葬送のフリーレン - 感情を揺さぶるアニメ、サントラを買い耳飾りを作る (original) (raw)

24話を一気見をして、書こうと思って延びに延びた『葬送のフリーレン』についての記事。24話を見終わってから「続きはないの…?」となっていたところに「二期制作決定!」のニュースが飛び込んできたので、いいかげん自分の中でまとめなきゃねとキーボードを叩く。

アニメを見て感情を揺り動かされるのは久しぶりで『精霊の守り人』以来かもしれない。自分の中でTOP3が入れ替わった。ちなみに3つ目の作品は『蟲師』で、はじき出されたのが『鋼の連勤術師』。

で、アニメの感想だけれども、勇者と魔法使いって字面から、なろうみたいのを想像していたので(ゴメンなさい)いい意味で裏切られた。第一話で衝撃を受け、原作の掲載誌がサンデーだと知ってさらに驚く。少年誌とは思ってもみなかったけど、アニメ後半(一級試験編)は少年漫画らしい要素が増した感じね。

感情に寄り添う音楽

ケルト、アイリッシュ的な音楽が郷愁を誘う。とても映画的な音楽で、アニメを視聴したあとサントラが欲しいと思い購入を決意。それもダウンロードじゃなくてCDでね。サントラを購入したのはロードオブザリング以来かもしれない…管理人のオーディオはだいぶ古いがウッドコーン(Victor)なので弦楽器や民族楽器などと相性が良いのだ。

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この動画だけでも鳥肌が立つ。音楽が記憶を呼び起こし、まるで自分が旅をしたみたいに旅の一場面が鮮やかに浮かんでくる。

ライナーノーツを読むと、ハンガリーで向こうのオーケストラと録音をしたとのこと。どこか郷愁を誘う古楽器や民族楽器の音色と旋律。柔らかく澄んだ声音のコーラス。
なんだろう、空気感とでもいうのかな。どこまでも広がる空と風を感じるような気がするのは。なんとなくだけど湿度が高く狭い日本ではこの音にはならない気がする。石造りの建築と乾いた空気の影響とかあるのかもしれない。

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通常のTVアニメのように出来上がった音楽をパズルみたいに映像に当てはめるのではなく、場面場面で映像に合わせて音楽を作る映画的な手法をとったとのことなので、なおさら場面と音楽がリンクして見る者の感情を増幅させ動かす。

作曲者のEvan Call さんとヒンメルのトーク動画、作曲裏話的なものを聞くことができて非常に面白いので、ぜひ聞いてみてほしい。

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立ち位置によって変わる旅の視点

管理人は小説や映画を俯瞰的に見るタイプで、特定の登場人物に感情移入をあまりしない。フリーレンの場合は、旅の仲間の思いに寄り添って見ていたように思う。それもヒンメルたち、旅が終わったパーティの方に。管理人が若い頃だったらフェルンたちに共感しただろうな。

フリーレンが幅広く支持を得ているのは、いろいろな角度から物語を見ることができる懐の深さがあるからなんだと思う。人生の折り返しを過ぎた人、社会人になる人、学生さん。あらゆる世代に何かしら刺さるだろうけど、特に大人に刺さってる気がする。
幾つの時に作品に出会うのかで印象が変わり、そして年齢を重ねてあらためて読んでみるとまた変化するのが物語の面白いところ。

流星

エルフの無関心と生きる時間の長さ

いろいろな作品でエルフという種族は登場し、だいたい長命であり、人間に対し無関心であったりする。それはなぜか。管理人は一種の防御機能なんだと思っている。

10年一緒に旅をした人からすれば思いは届いて欲しいし、自分たちを少しでも理解して欲しいと思ってしまうだろう。
でも、もし自分がエルフだったとしたら、そんな思いや感情は知りたくなかったと思うかもしれない。知らなければ、何も感じなければ平穏に生きていけるから。
永遠とも言える長い間、感情を揺さぶられ続けていたら管理人の脆弱な心身が持つはずがない笑。
だから長い寿命を持つエルフは感情が欠落しているのかもしれない。鈍いのは身を守るため種としての防衛本能なのだ。

旅の果てに

アニメを見終わった後に、管理人が真っ先に思いを馳せたのは旅の最後。自分に向けられていた想いを理解した時、自分の思いを自覚した時、思いを返したくてももうすでにその人はいない。気付いた時には失っているのだ。これは絶対に苦しいに決まっている。想像するだけで切なくなるね… だから新たな旅の仲間なんだろうけれどね(少年誌ですし)。


ヒンメルはドイツ語で天国という意味らしい。つまり天国を目指す=ヒンメルへとたどり着くことが旅の終着点でもあり、フリーレンがなんらかの答えを得る本当の旅の終わりと予想する。

ヒンメルやハイター、アイゼンが仕掛けたフリーレンへの優しい罠。余計なことは言わず黙って見守り新たな旅へと送り出すかつての旅の仲間。ハイターとアイゼンはフリーレンに新しい旅の仲間を。そしてヒンメルはフリーレンに何を残したのか。
ヒンメルの思いをたどる旅。優しくて楽しい思い出と一緒に。いやしかし、ヒンメルは中身もイケメンだな。

旅のつづき

誰もが経験する出会いと別れ。誰もが知っているからこそ共感できる。優しい思い出と新たな出会いとが、ゆったりとした旅時が描かれる。
指輪物語、精霊の守り人、フリーレン…どれも旅。そうか、ロードムービーが好きなんだな。旅の中で得るものもあれば失うものもある。人生と一緒なんだな。
続きもどんどんアニメ化してもらって、フリーレンの旅を追い続けさせて欲しい。第二期が本当に楽しみ!

〜今日の一枚(いつもの一言にかえて)
フリーレンの耳飾り(自作)作ってみたかったの

フリーレンの耳飾り