【タイMカ】Thailand Music Countdown EP.1 感想!【T-POP の新・音楽番組】 (original) (raw)

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エンタメがその盛況ぶりを後押ししたというタイフェスティバル東京2024。その盛り上がりを象徴するかのように、

T-POP の新しい音楽番組が始まりました。その名も『Thailnad Music Countdown』!

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世界No.1 人気のK-POPチャートショーのプラットフォームを踏襲したということで期待大!早速第1回目が放送されたので一緒に見ていきましょう!

【目次】

1. NUNEW x MABELZ - จังหวะตกหลุมรัก

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1曲目は『**จังหวะตกหลุมรัก**』(ぢゃんわとっkるmらっk / 恋に落ちる瞬間)。

記念すべき第1回目の司会を努めた2名である 俳優・歌手の NuNew (ヌニュー)、『ติดฝน (rain)』で一気にメジャーシーンを駆け上った PiXXiE のメンバー・Mabelz (マーベル) が歌います。

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う〜ん、美しい……!元々透き通るような歌声に定評があるお二人なのでこの楽曲にぴったり。Mabelz の歌いだしで思わず僕、「原曲じゃん」と声が出ました。感情が抑えきれないような笑顔も、「恋に落ちる瞬間」を250%に表現しているようで見てるこちらが恋に落ちましたわよ。オホホ。

元曲を歌っているのはタイの双子女性デュオ・DIDIxDADA (ディーディーダーダー)。2023年3月の楽曲で、スローテンポで口ずさみやすいこともあって Spotify Thailand TOP50 に約半年もの間ランクイン。勝手に僕が選んだ「今年のT-POP/タイポップ50選」にも選んでおります!

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2. Gen1es - LUCKY BELL

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続いては今回のアイドル枠の目玉といったところでしょうか!Gen1es (ジーニーズ) で『**LUCKY BELL**』。

Gen1es は、中国発のサバイバル番組「創造営」シリーズ、初の海外開催となった『CHUANG ASIA 2024 (創造営2024)』から誕生した9人組ガールズグループ。インターナショナルに活動できるグループを目指すという趣旨のもと、タイ、中国だけでなく日本やアメリカ、韓国など10もの国から70名の参加者がタイの首都・バンコクに集い、実力を競いました。サバ番の歴史を振り返ってもかなり国際色豊かな部類に入るのではないか、と思います。

日本人のルアンちゃん池間琉杏さんも最終順位2位でデビューメンバー入りし、豪華かつ未来が楽しみな幕引きとなった当番組。僕も放送を追っていたのですが、このブログではあまり紹介しておりませんでした。何故かというと、Gen1es は T-POP でない可能性があったからです。

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プレデビュー曲である『**LUCKY BELL**』は全編英語詞、最終的にどの国を主戦場に活動していくのかが明らかでなかったゆえ取り上げるのをためらっていたのですが、今回 T-POP を扱う歌番組に出演したことでその本質が垣間見えた気がします。もはや国でジャンル分けをするのが見当違い、なのかもしれません。様々なジャンルや要素を兼ね備えた、新しいアイドルの形と言えるでしょう。

分類を試みるために背景を振り返ってみても、

ということで、結局1つのジャンルで表すのは無理やりというか、難しいことが分かります。このどこにも属さないというはっきりしない感覚、新鮮で好きだ。個人的には、国境を越えた連帯感をみせると言われているZ世代がどのような反応をみせるかに注目したいと思います。僕も一応Z世代なんですけど。

3. fellow fellow - ดาวหางฮัลเลย์ x หน้าที่ของน้ำตา

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タイの人気バンド・fellow fellow で『ดาวหางฮัลเลย์ (Halley's Comet)』(だーぉはーんはんれー / ハレー彗星) と『หน้าที่ของน้ำตา』(なーてぃーこーんなmたー / 涙の役目) のメドレー。

みんな映像観た?fellow fellow、口から音源すぎる……!他の歌手の皆さんも当然素晴らしいのですが、なかでも群を抜いて安定感がすごいですね。もはやライブなのかを疑うレベルで上手い。ライブ行ってみたいなぁ。

fellow fellow といえば、2023年の楽曲『**ดาวหางฮัลเลย์ (Halley's Comet)**』。MVの再生は現時点で7000万回超え、昨年を代表するバンドソングの1曲になりました。

