玉木雄一郎氏に「包囲網」…“グラドル不倫”騒動収まらず、自民・立憲・財務省で思惑一致(2024年11月15日『日刊ゲンダイ』) (original) (raw)
強気受けもここまで… 影響力は急下降(C)日刊ゲンダイ
国民民主党・玉木雄一郎代表(55)の不倫騒動が収まらない。SNS上では、18年前に玉木氏が自身の公式ブログで、政党は高い倫理観を持った人の集団であるべきだとして、「絶対に、不倫をしない」と記していたことが“発掘”され、火に油を注ぐ状態になっている。
党内には倫理委員会も立ち上がった。内輪の組織だけにお手盛りになる可能性もあるが、きのう(14日)、古川元久国対委員長が代表代行を兼務することになり、臆測を呼んでいる。「玉木さんの代表辞任への準備か」(自民党関係者)というわけだ。
玉木氏の事実上の“失脚”でつくられ始めたのが、自民党、立憲民主党、財務省の包囲網だ。不倫騒動に乗じて玉木の影響力をそぐという思惑が、三者三様ながら一致しているのだ。
「与党が過半数割れしたので仕方ないが、ここまで自民は玉木代表に振り回されてきた。所得税の『103万円の壁』の178万円への引き上げについても、予算案を人質に強気に出られ、守勢に立たされてきた。立憲は野党第1党のメンツをつぶされ、存在感の低下が著しい。13日には国民民主に対抗する形で社会保険料に関わる『130万円の壁』を是正する法案を独自に提出しました。大幅な税収減を避けたい財務省はニンマリしている」(政界関係者)
日刊ゲンダイが既報(11月9日付)した通り、自民の税制調査会は財務省出身者ばかりだし、立憲も野田佳彦代表は財務大臣経験者で「税制も財政もよく分かっているから、事情は理解しているだろう」(財務省関係者)。
地方自治体も不満をブチまける。玉木・国民民主の主張通りに「年収の壁」を見直すと個人住民税が4兆円の減収となると総務省が試算。全国知事会長の村井嘉浩宮城県知事は、13日の記者会見で「(個人の)収入が増えれば消費が喚起され、税収も増えるといった夢ごとではなく、地に足がついた具体的な方策を議論して欲しい」と苦言を呈していた。
「不倫が発覚し、玉木さんの独壇場ではなくなったことで、『年収の壁』をめぐる議論は複雑な連立方程式になってきた。ただ、財務省の思惑で中途半端な落としどころになると、世論の怒りを招く。さて、どうするのか」(政治評論家・野上忠興氏)
減税は大歓迎だが、財源の手当ては必要。財務省の手のひらで踊らされるのではなく、この際、法人税増税なども含めた抜本的な見直しが必要なんじゃないか。
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政治ジャーナリスト田崎史郎氏は玉木代表が辞任しないことに触れ、2016年に不倫問題で議員辞職した宮崎謙介氏の前例に「それより重い立場にある政党代表者が何にも責任取らなくていいんだろうかっていうことです」と指摘した。
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(2024年11月15日『山形新聞』-「談話室」)
▼▽政治家にとって鼻は大事な存在である。古来、欧州ではそう信じられていた。例えばフランスの英雄ナポレオンの肖像画には、鼻筋が長く通った横顔が描かれる。これは洗練された性格と情熱を持つことの表れという。
▼▽部下の鼻にもこだわった。「重要な仕事を頼むのであれば、可能な限り鼻の長い者を選ぶ」と。「図説 鼻とにおいの文化史」(カーロ・フェルベーク著)に教わった。実際の嗅覚も鋭かった。戦に敗れて孤島に流される際は、船に塗りたてのペンキ臭に苦しめられたとか。
▼▽日本の政界で「鼻が利く」といえば最近は国民民主党の玉木雄一郎代表だろうか。衆院選で「手取りを増やす」と訴え、躍進に導いた。過半数割れした与党には「年収の壁」見直しを迫り、存在感を発揮する。ところが、自慢の鼻をへし折るような醜聞が発覚してしまった。
▼▽妻以外の女性に鼻の下を伸ばしていたのだ。謝罪を受け、党は両院議員総会で玉木氏の代表続投を認める一方、倫理委員会に調査を委任した。「彩(さい)ずる仏の鼻を欠く」という。最後の最後、仕上げにつまずくことを意味する。まさに今回の件を指しているようなことわざだ。