個人開発で本気を出してスマホゲームを作るとお金は一体いくらかかるのか? | Taiyo Project (original) (raw)

ぶっちゃけた話、外注費用っていくらぐらいかかるの?

個人でスマホアプリやゲームを開発していると「あー、この部分をイラストレーターさんに頼めたら良いのになー」みたいに、自分の得意でない分野の課題に対していわゆる『外注』をしたいと思ったことがあると思います。

イラストに限らず、ぬるぬる動くアニメーションやシーンを演出するサウンド、はたまたグローバル展開のための翻訳作業など、自分以外の誰かにお願いしたいことってたくさんありますよね。

しかし、赤の他人にお願いするには大抵の場合お金が必要になってきます。

そこで今回、自分の経験を踏まえて「個人開発で本気を出してスマホゲームを作るとお金は一体いくらかかるのか?」をお伝えしたいと思います!

[2016/11/16追記] イラストを買い叩いているのでは?というご指摘について

Twitterのフォロワーさんから、どなたかが私のものと思われる記事に対して「イラスト費用が安すぎる、どれだけ買い叩けば気が済むんだ?」といった主旨の発言をしている、とのご連絡をいただきました。

念の為に弁明しておきますと、今作品のイラストはSkillotsやLancersといったクラウドソーシングサービスを利用してイラストレーターさんを募集しました。

その際、大まかな予算についてはこちらから提示しましたが、1枚あたりの作業スケジュールや価格などは全てイラストレーターさんの側から提示していただきました。

結果として、採用したイラストレーターさんにお支払いした報酬は、こちらが提示した予算を若干ですがオーバーしているぐらいです。

もちろんイラストに限らず、この記事中に記載のある翻訳作業やベータテスト作業など、全て双方が納得、合意した上で作業に取り掛かっていただきました。

その点について、誤解のないようにお願いしたいと思います。

だから良いという訳ではない

ただ、双方納得しているからといって、イラストの金額が安いという事実は確かに変わらないと思います。

私自身、もっと出してあげられたら良いのだろうというのは、理屈としては分かっています。

ですが個人運営の開発チームで、お金を出してくれるようなスポンサーもいないような状況では、この金額でやってくれるという方を探すしかない(それがいなければ自分でやるしかない)というのが精一杯の現状、現実だったりもします。

これを書いている現時点では、まだその金額の差や気持ちの差を埋めることはできませんが、いずれはそこもしっかりと埋めて進められるよう、より一層努力してまいります。

各制作業界にて働く皆様、何卒事情ご賢察のうえ、ご容赦くださいますようお願いいたします。

本気を出して作ったスマホゲームはこちら

ちなみにですが、今回の話に出てくる「本気を出して作ったスマホゲーム」はこちらになります。

スマートフォン用ゲーム 放置&ハクスラ系RPGソウルクリスタル >> スマートフォン用ゲーム 放置&ハクスラ系RPGソウルクリスタル

これはTaiyo Projectとして初めてリリースしたスマホゲーム「放置&生贄系RPG ソウルクリスタル」の超完全200%リメイク版にあたるゲームです。

ハクスラ要素や育てた仲間を犠牲にしてパーティーを強化していくといった基本的なコンセプトを残しつつ、世界観やゲームシステムを刷新、よりやりこみ度の高いゲームとして作り直しました。

もしよろしければインストールしてプレイしてみてください☆

今回かかった費用

もったいぶるのは趣味ではないので、今回のゲームを作るにあたってかかった費用をざっくりとですが公開しちゃいます。

イラストにかかった費用:50万円

タイトルロゴ&背景、キャラクターイラスト、ゲーム中の背景イラスト、キャラクターチップ(ドット絵)のそれぞれを、プロアマ問わず計4人のイラストレーターの方にお願いしました。

お金についてはイラストレーターさんによって費用感が大分違うのですが、大体1枚のイラストを仕上げてもらうのに2万円前後かかると思ってください。

アマチュア~セミプロのレベルなら1枚1~2万、プロや企業のレベルなら1枚3~5万ぐらいするかな・・・って感じです。

※ちなみにイラストレーターさんとお仕事のやり取りをする場合はこちらの記事「【本当の】イラスト作成依頼の難しさ イラストレーターとのやり取りで不和を起こさず最高の成果を得るための方法」を参考にすると幸せになれるかも!?

