく曲面でデザインしてあげないと、凹んで貧相に見えることがわかりました。

左:カピカピの純正 右:TPUで作ったパーツ

3、フォークブーツ

車格の割にフロントサスのインナーが細くて頼りなく見えるので、フォークブーツを付けたいなと思ってました。
そもそもぴったりの純正品があるのかないのかわからない。
フォークを抜かないと装着できない。
ということで、ぱかっと割れるタイプの専用品を設計しました。
今時点で出力中ですが、うまくいけばR80にぴったりのフォークブーツが作れそうです。
出力に17時間、一本200gも材料を使うので、自作とは言えなかなかに高コストな部品です。

私が使ってる、3DプリンターはこちらのBambu P1Sです。
趣味で使うツールとしては、ちょっとお高いですが、ABSやカーボン入りの高機能素材も出力できます。AMSというオプションを使うと、パーツ分割を行うことなく多色成形を行うこともできるので使いようによっては非常に便利です。

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こちらのA1はかなりお手頃ですが、出力部が覆われていないので、ABSなどの高温で出力する素材には不向きです。
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