充電スタンドが設置できない?自動車用のモバイルバッテリーが登場 (original) (raw)

充電スポットの数は充実してきたが、古い施設では充電スタンドが設置できないという問題がある。大量の電気が必要になるため、送電設備から変える工事をしなければならないからだ。そこで登場したのが自動車のモバイルバッテリーとも言えるCharGoだと新京報が報じた。

充電設備の拡充に残る最後の問題

EVシフトが進む中国では、充電設備の数が2024年6月末に1024.4万台となり、1000万台の大台を超えた。電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)の保有台数は2400万台であるので、適切な割合3:1を下回り、「充電ができない」という問題はほぼ解決されている。

しかし、局所的に見ると、まだ充電ができない問題は起きている。その問題は2つある。ひとつは公共の駐車場などで、充電スポットになっている駐車スペースに燃料車が駐車をして占有してしまうという問題だ。充電スポットが燃料車により満車になっていて、どいてくれるのを待たなければならないことがある。

もうひとつは古いマンションの駐車場だ。充電設備を設置したくても、そのためには送電施設から大容量のものに変える必要があり、その費用を誰が負担するのかが問題になる。

自動車用のモバイルバッテリー「CharGo」

このような問題を解決してくれるのが「CharGo充電狗」だ。簡単に言えば、自動車用のモバイルバッテリーで、ミニプログラムから充電をオーダーすれば、CharGoの方からやってきて、車のそばに止まってくれる。どの駐車位置でも充電ができるという仕組みだ。

上海市の上海臨港センターの駐車場には、このCharGoがすでに導入されている。このCharGoは50kWhの容量があり、10kWhを約30分で充電ができる。10kWhを充電すると、80kmから100km程度を走ることができるため、多くの場合は1時間程度充電すれば間に合う。

上海臨港集団新片区駐車会社市場部の潘錦陽経理は、新京報の取材に応えた。「上海臨港センターでは、平日は利用者数が安定をしていますが、休日になると利用者が急増します。充電スポットを設置しても、平日には無駄になり、休日には足りなくなります。そこで、寧徳時代(CATL)と協働してCharGoを開発し、投入しました」。

CharGoは、6台のカメラ、1台のLiDAR、1台の超音波レーダーを搭載し、無人運転が可能だ。これにより、利用者の駐車位置に走行して充電をする。しかし、まだ障害物や坂などに無人運転が対応できないことがあり、スタッフが対応しなければならいこともあるようだ。それでも、4台を試験導入した5月の連休では、5日間で100台近い新エネルギー車に充電をした。

▲自動車のモバイルバッテリー「CharGo」。自動車がある場所まで自走して、そこで充電ができる。充電スタンドがない駐車位置でも充電ができるようになる。

課題は容量の小ささ

問題は、容量が50kWhしかないことだ。多くの車が最低でも10kWhから20kWhは充電をするため、2台から4台を充電するとCharGoの内蔵バッテリーが空になってしまう。空になった状態から満充電にするには約4時間の充電が必要になる。

上海臨港集団がねらっているのは、CharGoの数と配置を工夫して、電力ピークではない夜間にCharGoが充電をしておき、電力ピークになる昼間に車に充電をするというサイクルを確立することだ。夜間の安い電力を利用してコストを下げることができ、さらに電力ピークの負荷を下げることに貢献ができる。

▲上海臨港センターでは、駐車場が閉まる夜間にCharGoを充電し、昼間に充電に使ってもらうというサイクルを確立することを目指している。

旧式マンションでの導入が目標

潘錦陽経理は、最大の目標は古いマンションの充電問題を解決することだと述べた。古いマンションでは、大量の充電スポットを設置することができない。それには送電設備から変える必要があり、莫大な改造費がかかってしまうことになるからだ。

上海市にはこのような古いマンションが多く、住人は新エネルギー車を買いたくても充電設備が整わないために躊躇をしている。

浦東新区にある雪野二村は、1986年に建設された古いマンションで、住人は充電設備の導入ができずにいた。そこで、黒馬原力(https://www.dhforce.com/)のモバイルステーションを導入した。1台の充電スポットと2台のモバイル充電カートが備えられている。充電スポットが使用中であっても、モバイル充電カートを呼び出して、自分の駐車位置で充電をすることができる。今後も、利用状況を見て、充電カートを増やしていく予定だ。

充電スポットは、新エネルギー車の保有台数が増えていくため、今後も増設されていくが、このような局所的に充電設備が足らない場所にも目が行き始めている。

▲築20年以上経ったマンションでは充電設備の導入が難しい。送電容量が足りないために大規模な工事が必要になるからだ。上海の雪野二村もそのようなマンションだった。

▲雪野二村では、1台の充電スポットと2台のモバイル充電カートのセットを導入した。モバイル充電カートであればどの駐車位置でも充電ができる。送電設備は従来のままで導入できた。

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