台湾の文明史家・黄文雄氏を偲んで (original) (raw)

作家・文明史家の黄文雄氏が7月21日に亡くなった。享年85歳。去る4日に都内で「黄文雄先生を偲ぶ会」の集いが催されたので所縁の者として出席させて頂いた。

(「黄文雄先生を偲ぶ会」にて、以下筆者撮影)

黄氏は1938年、台湾高雄県岡山鎮生まれ。1964年に来日し早稲田大学商学部卒業。明治大学大学院で西洋経済史学修士

作家としての最初の著作である『中国之没落』(台湾・前衛出版社)は元々、米国内で在米華人向けに発行されている華字新聞『台湾公論報』紙上で2年にわたり連載されたものである。

当時の台湾は蒋介石~蔣経国率いる中国国民党政権による戒厳令が敷かれており(1987年解除)、台湾内では地下出版されていたものの、『中国之没落』は知識人の間で大反響を呼んだ。

その後1990年代に本格的な著作活動に入り1994年『台湾人的価値観』(前衛出版社)で巫永福評論賞および台湾ペンクラブ賞を受賞。巫永福文明評論賞、台湾ペンクラブ賞を受賞された。

筆者が最初に読んだ氏の著作は

『呪われた中国人 “中国食人史"の重大な意味』

(光文社カッパブックス、1990年9月刊)で、中国の伝統的な食人文化に衝撃を受けたものである。

思うに黄氏の著作の骨格は台湾の作家・柏楊(1920–2008)が1985年に出版した『醜い中国人』の流れを汲む、“中華文明”と“中国人”に対する鋭い分析と考察だった。

氏の日本での著作活動では亡くなるまでに140冊以上の著作を出版されており、最盛期には毎月新作を上梓するという驚異的な活動であった。

私が参画している『日華(台)親善友好慰霊訪問団』は毎年6月に福岡市内にて台湾と我が国の交流のため 「台湾特別講演会」 を開催しており、一昨年まで黄氏に講演を依頼していた。その後お身体の調子がすぐれないということでご無沙汰していたが、訃報を聞き残念でならない。

… … … … … … … … … … … … … … … … … …

ブログランキングに登録しています。

応援いただければ、下記アドレスをクイックお願い致します。

https://blog.with2.net/link/?2009463

… … … … … … … … … … … … … … … … … …