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T-POP/タイポップ最大のアワード・TOTY MUSIC AWARDS では เรนิษรา (レニサラー)、AYLA'sPURPEECHFREEHAND といった強豪を抑え BEST BAND GROUP に輝きました。

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こちらでもご紹介しています。

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4. D Gerrard - รถไฟบนฟ้า (Galaxy Express)

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続いては今年を代表する楽曲のうちの1つになるであろうナンバー。D Gerrard で『**รถไฟบนฟ้า (Galaxy Express)**』(ろっふぁぃぼんふぁー / 銀河鉄道)。

D Gerrard は2017年『Galaxy』でデビューしたタイのシンガーソングライター、ラッパー。現時点での再生回数は脅威の2.5億回。温かみのある声、歯切れのよい節回し、そして郷愁への愛を芸術として昇華させる美しい楽曲の数々で人気の、いまのタイを代表するミュージシャンの一人と言って差し支えないでしょう。

そんな D Gerrard が今年1月に発表した楽曲がこの『**รถไฟบนฟ้า (Galaxy Express)**』(ろっふぁぃぼんふぁー / 銀河鉄道)。歌詞に合わせて画角を変えながらリップシンクする動画が TikTok でバイラルに。それをきっかけとして楽曲としての美しさが認知され、Spotify Thailand TOP50 チャートでは発売から約半年が経ついまでも20位代をキープし続けています。

作品が生まれたきっかけについては過去記事をご参照ください。

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D Gerrard は自分の型があるのに決して真似をするのではなく、新しい作品を生み出せる力をもったアーティスト。引き出しの多さにいつも驚かされます。

5. MILLI feat. ฮาย อาภาพร - HEY HEY

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最後はこちら。MILLI feat. ฮาย อาภาพร で『**HEY HEY**』。

MILLI はタイの女性ソロアーティストとして初めてコーチェラ・フェスティバルに出演した、タイを代表する女性ラッパー。ステージ上でタイスイーツの「カオニャオ・マムアン」を食べたパフォーマンスでも話題になりました。

(詳しくはこちらでも)

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そんな MILLI は D Gerrard と同じくタイの郷愁を音楽作品へ昇華させることができる数少ないアーティストの一人。歌詞にはタイの県名が散りばめられており、メロディーやパフォーマンスだけでない面白さが溢れている一曲。水掛け祭りで有名なタイの正月・ソンクラーンの時期に合わせて発売され、その時期には街中でもよく耳にしました。

著名なルークトゥン (タイ演歌) の歌手で、現在は (コメディ) 女優としても活躍する ฮาย อาภาพร (ハーイ・アーパーポン) とのコラボは、面白く、踊り心に溢れた国民性のタイ人そのもの。パフォーマンスを見るとより一層タイらしさが伝わってきました。

T-POP の器の広さ feat. Gen1es

を感じました。Gen1es が出演したことがきっかけで。(以下感想)

Gen1es の戦略、めちゃくちゃ賢いかもしれない……!T-POP に興味がなかった人たちを T-POP の土俵に連れてくることができるし、逆に Gen1es としては T-POP ファンを連れてくることができる、いわば win-win の関係を築くことができるんですよね。同様のことが中国でもできるだろうし、もしかしたら YOASOBI や ME:I のように、Gen1es も M COUNTDOWN (韓国) に出演できるかもしれない。横断できればできるほどお得な感じ。日本のポイントカードみたいだな。

今まではジャンル分けがし辛いとマーケティングしづらい (音楽番組にも出づらい可能性) から嫌厭されていたのではないかと思っていますが、こうやっていざ番組に出演できるとなると、意外といい選択なのでは?と思えます。これが成功したら時流を捉えたグループとして間違いなく歴史に残ることでしょう、Gen1es。

あと個人的には歌詞とメンバー名が付いたらより楽しいかなと思いました。気になったアーティストの名前をすぐに調べられたほうが沼、ハマりやすいので。ぜひぜひそこのところをやって頂けると、助かります。

ではでは、またお会いしましょう!トムヤム亜久津でした。