医師数と医療需要は、いつ均衡するのか??? (original) (raw)

医学生と将来のことを話していて、不意に『医療需要と医師数が均衡するのはいつか?』という疑問が出てちょいと調べたので、備忘録として。

国内のいくつかのデータを集めてみた

(1)医師国家試験合格者数
国内の医学部のは定員割れすることはまずなく、2017年には、国際医療福祉大学医学部も新設され、すでに卒業生も生まれている。
また、医師国家試験合格者数は、2020年度以降も9,000~9,500人程度である。
ちなみに医師国家試験の合格率は90%を超え、理系の国家試験で一番合格率が高いともされる。
一般の方にとっては、じゃあ簡単なのか?!と思われるが、この高い合格率が故に、逆に落ちないようにと相当のプレッシャーがかかるのを知っておいてほしい。w
出典:https://www.gomec.co.jp/mec/kokushi/back_data/

(2)実際の医師数は多分増えている。
毎年、引退も含めて、臨床から離れる医師もいる。
令和2年の医師の中で「医療施設の従事者」は 323,700 人で
令和4年の医師の中で「医療施設の従事者」は 327,444 人で3,744人増えている。

いちお、下記のデータを作成したがこの数値は実際と乖離する可能性もよく指摘され
ている(気がする)。
出典:厚生労働省令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/22/dl/R04_kekka-1.pdf

(3)国内の人口は、減っている。
一方で国内人口は、2004年をピークに減っている。ここは深くは語らない。

総務省の長期目線:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/22/dl/R04_kekka-1.pdf
統計局:https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2023np/index.html

ここで、一つの疑問が生まれる。
医療需要に対して、医師過剰にはならないのか。

その前のポイントとして、
医療需要と医師数が均衡するのはいつか???
今は、どこにかしこも医師募集中!研修医募集中!であろう。そうでもないかもしれないが。私の住む地域も例外に漏れず、医師募集をしている医療機関は多い。
継承や先輩医師の引退を考慮して、医師を確保しておいても損はないと考えるのが妥当か。

もちろん経営的に問題なければの前提になるが、医師数は多ければ多いほど、内部でのゆとりも出て、新規事業にも着手しやすいと想定される。
逆に1人、また1人と減れば、内部留保者の負担は増え、負のサイクルが回り始め、大変である。

直感的には、2024年現在は医療需要に比して、医師数が少ないことが予想されるが実際はどうか、いつ均衡するのか、、

これを調べると結構面白かった。いよいよ、本題ですよ~。

まずは、ChatGPT4o:均衡するのはいつ?

プロント(命令文);“日本において、医療需要と医師数が均衡するのは、西暦何年頃でしょうか。”

Chat-GPToの回答を抜粋・一部訂正すると
日本医師会厚生労働省などが発表する予測では、医師数が需要に追いつく時期は、2040年頃とされています。この予測は、医師養成数の増加や地域間の医師偏在の是正が進んだ場合に可能とされる数字です。』

次にググる:均衡するのはいつ?

過去の予測から見ていこう。

2016年4月の医師需要分科会(https://gemmed.ghc-j.com/?p=8314)では、
需要と供給のバランスを見ると、早ければ2024年頃、遅くとも2033年頃には30万人程度で需給が均衡し、それ以降は医師の供給数が過剰になる―。
➢このときの予測では早ければ、今日現在で均衡状態となっていたと。😯

2024年1月26日資料(https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/001198911.pdf)では、
中長期的な医療ニーズや医師の働き方改革を織り込んだ医師の需給推計を踏まえると、
令和11年頃(=2029年※筆者加:)に需給が均衡し、その後人口減少に伴い将来的には医師需要が減少局面になるため、今後の医師の増加のペースについては見直しが必要である。

さらに、もっか私が学び中の面接指導実施医師養成講習会の講義動画では
『医療需要と医師数が均衡するとされるのは、2035年度末とされる・・・』といった旨の解説がある。

ここまでをまとめると、今後10年くらいの間には、医療需要と医師数が均衡し、その後は医師過剰になると。

ところですでに医師過剰の国ってあるのかなとChat-GPToに聞いてみた。

医療過剰の国はあるのか?

