父の見舞いに行って経鼻胃管や胃ろうについて考えた (original) (raw)

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入院した翌日の午前中に、父が入院した病院から電話がありました。
父のせん妄が強いので精神科に移るとの事、つきましては午後に手続きに来てくださいとの事でした。
もともと午前中に前日受けられなかった精神科の診察を受ける予定で時間休を取る予定でしたが、午後にも時間休を取らねばなりません。
係長に午後の仕事を一部お願いして、課長に許可を取りました。

午前中にまずは精神科に行くと、午後にまとめてお話ししますと受付で看護師さんに言われました。
前日に老人ホームからFAXしてもらっていた父の状況を渡して、先生に目を通しておいてもらう事にしました。

ぽっかり時間が空きました。
病院の食堂でお昼を食べようかと思いましたが、メニューを見てもピンときません。
コンビニに行って適当に買って自宅に帰ってお昼を食べました。

午後になって勇んで病院に行きました。
まずは精神科の先生からのお話と言う事で、精神科の待合室で待ちました。
前日先生が休んでいただけあって、午後も混んでいました。
スマホを見ながら結構待って、それから診察室に呼ばれました。
お渡ししたFAXは既に目を通していたようです。
まずは前回の入院中に行った検査結果を見てください、とディスプレイを回されました。
まずはMRI
頭蓋に比べて随分小さい脳みそです。
横から見た断面図が顔表面から奥へと進んでいきます。
中心部左右に空洞が広がっています。
「ここが海馬と言って記憶に関係する部分ですね。本来はみっちり詰まっているはずですが縮んでいるので、物を覚えにくくなっています。アルツハイマーでよく見られる特徴です。」
あちゃー。
続いて血流の写真です。
白くなっている部分が血流が減っているそうで、その部分を示しながらそれもアルツハイマー特有だとの事でした。
血流のスコアも見せてもらいました。
悪い方から二番目でした。
重めの悪さですね。
今回の入院ではベッドから起き上がろうとしたり、足を下そうとしたりとにかく危ないのでベルトで抑制している事、オムツを外してしまうのでつなぎを着てもらっている事も聞いています。
入院時にそれらを認める書類にサインしていますので、勿論了承しています。
予想通りでした。
それから施設から聞いている現状について話し合って、落ち着くようなお薬と認知症のお薬と、とにかく下痢をするので整腸剤か何かをお願いしました。

それから精神科病棟に移動しました。
そちらで担当看護師と、退院後の生活相談員に会ってそれぞれ話しました。
その日は父に会えずじまい。
すごすご職場へ引き返しました。

やはり父の様子が気になるので、翌日の面会の予約をしておきました。
帰社して係長と課長に翌日も1時間の時間休をお願いしました。

翌日。
ダッシュで職場から病院へ向かいました。
父は閉鎖病棟ではなく開放病棟に居ました。
病室に案内されると、ベルトでベッドに固定されているのに降りたかったのか、足をベッドサイドに下ろしていました。
看護師さんがよいしょと足を持ち上げました。
布団をはだけていましたので、つなぎ服が見えました。
入院服と同じ可愛い模様で違和感ありませんでした。
看護師さんがタオルケットをかけていってくれました。
父に来たよ~と声をかけると、
「ほら、そこに今日の日付を打ってくれ」
と天井を見ながら言います。
トイレのドアにカレンダーが貼られていたので、そっちを見れば日付が分かるよと言ったのですが、相変わらず天井を見たまま、今日の日付を打ってくれと繰り返します。
「下にキーがあるからそこで打ってくれ」
と言われて気が付きました。
パソコンのディスプレイを見ているつもりなんだと。
私には難しいと言うと、
「お前パソコンできるだろう」
とな。やっぱりパソコンだ。
病院の機械は特殊で分からない、後で看護師さんにお願いするよと言うと、仕方ないなと言いました。
そして、今何時だと聞かれました。
2時X分だよと答えると、おやつの時間だな、おやつ食べたいと言います。
今は胸にばい菌が入っているから、ばい菌が無くなってからおやつ食べようねと言うと、残念だと嘆きます。
その後は日付を打ってくれと、おやつの繰り返しで15分があっという間に過ぎました。

職場へすごすご引き返しながら、父はおやつが本当に楽しみなんだなと思いました。

今回循環器科誤嚥性肺炎の診断を受けた時、飲み込みの検査をして結果が良くなければ、鼻から管を通して栄養を取るか、お腹に穴をあけて管を通して栄養を取る方法を考えてくださいと言われました。
でも父はおやつを楽しみにしています。
口からおやつを食べられずに、栄養だけを与えられて生き続けるのは辛いのではないかと思います。
また誤嚥性肺炎を繰り返して、弱って行くとしても、自然に任せた方がいいのではないだろうか。もう92歳なのだしと思いました。

仕事を終えて帰宅して、母に胃ろうや鼻に管を通して栄養を取っても口から食べられないと、食べるのを楽しみにしている父は辛いと思うと伝えました。
母はしばらく考え込んで、そうね、私だったら胃ろうは嫌だと言いました。
もう覚悟は出来ているから、管を通すのはやめようと母も言いました。

兄にはメッセンジャーで、もし飲み込みの検査の結果で医師から鼻に管を通したりお腹に管を通して栄養を取る方法を勧められても、私と母は断りたい事、父はおやつを食べるのを楽しみにしている事を伝えました。
翌朝兄から返事がありました。
管をつけても父は引き抜くだろうから、管はやめておこうとの事でした。

父には100歳まで生きてほしいですが、あくまで楽しく生きてほしいのです。
おやつを食べられない余生は、父が悲しむだけです。
短くてもおやつを食べて笑顔になって余生を送ってほしいです。

仕事の隙間時間についつい検索してしまいました。
誤嚥性肺炎の予後について。

chiho-naika.jp

生存期間中央値が254日と一年に満たないようです。
ならばなおの事、父には甘い物を楽しんで過ごしてほしいです。