【読了】「遺品博物館」太田忠司 (original) (raw)
超遅読のゆきです。どうしても寝る前の少しの時間で読むので遅くなりがち…。
で、今回読み終わったのはこちら↓
「遺品博物館」著・太田忠司
太田忠司さんは履歴もある方なのですが、実は初めましての作家さんです。
ふと本屋さんに立ち寄った時に目に入ったこちらの作品、タイトルと装丁が気になったので手に取ってみました。
短編集は個人的に手に取りやすく、さくさく読めるので好きです。
一編目〜七編目
亡くなった方の遺した遺品。
その遺品を回収して博物館に展示する「遺品博物館」なる物が作中には存在します。
そこから派遣された学芸員の吉田・T・吉夫。
彼が遺品を鑑定して彼がこれ、と決めたもの一つを回収して遺品博物館に展示されます。
遺品鑑定の基本は明かされてませんが、一番選定に重要なのは遺品に亡くなった方の人生の物語があるものだそうです。
遺品にある物語を紐解く中で、亡くなった方とその方を取り巻く周りの人や遺族との関係性などが各短編に描かれているという展開です。
それぞれ複雑に隠された物語が吉田によって紐解かれていく…と言っても過言ではないかな。
事件性のあるものや、ほっこりした内容のもの、いろんな種類のミステリーがまず七編納められている感じでしょうか。
割と一編一編はサラッと読みやすく、かといって話の展開は先が気になるものばかり。
気がつけば寝る前に一編を読み終わって寝る、という流れで読めました(一編最後まで読みたくなるんです)
遺品博物館の存在がいわゆる「特殊設定ミステリー」になるのかな…とも思ったんですが、それ以外は何かしら魔法が関わるとか特別な力が絡むとかではなくちゃんと現実的なミステリーかなと思います。読みやすい。
すでに「亡くなった人の存在」が出てくるので、人の生死に関わるミステリーが苦手な方には絶対おすすめ!とは言い難いですが、あんまり殺人描写はほぼないので殺人が怖いって人には大丈夫かなぁと思いました。
最後の八編目
ただ最後はしっかり本格ミステリーです。殺人事件が起こります。
しかも密室殺人。動機も遺産騒動が絡んできます。
ただミステリーを沢山読み慣れてる方にはあっさりとした事件じゃないかしらと思います。割とすぐ真相も分かる。
今までの七編があってこその八編目なんだろうなというのもすぐ分かっちゃう 笑
でも私は好きでした。
遺品博物館という変わった設定が面白いなと思ったので、ミステリー好きの方にも読んでほしいなと思ったし、やはり太田忠司さんは著名な方だけあるんだなと思いました。
さくさく読めると思います。
まとめ
今回初めて太田忠司さんを拝読しましたが、この「遺品博物館」以外にも似たようなタイトルで「奇談蒐集家」「怪異筆録者」も気になります。
シリーズモノでは無いようですがぜひ読んでみたいなと思ったので太田忠司さん個人的に今後も読ませてもらいたい作者の方リストに入りました 笑
上記の二作品の後は長編作品も読みたいな。
もしオススメがありましたら教えてほしいです。私も調べてみようー!
ちなみに装丁のようにちょっとアンティークさを感じるものは好みでついついジャケ買いしちゃいます…なんか良いよねぇ。雰囲気あって好き。