2級FPとAFPのどちらが良いか、実体験から説明する (original) (raw)
■記事の概要
ファイナンシャル・プランナー(以下FP)に興味がある人は、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(以下2級FP)とAFPのどちらにするか悩むと思う。
CFPとして20年以上の経験を有し、日本FP協会の活動にも積極的に参加している私が、実体験から説明する。
結論
以下に当てはまる人はAFPが適している。
1.FPとして知識を高めて副業や独立にも繋げたい。
2.都市部に居住している。
3.年会費1万2千円の負担ができる。
■前提条件
2級FPとAFPの違い
2級FP試験に合格すると2級FPとなり、さらに研修を受けて会費を払うとAFPになる。
本記事では実態を伝えることに注力したく、形式的な内容はこのリンク先のほか、自身で確認して欲しい。
■理由
AFPには以下の不利益と利点がある。2級FPは資格取得後に不利益と利点のいずれもない。
1.AFPの不利益
1)研修の受講(取得時)
2級FPを取得後、AFP認定研修(1万円程度)を受講する必要がある。
2)入会金と初回年会費の負担(取得時)
日本FP協会の入会金(1万円)と初回年会費(1万2千円)を負担する。
AFP資格の維持にかかる費用を教えてください。 No.0600001 | 日本FP協会
3)年会費の負担(取得後)
日本FP協会に年会費1万2千円を払う。
4)研修の受講と費用負担(取得後)
ライセンス有効期限の2年間内に15単位(15時間相当)の研修を受ける必要がある。
タダではないし、まぁまぁ面倒くさい。
2.AFPの利点
1)知識の更新と向上
前述の通り、2年間で15時間相当の研修を受ける必要がある。研修必須という枷を自分に掛けることにより知識の更新や向上が担保される。
2)実務に役立つ有益な研修
日本FP協会が主催する研修に参加できる。「執筆研修」や「顧客との相談ロープレ研修」、「独立した者の経験談」などあり、FPとして独立しようとする者への有益な研修が多い。私も10回以上参加している。
なお開催は東京と大阪が主であり、次いで宮城と福岡である。地方在住者は受けづらい。
3)勉強会による人脈づくり
AFP/CFPの有志による勉強会(スタディ・グループ:SG)に参加できる。FPとして独立している先輩や士業のFPとも知己になれるなど人脈づくりができる。
なおごく稀に、独自で一般消費者向けの個別相談会を開催しているSGがあり、そこに参加すれば個別相談の実務経験を得ることができる。
なお都市部には多数あるが、地方は少なく近隣にない可能性がある。
4)フォーラムによる実務経験の入手
FP協会は各地で「FPフォーラム」を実施しており、一般消費者に対してセミナーや個別相談を行っている。このフォーラムは、手を挙げた市井のAFP/CFPがボランティアで担うため、フォーラムに参加することで講師や個別相談の経験を得ることができる。以下リンク先内の「開催報告」を見て欲しい。参加したFPの姿を見ることができる。
都市部では開催が多いが地方は開催が少ない。
5)月刊誌の入手
毎月日本FP協会から「FPジャーナル」という雑誌が送られてくる。
年会費1万2千円で月1冊のため1冊1,000円相当である。東洋経済などの経済雑誌を買った方が役に立つ。値段に見合わない。
6)名刺での訴求
2級FPより名刺での訴求効果が高い。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(2級FP)は「2流のFP(1級ではない)」との印象を与えるためである。
なおAFPの上級資格にCFPがあるが、CFPは「C級のFPである」、AFPは「A級のFPである」と誤認する一般消費者も多い。名刺の訴求は、CFPよりAFPの方が上の場合もある。
■まとめ
あらためてだが、以下に当てはまる人はAFPが適している。
1.FPとして知識を高めて副業や独立にも繋げたい。
2.年会費1万2千円の負担ができる。
3.都市部に居住している。
上記の通り、AFPになり日本FP協会に所属すると、知識を高めるための手段を多く得ることができる。将来的に副業や独立を目指す者には有益である。
しかし意識して高めない場合には、単に年会費を払って終わりになる。
副業や独立まで考えなくても、せっかくだから何かやってみたいな・・という者は、とりあえずAFPとなって様子をみることをお勧めする。
私はCFP取得後10年間は何もしていなかった。10年経って初めて勉強会に参加し、そこで知己を得たFP仲間からの助言によりFPフォーラムに参加する機会を得た。
その後もFP協会の活動に参加し実務経験を得ることで、今では副業でFP個別相談を行うに至っている。
FP協会を使い倒して副業や独立への道を拓いて欲しい。
以上
記事初回作成:2024/09/02
記事更新 :未