高津区にあった長崎堤防の名前の由来 (original) (raw)
北見方には長崎堤防があった
では、当サイトの別の記事、
「右岸の筏道(3) 引用文献から明治期の地図に右岸順路を描く」の
「平間〜諏訪の一本松」
で使った引用文を確認します。
つぎのような内容です。
その先は無堤防なので、丸子、小杉、宮内と府中街道を歩き、北見方の長崎堤防を通って、諏訪の一本松のところに出る
注:北見方・きたみがた
この引用文には「北見方の長崎堤防」という言葉が出てきました。
「北見方」というのは川崎市高津区の町名で、古くからある名前です。
北見方には長崎山もあった
上の引用文には「北見方の長崎堤防」とあるので、北見方について別の資料を見ることにします。
次は別の資料からで、北見方地区、通地名 長崎山、とありました。
北見方(きたみかた)地区
通称地名 表、六反圃、高橋、定使免、長崎山、
注:資料の一部を抜粋して使用
川崎市の地名に関する調査研究及び普及啓発業務委託
「川崎市 中原区・高津区・宮前区の町名の移り変わり」,p20
川崎委託事業報告書,2019 年(平成 31 年)3 月,川崎市
ここまででわかったのは、北見方には「長崎山」と「長崎堤防」があったということです。
地名辞典で長崎山の所在地は「北見方355」
では、長崎山について、地名辞典を見るこにします。
次のようにありました。
通称地名
長崎山
北見方355。名主の長崎家の屋敷のあった地。《引用文献》(編)日本地名研究所,2004,川崎市,『川崎地名辞典・上』,p339
ここで具体的な所在地の「北見方355」という言葉が出てきました。
そして長崎山の所在地は「北見方355」だということです。
「北見方355」を古い住宅地図で探す
地名辞典には、長崎山の所在地は「北見方355」であるとありました。
そこで「北見方355」が記載された古い住宅地図を探したところ、次の地図に「北見方355」がありました。
地図名:高津区(東)明細地図
発行年:昭和56年度版
発行 :(有)経済地図社
編・発行人:今野繁光
ページ:53
この地図から「北見方355」の位置を確認しました。