網走・阿寒湖知床9月の旅行記その23:知床遊覧船事故は直接話題に出ず、小型観光船で出航 (original) (raw)
知床の海は7、8月はまったくのベタ凪なことがほとんどだそうだが、その季節でも、またそれ以外ではなおさら、知床連山の稜線が低い地域のふもとにあたるルシャ湾で、強烈な出し風が吹き抜けることがある。
周辺がベタ凪でもここだけは強風と大シケのことがしばしばあるそうだ。
ウトロ漁港の入り口に、観光船業者が3軒並んでいた、はずだった。
2024年9月現在、この3軒のうち、観光船を運航しているのは、おれたちが今回お世話になった「ゴジラ岩観光」(一番左)のみで、中央の「ドルフィン」は2024年3月で廃業したとのこと。大型船も運行している「おーろら」か「ゴジラ岩」かの二択しかなくなっている。
一番右の看板のない建物は、2022年4月に沈没した「カズワン」を運航していた「知床遊覧船」の事務所だったそうだ。
9月になると波も高くなり、運航率は4割程度になる。おれたちがウトロに到着した日も、旅行翌日も欠航だった。
道東旅行最終日の5日目、知床岬コースの午前便を予約していた。ルシャ湾より北側は高波強風とのことで、ルシャ湾で引き返すコースに変更して運行、ということになった。
事故に直接言及することもされることもなく、ライブハウス入場のように、予約受け付け順の整理番号で並び、乗り場まで整列して5分ほど歩く。
船は定員80人くらいで、客は40人くらいだった。
小型船だと、断崖絶壁のかなり近くまで寄れます。そのあたりは操船技術が関係してくるのかも。
カムイワッカの滝。海はおだやかです。
ヒグマの聖地、ルシャ湾でヒグマを見ることができました
よくみるとなんだかやせていて、子グマかと思ったが、子グマは単独行動しないので、お母さんクマなのだろう。
環境の変化でサケマスなどの確保が難しくなっている、とのアナウンスもあった。
ルシャ湾までは海も風もおだやかそのものだったが、この先の海の表情が大きく変わるのだろう。カズワンが沈んだカシュニの滝までは行かず、ルシャ湾で引き返してウトロ漁港に戻った。
船内アナウンスでも乗客の間でもカズワンの事故の話題は特に出なかった。みんななんとなく意識していたのだろうか。海外からの観光客のみなさんは事故についてどれくらい知っているのだろうか、とも思った。
事務所で乗客をてきぱきと仕切っていた方は、小型観光船3社でつくる「知床小型観光船協議会」の会長だそうです。
この記事は2023年5月だから、「3社」のうち2社はゴジラ岩とドルフィンで、もう1社は小型船も運航している「おーろら」なのか、カズワンを運航していた「知床遊覧船」のどっちなのだろう。