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震災時のアスベスト対策の教訓をボランティアにも 神戸

09月02日 09時20分

阪神・淡路大震災では建物の解体作業でアスベストを吸い込んだことによる健康被害が問題となりましたが、その教訓を今後の災害でどう生かしていくか考えるシンポジウムが神戸市で開かれました。

このシンポジウムは、災害とアスベストについて調査や研究を行っているグループが開いたもので、およそ80人が参加しました。
この中で、震災後の神戸で調査にあたった熊本学園大学の中地重晴教授は、「当時、倒壊後の建物の解体にあたった人たちには十分情報が行き渡っておらず、アスベストを吸った人が多くいるのではないか」と話し、阪神・淡路大震災で活動した人にその後、健康影響が出ていないか注目していく必要があると指摘しました。
また、アスベストの問題に取り組むNPOの永倉冬史さんは、地震だけでなく、台風や水害の被災地でも、がれきが乾燥した後にアスベストの粉じんが発生しているとして「災害が起きた直後からアスベストを意識してがれきの分別を行うことや、ボランティアにアスベストの危険性について知識を持ってもらうことが必要だ」と話していました。
シンポジウムを開いたグループは、これまでの大きな災害で活動を行ったボランティアに健康影響がなかったかなどのアンケートを行っていて、震災から30年に向けて結果をまとめる予定だということです。