ミステリアスな水鏡のあるホテル (original) (raw)

昨日は名古屋旅2日目から犬山移動。

老舗喫茶で名古屋名物モーニングを楽しみ、昼はうなぎ丸ごと1本のひつまぶし。

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しっかりとした甘めのタレが好みだったのと、うなぎの焼き加減が熟練の技という感じ。外はサクッとして香ばしく、中はふわっとして程よく厚みのある淡白な身が上品。焼きすぎず、かといって浅くもない、これ以上ない火入れ。

夜はフレンチ。ほぼレアかと思うくらい新鮮で臭みのない魚のオーブン焼きが印象的。厚く柔らかな牛ステーキも絶品だった。

この旅で楽しんだ店リストは後日公開できるといいな。

そして犬山。非日常体験をコンセプトにしたハイクラスホテル。宿泊棟の前に大きな水鏡を配した庭園があり、夜の景色がなんとも幻想的だった。

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庭園側からホテルを見た図。ライトアップされた犬山城を見上げながら夜の散策をすると、普段は何とも思わない虫の音が妙にしんみり響いた。山奥にひっそりとあるような立地で、星も瞬いていた。

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水鏡には、ホテルのなかにいる人たちの姿もくっきりと映って、映像が再生されているみたいに動いている。

この美しくもちょっと怖いような、ミステリアスな雰囲気。ロケーションも建造物も全く違うのだけど、近藤史恵の『ホテル・ピーベリー』文庫版のカバー絵を思い出させた。

ホテル・ピーベリー<新装版> (双葉文庫)

人生で1度切りしか泊まることのできないホテル。秘密を抱えた宿泊者たち。悪意。

そういえば、夫とふたりで夜の散歩をしていて、街灯のない河辺近くに黒いシルエットを見かけた。

ひょろっとしていて、性別は分からないが老人だと直感した。私たちが街頭のある道に立ち止まって犬山城と月の写真を撮っていたから、気を遣ってこちら側の歩道に来るのを少し待っていてくれているのかなと思った。にしても、あんな暗いところで危なくないのかな、何しているのだろう……

夫も気配には気づいていたようでホテルの煌々とした駐車場内に入ったところで話してみたら、お互いに見ているものが違ったのでちょっと肝が冷えた

夫いわく、若めのカップルがいたという。

駐車場は竹林のようになっていて、風が吹くと唸り声のようななんとも言えない音がする。

亡霊が叫んでいるような低い音がまた、夏の夜にふさわしい余韻を残した。