プーチン神話の崩壊 (original) (raw)

昨年のBRICSサミットでの南アフリカの姿勢について注目すべき出来事が報じられたことを覚えていますか?南アフリカは、ロシアのプーチン大統領に対して「来るな」と伝えたのです。これは、単なる外交上の決定ではなく、国際的な法と政治の絡み合いが背景にあります。

南アフリカの対応
2023年5月1日、南アフリカのメディアが「プーチン大統領BRICSサミット出席をオンラインに変更するよう求めた」と報じました。背景にあるのは、国際刑事裁判所ICC)による逮捕状です。ICCプーチン大統領に対して「ウクライナの子供たちを誘拐させた容疑」で逮捕状を発行しました。そして南アフリカICCの加盟国。つまり、プーチン南アフリカに入国すれば、彼を逮捕する法的義務が生じます。

これは、単なる法的な義務だけでなく、プーチンの国際的地位の低下を象徴する出来事です。彼の影響力が衰え、BRICS内での立場も危うくなっていることが浮き彫りにされました。

プーチンBRICSの関係
プーチンBRICSを「反米の砦」として、極めて重視してきました。彼はBRICSを「多極世界の中心」として期待していましたが、現実はそう甘くはありません。中国やインドはロシアのエネルギーを大量に輸入していますが、それは単に「激安だから」であり、政治的な連帯ではありません。

さらに、武器や弾薬を求めるロシアの現状が、彼の弱さを露呈させています。北朝鮮からの武器購入のニュースや、習近平への弾薬供給要請が拒否されたことも、その一例です。

プーチン政権の崩壊はいつから?
歴史の教科書には「プーチン政権の崩壊はウクライナ侵攻によって始まった」と記されるかもしれません。しかし、私はその崩壊の始まりは2021年初頭からだと考えています。反プーチン活動家のナワリヌイ(逮捕、投獄、獄中死)の「プーチンのための宮殿」動画の公開が、ロシア国内でのプーチンの神話を崩壊させた瞬間です。この動画を見たのはロシアのほとんどの国民であり、プーチンのクリーンで愛国的なイメージはそこで壊されました。

その後のロシアは、恐怖と力によって国を維持しようとしている状況です。反戦の絵を描いた少女の父親が逮捕され、娘が孤児院に送られるような事例が日常化しています。

結論
プーチン政権は、ウクライナ侵攻や国際的な孤立により急速に崩壊しつつありますが、その本当の原因はプーチン神話の崩壊にあります。支配者が神話を操り、民を従わせてきた歴史の中で、プーチンもまたその神話に頼っていたのです。しかし、今やその神話は崩れ去り、ロシアは新たな時代を迎えようとしています。