「ボルサリーノ」(1970) (original) (raw)

「ボルサリーノ」(1970)

2023年 02月 01日

ジャン=ポール・ベルモンドとアラン・ドロン共演の仏伊合作映画。

ボルサリーノとは帽子のことで、映画の中で多くの男性がこの帽子をかぶっているのですが、とても印象に残る使い方がされています。

映画の内容は、簡単に言えば、こぶしで語り合った男と男の絆のお話。

チンピラから町の顔にまでのし上がっていく二人を描いています。

ストーリーは特に凝ったものではなく、豪華二大スターをひたすら楽しむ、そういった映画ではないかと思います。

二人の出会いのシーンを丁寧に丁寧に描いていたのもおそらくそのためで、確かにこの二人がどういう成り行きで絆を結ぶのか、そこは観客も大いに気になるところ。

そしてそれはとても良い感じで作られていたのではないかと思います。

ベルモンドがしなやかなんですよねえ。ふにゃっとした生き様が魅力的。

常に何か不足を抱えてるようなヒリヒリした感じがこの人は良いですね。

描かれているのはギャングの抗争なので、あまりの犯罪っぷりに「なんなんだ」って思うところも多いのだけど、1930年代なのでまだ麻薬は大々的に出てこなくて、映画の流れがゆったりなのもあるけど、ちょっと牧歌的というか、言い方変ですが古き良き時代、ひと昔もふた昔も前の良い雰囲気です。

街並みも古い南仏っぽい佇まいで、マルセイユという舞台自体が良いです。

75年の「フレンチコネクション2」もマルセイユが舞台だったけど、あれは麻薬王を取り巻くお話で、街も人もオシャレでもなんでもなかった。

音楽が軽快で、基本的には楽しいお話なのだと思います。

続編にあたる「ボルサリーノ2」が1974年に公開されてるけど、こっちは打って変わって陰惨な内容だそうです。

全然見たいと思わないけど、アラン・ドロンは陰惨が似合うので彼には悪くない映画かもしれません。

まあ、「ボルサリーノ」はやっぱり二大スター共演を楽しむのが第一ですね。

二人揃うとなんとも濃いですが、タイプが違うので見ていて楽しめます。

本や映画、もろもろについて思った事。ネタバレ有。

by teri-kan

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