プロント(命令文);医療需要と医師数のバランスにおいて、医師数が過剰である国はありますか。
ChatGPT4o回答抜粋、一部訂正
1. イタリア
イタリアでは、一部の診療科で医師が過剰であるとの指摘があります。イタリアはEU加盟国の中でも医師養成数が多く、特に若手医師が就職先を見つけにくい状況があります。専門医制度のキャパシティが不足しており、研修医の数が需要を上回っているケースも見られます。これにより、一部の若手医師が他国に移住して働くケースが増えています。

2. ギリシャ
ギリシャでは、総医師数が医療需要に対して過剰であるとされることがあります。特に都市部では医師数が多いものの、経済的な問題や医療制度の課題によって失業や低賃金が問題になっています。また、地方の医師不足とは対照的に、都市部では医師が過剰気味で、若い医師が仕事を求めて国外に流出する現象も見られます。

3. スペイン
スペインでも、特定の診療科や地域で医師が過剰であると指摘されています。特に都市部や特定の専門分野では医師の供給が需要を上回る一方で、地方や一般診療の分野では不足している地域があります。このため、地域や分野ごとに医師数の不均衡が生じており、都市部の医師が就職難に直面することがあります。

4. ドイツ
ドイツでは、全体として医師不足の問題が指摘されている一方で、特定の診療科や都市部では供給過多とみなされることもあります。特にドイツでは移民医師の数も多く、これが医師の供給に影響を与えています。医師数は増加傾向にあるものの、地方の医師不足との不均衡が問題視されています。

だそうです。
これが本当なのかウソ(=幻覚/ハルシネーション)かは調べきれなかったので、詳しい方は教えて下さい。m(_ _)m

医療過剰の日本国内の地域はあるのか?

ついでに、国内ではと思って、
プロント(命令文);医療需要と医師数のバランスにおいて、医師数が過剰である日本国内の地域はありますか。
ChatGPT4o回答抜粋、一部訂正
1. 東京・大阪などの大都市圏
東京や大阪などの大都市圏では、医師の数が全国平均よりも多く、医師密度(人口1,000人あたりの医師数)が高いとされています。特に病院やクリニックの集中度が高いエリアでは、診療科によっては供給が需要を上回っていると指摘されることがあります。例えば、都市部では一般内科や耳鼻科、皮膚科などの診療所が密集している場合があり、一部の分野で競争が激しい状況です。

2. 大学病院や大規模病院の周辺地域
大学病院や大規模病院の周辺地域では、専門医の数が多い傾向にあります。これにより、特定の診療科での医師数が過剰になることがあります。特に専門医を志す若手医師が都市部に集中し、競争が激しくなることがあります。

3. 特定の診療科
都市部では、特定の診療科において医師数が過剰となるケースがあります。例えば、皮膚科や整形外科、内科、耳鼻科などは、患者数に対して医師が多く、供給が需要を上回ることがあります。これにより、患者の奪い合いが発生することもあります。

一方で、地方では医師不足が深刻
このように都市部では一部の診療科で「医師過剰」とみなされる一方で、地方や特定の診療科(産婦人科、小児科、救急医療など)では依然として深刻な医師不足が続いています。特に過疎地域では医療アクセスが制限されており、都市部との大きな格差が存在します。

地域間の偏在
日本の医師数における大きな課題は、医師数の地域間の偏在です。都市部に医師が集中し、地方や過疎地では医師不足が続いているため、医師の「過剰」と「不足」が共存する状況です。これは、医師が働く場所を選ぶ際に、医療設備の整った都市部やキャリアの展望が開ける大都市を選びやすい傾向が影響しています。

とのことでした。
医師の「過剰」と「不足」が共存する状況、、、これが今後の大きな課題になりそうですね。

結論?!医師過剰と予想されるのは?
少し先の予測して2040年には過剰になってそう。
今の医学部1年生が医師10年目くらいになっているタイミング。
医師と患者/国民の価値観はどう変わっているのか。医師は今以上に選ばれる時代になるのか、弱肉強食?
生き残るには、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ!的な言葉もあります。

私は、老害にならぬように変化に対応できるように日々研鑽せねばとあらためて思った。みなさん一緒に学びましょう!というか置いていかれないようにもがきます。。

画像の一部はChat-GPT関連を使用しています。

最後まで読んでいただきありがとうございます。おまけです。

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おまけ:医はき師 てらぽんに関して

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以上です!あっばい(長崎県の方言らしい)!!!!!