翻訳にかかった費用:80万円

今作では日本語の他に英語と韓国語をカバーしました。

費用感ですが、日本語1文字に対して15円~20円といったところが多いですね。

今作ではテキストの量が全部で約25,000~26,000字あり、それを2ヶ国語に翻訳したので費用がかさみました。

本当は10,000字ぐらいで済ませようと思っていたのに、作りたいものを作りたいように作っていたらあれよあれよと膨らんでしまい・・・(´・ω:;.:…

なお中国語にも訳してもらおうと思っていたのですが、大人の事情で今回は止めておきました。

プログラムにかかった費用:600万円(仮)

プログラムは全て自分で組みました。腐っても仕事でプログラムを書いていた人間ですしおすし( ー`дー´)キリッ

なので、仮にプログラマーを外注で雇おうとしたならこのぐらいかかっただろうな、という金額を記載しておきます。

プログラマーって何だかんだ高給取り(※)で、普通の技術レベルのプログラマーさんでも雇おうとすると月50万ぐらいかかります。

しかもプログラマーはその特性上、開発初期から終盤までずーっと拘束し続けなければなりません。

例えば、今回の開発には設計含めて約1年かかったので、ここを外注に出したとしたら50万×12ヶ月=600万円ぐらいが必要経費として上がってくる訳ですね。

うん、払えません!自分でプログラムが組めて本当に良かった!(笑)

※プログラマー自体の金額は高いのに、日本の企業に飼われているとそのお金はプログラマーには落ちてこないんですよねえ。ああ怖い怖い。

テストにかかった費用:10万円(仮)

公開前のゲームを実際に遊んでもらい、開発では見つけられなかったバグを見つけてもらったり、良かった点悪かった点などのフィードバックをもらってゲームを改善したりします。

いわゆるベータテストってやつですね。

ただし、この記事を書いている時点ではまだ予定(テストするつもり)の段階で、10人ぐらいにテストしてもらえたらと思っているので、ひとまず予算金額を記載しておきました。

プロモーションにかかった費用:50万円(仮)

こちらも現時点では明確に決まっていないので予算を記載しておきます。

ただ、プロモーションは全ての個人開発者の課題であり、立ちはだかる巨大な壁であると思います。

ここをいかに上手く乗り越えて行くかで結果(DL数や収益)も大きく変わってくるのですが、ここをガチで攻めようとすると殴り合う相手が企業だったりインディーズという名のプロ集団だったりしてくるので本当に難しく、厳しいですね。

ぶっちゃけて、50万円なんて予算は焼け石に水どころか雪山に熱湯ぐらいの規模でほとんど意味なんて持ちません。ただの気休めです。

その他、費用がかからなかったもの

今回はサウンドやアニメーションなどにはお金がかかりませんでした。

理由としては、サウンドはこれまで通り全てフリー素材で済ませたため、アニメーションは特に派手なアニメーションをさせる予定が無かったためです。

本当はこういった部分にもガンガンお金をかけてみたいんですが、優先順位を考えると私の中では後回しになってしまいがちですね。

ほんとすみません。フリー素材作者の方々にはとても助けられてます。ありがとうございます。

名目上では1本800万円也!

とまあ、個人開発者が1つのスマホゲームを本気で作ろうとすると、頭から尻尾まで全部含めて名目上では800万円ぐらいかかる計算ですね。

その内の600万円(プログラム費用)は自分で賄ったので、実際に私のお財布から出ていったお金は約200万円ほどですが。

もちろん作ろうと思うゲームの規模にも左右されますし、見た目のクオリティーとかを気にしないのならば全てタダで済ませることも可能です。

ただ、Taiyo Projectとして過去に出してきた作品と、そこから得られた利益、それらを踏まえてユーザーの皆さんに200%還元できたら良いなあという思いから、今回は大盤振る舞いしてみました。

まあ赤字でしょうね、大赤字で済めば良いところです(笑)

なのでまあ、これから個人でスマホアプリやゲームを開発しようと思っている方は、まずはどれだけ少ないリソースや金額でユーザーを満足させられるかを考えてみてください。

安い食材でも美味しい料理は作れる、アプリ開発もそれと同じです。多分。

逆に、すでにある程度の実績をお持ちで今後さらに力を入れていきたいと思っている方でしたら、この記事を費用面での1つの指標として役立ててもらえれば幸いです。

※そして以下のツイートを拡散していただけると嬉しいです!お願いします(`・ω・´)ゞ

【拡散希望】1年の開発期間と200万円の開発費をかけた個人制作スマホゲーム

『放置&ハクスラ系RPG ソウルクリスタル』

iOS/Android各ストアにてついに公開開始しました!ヽ(゚∀゚)ノ パッ☆https://t.co/b40idB7qrQ

— フイロン@新作RPG11月4日公開予定! (@lifeofsnufkin) 2016年11月4日