嵩山城・雨師城 岳山稜線上の城 (original) (raw)

嵩山城縄張図(国土地理院の電子地形図25000に

web等高線メーカーで5m等高線を追加)

雨師城縄張図(国土地理院の電子地形図25000に

web等高線メーカーで5m等高線を追加)

北に初瀬川(大和川)南に笠間川が流れる谷に挟まれた桜井市初瀬の岳山(高山・鎌倉岳・城山 標高525.3m/比高約190m)を主峰とする稜線上に二つの城があります。

岳山の山頂に嵩山城、東端近くの雨師集落背後(北)に雨師城があり、いずれも短郭の周囲を空堀が囲む縄張です。なお南西方向約2.5kmの竜谷城(2015年4月5日ブログ)があります。

嵩山城は、三角点のある尾根を空堀で囲み外側は土塁状になっていた。土塁は数か所竪堀のような形で切断されているが、これは横堀内に水が溜まるのを防ぐ目的のものか。東側にある中継局の間は北から谷が回り込んでいるが、城との遮断が充分でないように思えるので何かの形で利用されたのか?

雨師城は、雨師集落背後の尾根のピーク(標高約445m/比高約120m)にあり全周を空堀で囲まれ、内側の東に明確な土塁があり北と南にも痕跡程度のものが見られます。全長30mに満たない規模で周辺にある、五津城、平間城、内原城等の中でもきわめて小さいものです。

嵩山城写真

雨師城写真

奈良県教育委員会 令和3年3月 発行

奈良県中近世城館調査報告書 第2分冊