おきく's第3波フェミニズム (original) (raw)

新井素子

ブルックナーの後は新井素子を読んでいました。久々の新作が出たというので、アマゾンのブックレビューで見たら賛否両論ではあったけどやっぱり読みたかったから購入。『もいちどあなたにあいたいな』。
新井素子といえば中学生くらいの時にはまりました。とにかく面白かったな~。氷室冴子といっしょに読んでた。
あの文体には影響受けました。またあの構成、SFなんだけど登場人物の心理がすごくよく分って、せつなくなる世界。
高校生になったら小説を読む精神的余裕がなくなって、漫画に行ったんです。大学に入ったらもっと難しいものを読みたい、読まなきゃという気持ちもあったし、そもそも新井素子の本も出なくなって、縁がなくなっていった。
で、最新作・・・正直恐る恐る読みました。面白くなかったら悲しいなと思いながら。でも面白かった。昔と変わっていなかった。よかった~。
そして、前は気づかなかったけど、このひとフェミですね。読んだ人には分ると思いますが、ジェンダー社会への怒りが満ちあふれてました、部分的に。行政や下手な研究者のワークライフバランス論よりずっと説得力あります。
確かに物語は破綻しているというか、すごいなこれ、というところはあるんだけど、それを超えて何かの説得力があります。説得力というのがこの作家の力かもしれない。なんだか常識を超えていて、オリジナルで、不思議なジャンル分け不能な世界なんだけど、妙に説得されてしまう。口語であっさり書いているように見えるけど、実はこの文章、かなり念入りに書き込まれてるんですよね。

というわけで今は『チグリスとユーフラテス』を読んでます。これ、出たの知らなかったんです。まだ途中ですが、いやーこれはすごいです。フェミニストSFって呼んじゃダメなんかな??小谷真理さんとか何か論じてるんだろうか。
最近の嬉しい発見です。

by anti-phallus | 2010-03-27 00:15 | 小説

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