しゃいん氏が語るルワンダ中央銀行総裁日記著者、服部正也氏のアレな面 (original) (raw)
こないだルワンダ中央銀行総裁日記を強く推したから、バランス取る意味で服部氏のアレな面にもコメントしておくか。
ル銀総裁日記には、赴任時酷かったル銀の建直し策として、外国人職員を呼んだこと、終業後に厳しい研修を行わせたこと、「人間不信のようでいやだったが」無断外出防止に役員室を通らないと外出できないよう改装したことが書かれている。しかし最重要はそこではない。
人事改革については「免職・懲罰権は私に集約した」程度しか具体的に書かず詳細を伏せているが、実はここが一番の肝である。なんと氏は、赴任後1期で行員のうち研修について来れなかった2/3を馘にしているのである。その中には大蔵大臣の親戚もいた。人間不信どころではない。恐怖政治である。
この事実を踏まえると、「外国人が研修で怒鳴るのを注意してほしい」との苦情に対し言った「嫌なら辞めてもらう」が違って聞こえてくる。比喩ではなく本当に辞めさせられるのである。ちなみに氏は旧軍時代は殴る士官であった。文章の端々にも、怒鳴られる位がなんだという意識が感じられる。
縁故切ったりしてよく氏自身が追い出されなかったなと感心するが、それにもからくりがある。経緯は不明だが、氏はなぜか赴任後早い段階でルワンダ陸軍と秘密警察に支持されている。赴任1年後には秘密警察をあごで使えるようになっている。大統領の支持があったにしても尋常ではない。お前何をした。
最後ちょっと話が横道にそれたが、ようは何が言いたいかというと、「環境を与えれば人は動く」で氏の想定する「環境」とは、非常にガバナンスの効いたもの(政治的に正しい表現)ということである。参考になるかもしれないが、参考にしちゃいけない感のあるアレ、という御紹介でした。
@shine_sann読んだのが2,3年前だったのであやふやですが、着任時は通貨の勘定すらガバだった記述があった覚えが。 外貨製のガソリン(高度に抽象)を用意しやすい環境だったのかなと思いますね。
@Gecko_8 「ル銀の権限が金については絶対だったからやりやすかった」とか言ってますし。何がやりやすかったんですかね。
本1冊読んで好きになった人物を掘り下げていくとどんどん別の顔が出てきておいコラってなる現象、政治学方面から聞いてはいましたがなるほどこういうことかと感心しましたね。
@shine_sann ビール1ケースでなんでも依頼できる経済状況みたいな記述もあった気がしますし、"穏便な挨拶"もそうでない"挨拶"もやられてたのかもしれませんね
「ルワンダ中央銀行総裁日記」のこの服部正也氏、鉄拳制裁を振るっていた相手というのがまさかの阿川弘之であり色々草生える。(阿川弘之が後年「海軍時代に辛酸を」というのが、この服部正也氏である)
元海軍関係者のその後というやつは沼だらけでほんとすこ
阿川弘之氏から見た服部正也氏については「海軍こぼれ話」に出てますので「ルワンダ中央銀行総裁日記」と一緒に読みましょうさあさあ!
(注記・戦後は日銀や世銀に籍を置くことになった服部正也氏は、戦時中は海軍通信学校勤務でした)
「しゃいん氏が語るルワンダ中央銀行総裁日記著者、服部正也氏のアレな面」をトゥギャりました。 togetter.com/li/885702
ルワンダ銀行総裁日記に、民間の商人の倉庫を秘密警察に監視させてたエピソードが一文だけサラっと書かれてたけど、やっぱあれおかしいよね……
@shine_sann 仕事でルワンダやアフ開銀とも縁があることもあり、服部氏の人となりについて大変興味深く読ませて頂きました。自分でも調べてみたいと思いますので、差し支えなければ参考文献等をお教え頂けませんでしょうか。
@227thday 今手元に現物がないのでちゃんと特定できなくて恐縮ですが、ciniiで服部正也を検索して、同姓同名の別人を除いたもの他、主に総裁日記の下地になった古い中央公論の記事群です。あとル中銀の紙ベースの統計も参照してます(ルワンダの公文書館から取寄できます)。
CiNii Articles 著者 - 服部 正也
http://ci.nii.ac.jp/nrid/9000007131664
おおうコメ欄若干荒れてる?すみません言葉足らずで。総裁日記がお勧めの本であることには変わりないです。氏の、ルワンダ農民・商人の話をよく聞く姿勢、風聞や憶測..「しゃいん氏が語るルワンダ中央銀行総裁日記著者、服部正也氏のアレな面」 togetter.com/li/885702#c221…
しかし、「ルワンダ大衆の合理性を信じた」から早合点して、慈愛に満ちた謙虚な人を想像すると読み誤りますよ、逆の人物ですよ、だからこそ面白いし得られる教訓があ..「しゃいん氏が語るルワンダ中央銀行総裁日記著者、服部正也氏のアレな面」 togetter.com/li/885702#c221…
あと、本当に総裁日記はちょっと妄想を膨らませば小説が盛り上がりそうなシーンが山盛りなんですよ。着任早々軍と秘密警察のハートを鷲掴みにした無敵キャラエピソードもそうですが。
例えば氏が大統領から「ルワンダ大衆のための通貨改革・経済政策」を託される感動シーンがあります。しかしこのシーンの前には「怪しい自称護衛が夕刻に氏を迎えにあがる」「この手で有力者の機嫌を損ねたコンゴの顧問が投獄されたのを思い出し嫌な予感がする」というシーンが入ります。
※ここから妄想※これと、秘密警察を尻に敷いた経緯を結びつけます。すると「自称護衛は大統領の意を受けた秘密警察だった!しかし氏は銀行員とは思えないワザで秘密警察相手に無双し、長官をねじ伏せて大統領府まで送らせた!(続く)