気まぐれ感想文 (original) (raw)

土地そのものの事情もある

2023年 08月 18日

多様性を尊ぶ昨今の風潮だけど、人間の多様性を大事にするなら土地の多様性だって大事にするべきなんじゃないかなあ、と思うことの多いここ数年。

北国では寒さに強い家を建て南国では暑さをしのげる家を建てるように、たとえば北国で南国仕様の風通しの良い家屋を建てることなど普通しないように、物事を決める時は人間の事情もそうだけど、土地の事情だって考慮に入れるべきじゃないのかな。

衛生的環境的観点から住民に反対されているという大分県の話が今もまだ解決していないというのを知って、これってずっと決着つかないんじゃないかという気持ちになったのですよ。

衛生面で不安が、と言われたら、そりゃそうだろうと思いますから。

昔は日本だって土葬だったじゃないか、と言われるけど、それって「昔の日本は汲み取り式便所だったじゃないか、だから汲み取り式でOK」みたいな話ですからね。

火葬は近年になってから急速に普及した、というのは、燃料の問題がなくなったというだけだと思いますし。

昔の火葬は貴人に限られてて、それほど薪は貴重だったということだし。

個人的に思うのは、今の日本の地盤って信用ならないっていうのがあって、西日本豪雨で土砂に流された墓地を実際に見てしまっては、「これが土葬されたお墓だったら恐ろしいことになってたな」なんですよね。

十か二十か何基ものお墓がまとめて崩れてしまったんだけど、墓地ってこの辺では山とか丘とかの斜面にありますから、近年の地震や豪雨災害の多さを考えると、この先も安泰とは決して言えないな、って感じなのです。

お墓が崩れてしまっても、火葬されたお骨なら全然恐くないというか、骨壺の捜索だって普通に出来るけど、土葬の遺体の場合は……正直ちょっと恐ろしい。

まあ、死生観の違いもあるので難しいのだと思いますが、でも土地の事情は考えてもいいんじゃないですかねえ。

昔は土葬というのも人口が今ほど多くない時代の話ですし。

仏式でお葬式をあげる人が日本では多いと思うけど、お釈迦様が火葬なら仏教徒は基本火葬が好ましいのかなと思うし、神道なら土葬だけど、上皇上皇后両陛下は簡素化が可能な火葬を希望されてるし、時代に合わせるというのは必要なことではないかと思います。

火葬はお骨もコンパクトになるし、狭い日本には合ってると言える。

西日本豪雨でお墓が土砂に埋まったり水に浸かったり壊れたり、家は無事でも墓がやられたといった人は多かったんだけど、とあるお宅では土砂で汚れたお骨を家に持ち帰って、一つ一つ水で洗い流して庭で天日干ししたそうです。

ギョッとする光景だけど、でもご先祖や身内のお骨ですからね、なんてことない。

そうして清潔になったお骨を綺麗にしたお墓にまた納める。

やっぱりその土地その土地の事情が優先されるんじゃないかなと思います。

安芸門徒で有名な浄土真宗だらけのうちの地域とよそではまた違うでしょう。

日本人でもキリスト教徒は以前もこれからも土葬を希望されると思うし。

ただ、そういった方は少数派で、イスラム教徒が警戒されてるのは、結局移民として今後増えていくことが確実であろうことが大きいのだと思います。

彼らは自分達の教義を曲げることは絶対にしませんから、そういった姿勢を警戒されてる面は大きいかなと。

揉めてるところはなんとか折り合うことが出来ればいいなと思いますが、宗教で折り合うって難しい。

難しいからこそ、どうか後の対立の火種になるような決着の仕方だけにはならないでくれと切に思います。

本や映画、もろもろについて思った事。ネタバレ有。

by teri-kan

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