平成30年北海道胆振東部地震による北海道電力管内ブラックアウトからわかる問題点と改善案(2018.9.7作成) (original) (raw)

らすべっと / Рассве́т🇺🇦 @rassvet

泊が動いてても原発の即時調整余力はそんな大きくないから、状況が違うとしたらそもそも苫東厚真の分担が少なくできた、ということだろう。 教訓としては発電容量を余らせての広域分散で1サイトの依存を常に低く抑えるという、じつにコストがかかる施策しかない。

らすべっと / Рассве́т🇺🇦 @rassvet

まず、前提条件として地震発生時の消費電力を確認。前日9/5午前3時の消費電力は292万kWh。日中ピークを380万kWhと想定。 さらに、北海道電力の過去のパターンでは定期検査を5月〜8月上旬まで実施するので、泊は3基運転中と想定する。従って運転出力は200万kWでいいだろう。

らすべっと / Рассве́т🇺🇦 @rassvet

泊が動いていれば確かに苫東厚真の負荷は小さかったろう。ただし、同PSは道内でも新しく、高効率で安価な石炭火力のため、原発の次に優先的に使われていたはず。4号機と2号機の130万kWが被災時運転していたと想定する。これで330万kW。

らすべっと / Рассве́т🇺🇦 @rassvet

実需に対して多いけど、ここで揚水発電が関与してくる。10時間揚水14時間発電の運転パターンで、22時から高見、新冠、京極に揚水して貯水率50%。60万kWの揚水に効率80%で75万kWを使用していると想定。あとは連携線の都合もあるので、ほくでんは知内を動かしておくのではないかと想定される。

らすべっと / Рассве́т🇺🇦 @rassvet

ここで地震発生。苫東厚真130万kWが脱落。直ちに揚水を中止して75万kWを需要に、さらに揚水発電で55万kWを捻り出す。これで脱落分130万kWはカバー。ただし貯水率は50%なので、このままだと朝8時には揚水が脱落する。これは本来日中使う計画だから190万ビハインドしてしまう。

らすべっと / Рассве́т🇺🇦 @rassvet

とすると、原発を動かしていてもそれ自体は予備力として機能しない。こういう急変に対応できるのは負荷連動運転ができる火力が主となる。 つまり、今回のような大型発電所の脱落に備えるには、原発で電力を充足させながら、火力発電所に「余力を持たせたまま止めない」ことが重要。

らすべっと / Рассве́т🇺🇦 @rassvet

だから結論としては、泊原発が動いてたとして、今回のような深夜の地震でかつ全力揚水中なら、揚水操作のオンオフが調整力になって即時の停電は免れただろうけど昼まで維持できるかどうかは怪しく、同じ落ち方を日中にやられたら同じ結果だっただろう、となります。

らすべっと / Рассве́т🇺🇦 @rassvet

大規模の脱落に対応するには、瞬間動予備力(spinning reserve)の大量確保が必要で、それは発送電側コスト効率の悪化に繋がる。これは柏崎や東新潟のような、大規模サイトへの設備集約化を否定する1つの大きな理由になると思うわけです。

らすべっと / Рассве́т🇺🇦 @rassvet

どうも変な筋から来てるのでもうちとわかりやすく書いとくと、原発を動かしても直接瞬動予備力にはならないという話と、だから原発がいらないという話は全然別です。 泊原発を動かした上で全火力がアイドルしてれば対応力は上がりますが、そういう態勢を維持する基準にはなってない、のが問題。

らすべっと / Рассве́т🇺🇦 @rassvet

個人的な予測として、今後は再エネの安定化蓄電を利用するのが期待できそう。周波数変動への対応機能として発電容量の20%くらい積み増しできるなら、系統のお荷物から歓迎される存在になれるはず。 ただその蓄電量は限られるので、別途充分なhot reserveはいるけど。