音楽アーティストが得る収入は、1再生あたり0.16円。Apple Music、AWA、LINE Music、Spotify……定額制ストリーミング配信時代に突入 - Swingin' Thinkin' (original) (raw)

地上波テレビで放送されたNHK「クローズアップ現代」、特集「音楽の値段はいくら? 配信ビジネスで問われる創作の価値」を見ました(関連記事)。

音楽サブスクリプション、いわゆる定額制音楽聴き放題サービスの現状をうまく取りまとめた内容で非常に良かったです。

NHKクローズアップ現代「配信ビジネスで問われる創作の価値」を見て

番組内容のポイントは以下のとおり。

以下、内容の一部をご紹介します。

【音楽産業の歴史】誕生、栄光、そして衰退

今、名門スタジオの閉鎖が続いている。なぜ、音楽産業はここまで追い込まれたのか? まずは、音楽の歴史を振り返ってみます。

音楽普及の歴史

音楽専門家やアーティスト、危機感を抱く

ベッド・ミドラー

「配信サービスではアーティストは生活できない」

マドンナ「世の中にタダのものなんてないのよ」

テイラー・スウィフト「デビューしたばかりの新人が、十分な対価を得られなくなるのを心配しています」

そして、日本の音楽専門家は、「利便性は高まるが、音楽の価値は下がる。購入のプロセスがなく、誰かに(アプリに)勧められるまま聴き、誰が歌っているのかを意識しなくなり、アーティストの存在が希薄になる」と言います。

アーティストの収入 CDアルバム 110円(1曲 8.48円)、ダウンロード1曲16.6円、ストリーミング再生0.16円

*Spotifyの公表データを元に京都精華大学講師 榎本幹朗さんが試算(諸印税計15%と仮定)
*Spotifyとは、世界最大手の音楽ストリーミング配信サービス。現時点、日本未上陸

ラジオDJ、ピーター・バラカンさんの意見

番組ゲストとして出演していたピーター・バラカンさんは、ラジオDJ歴35年の大ベテラン。彼が語っていたことをかいつまんで紹介します。

音楽業界にいる側の方は、グサリとくる内容かもしれません。

レコード会社が宣伝しているのはアイドルばかり

音楽業界のあらたな動き【事例紹介】

インディーズバンドDiz

ライブ本番前に、インスタントカメラのチェキでメンバーどうし大量に写真撮影。それをライブ会場で、1枚500円で販売する。「CDの販売だけでは間に合わないので、写真の販売に力を入れている」とのこと。


ピースオブケイク(CEO加藤 貞顕さん)

アーティストとファンを結びつける、新たな仕組みをウェブ上につくった。デビュー前の楽曲を販売したり、ファンから直接経済的支援を受けることができる。年間10万円以上支援するファンもいる。


音楽プロデューサー 牧村憲一さん

500円コンサートを開催。有名アーティストと一緒に新人を紹介し、新しいアーティストを知ってもらう場を広げている。

ラジオDJ、メディアとしての役割

ふたたびピーター・バラカンさんの意見。

音楽をたくさん聴いて、自分の感覚で紹介しよう!

最後に、ストリーミング配信がつくる未来は?

ストリーミング配信に危惧する関係者やアーティストもいるが、このまま行けばいずれにせよ音楽産業はより縮小する。そんななか、ストリーミング配信は新しい可能性をひらいてくれるだろう。ただし、まだ多くの人が模索中。これからだ!

……といった番組内容でした。

いずれにせと、今やってきている新たな時代の流れには、あらがえないでしょう。それだったら、ストリーミング配信時代到来を前提とした上で、新たな道を探るしかありません。賛否両論が渦巻いていて一筋縄にはいかないかもしれません。

さて、どんな生き抜く道があるのでしょうか……?

【iOS 13新機能】Apple Musicの歌詞機能、カラオケのように曲に合わせて表示させる方法:パパやるより

ところで、僕はApple Musicを愛用しています。膨大なアルバム・曲を持ち歩けるというのは素晴らしいですね! 曲によっては歌詞をリアルタイムに見ることができます。また、Appleが自動で自分好みのプレイリストを作ってくれる「For You」も、なかなかの選曲ですよ。

Apple Musicは3ヶ月も無料期間もあるので、まずは試してみてください。

北野

【追記2022年】1再生あたりの収益は最大でおよそ1円

NHKで音楽サブスクの特集があり、本記事を書いたのは2015年。

あれから7年。

CDの売り上げはますます減少し、サブスク利用者が増えました。全体のユーザー数が増えたからか、1再生あたりの単価も上がってきているようです。

そんな最中、ABEMA Primeにて「【音楽サブスク】SUKISHA「収益は2000万」儲かる?儲からない?」の特集が行われました。番組内で1再生あたりの収益に関しての発言があったので、その部分のみピックアップします。

Spotify、1再生あたり最大でおよそ1円

1再生あたり、およそ1円の収益。

ただし、必ず1円というわけではなく、それを下回ることもあり、その判断基準はよくわからない。「どこまで聞かれたのか?」が加味されているのかも。

Apple Music、1再生あたり0.8円〜0.9円

TuneCoreを通じて、各種サービスへ配信。Apple Musicからの収益は0.8円〜0.9円ほど。

本番組では、音楽サブスクで稼げるのかどうかを議論しました。結論としては、収益としては儲かる人もいれば、儲からない人もいるということ。音楽サブスクは人気のプレイリストにラインナップされると、再生回数が一気に上がる。再生回数に応じての収益なのである意味公平と言える。

また、歌詞の無いインストゥルメンタ(インスト)では、海外でパッと広がる可能性も。

音楽サブスク上では、CD販売とは違う、人気の出方や稼ぎ方となっている。

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