「日本史の法則」を読む (original) (raw)

昔から暇つぶしに本屋へいくと、ついつい買ってしまう悪い癖があります。 以前に読まないまま、同じ本を二回買ってしまったこともあり、もうボケに入っているのかもしれません。 定年になったいま、時間は十分にある、と思われますので、よく考えて買い、ゆっくりと読むために、ときおり、読書メモとして残したいと思います。

本棚の整理をしてみると、棚から溢れた書店のカバーの掛かったままの本を見ているうち、買ったことすらも忘れている本の一つがこれです。 この著者の本はよく見かけるのであやうくまた買ってしまうところだったかもしれません。

「日本史の法則」 題名からして、歴史とは何ぞやと大上段に構えた感じなのですが、そんな堅苦しくもなく、歴史の流れの中で、その歴史をかだどってきた日本人とは何ぞや、といったことをうまくまとめられていて読みやすかったです。

一言でいうと、「日本の歴史はぬるい」、そのベースになっているのが、4章で述べられている宗教の問題かもしれません。

過酷な自然の中からうまれた一神教は、白黒はっきりさせないと気が済まない、だから徹底的にやるところまでやる、一方、 豊かな自然に育まれて生まれた自然信仰、仏教も中国を経由して祖先崇拝の要素を組み込んで定着するなど、あらゆるものを許容してきた多神教の日本では、歴史の流れも違ってくるのは判るような気がします。

いままで単一民族の中でぬるま湯に浸かってきた日本も、合理性重視の欧米文化の洗礼を受けて、白黒はっきりさせないと生きていくのが、徐々に辛くなる時代になっていくことでしょう。人口減で移民を受け入れないと立ち行かなくなる時代もやってくると思いますが、日本人も変わらざるを得なくなってくる、いや変わってきているのかもしれません。

ウクライナイスラエルで行われている紛争、仲裁解決できるのは、インドや日本のような多神教の国なのでしょうか。