入院生活と、ゴロ寝読書2 (original) (raw)

10日も安静にしていれば落ち着いてきて、退院の目処がたった。

トホホな夏が、終わろうとしています。

とはいえもう少し、安静の時間は必要みたい。

それにしても、医療従事者の方々には頭が下がるばかり…

本当にお世話になった。

ベッドで読んだ本『ぐりとぐらのたまご』。

以前神保町の東京堂書店で購入した。

片手サイズの小さな本。

言わずと知れた絵本『ぐりとぐら』は、卵がたくさん入ったカステラを作るシーンが有名だ。

ふっくらまんまる、あのキツネのような色を見ているだけでおいしそうでヨダレが出る。

ぐりとぐらの作者は中川李枝子さん。挿絵は姉妹である山脇百合子さんが担当している。

中川さんは元々保育士さんで、お子さんが伸び伸びと楽しむことに全力で取り組んでこられた。

その後、自然や生き物、おいしいものに触れることの喜びをお話でも伝えたいと、ぐりとぐらをはじめとするさまざまな物語を制作されるようになる。

ちなみに【となりのトトロ】のオープニングで流れる『さんぽ』は、中川さん作詞だ。

あのメッセージこそ中川さんの世界だ。

中川さんの思いを汲み取り、なお生き生きとした絵は、ご姉妹である山脇さんならではだ。相性100%って感じだ。

この本では、ぐりとぐらに出てくる「設定」を取り上げるという、今までなかったタイプの内容。

どこがどんなふうに素敵なのかを、その専門家の解説とともに楽しめる。

ぐりとぐらの衣装のデザインはどんなか、インテリアはどんな感じか。

食器は、料理は、草花はどんなものが描かれているのか。

ぐりとぐらの絵は大好きなのでたくさん見ているつもりでも、細かなところまでは気づけていない。

家具ひとつとってみても、どの年代の、海外でいうとどの辺りの国の影響でこれが描かれているかなどがわかる。

山脇さんの絵は、素朴であたたかである上に、デザインが洒落てて普遍性に満ちたモノがたくさん出てくる。

特に、お洋服のセンスが抜群だと思う。

赤と青の色違いで同じものを着るぐりとぐらがほんとに洒落ててかわいくてたまんないのだ。

それらのひとつひとつをうっとり楽しむ時間はとても幸せな気持ちになった。

「読む美術館」とでも言うのかな。

じっくり何かに触れるときというのを、ベッド上で味わった。

こういう本って出会うタイミングがなければ知らないままという気がする(たまたま平積みしてあるのを手に取った)。

ギフトにも素敵な本だと思う。

癒されたい私が、ほんとに癒される時間を過ごすことができた。

・・・・・てんとてん ten to ten・・・・・

東京在住のイラストレーターの日常の記録。

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