FXニュース:日銀安達審議委員の発言 (original) (raw)
FXニュース:日銀安達審議委員の発言
FXニュース:日銀安達審議委員の発言
東西FXニュース – 2024年10月16日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
今日2024年10月16日水曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の148円87銭付近から、円の安値でドルの高値の149円48銭付近の値幅約61銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は149円43〜44銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の149円23〜24銭付近の前東京終値比では約20銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨夜の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、中国を主要取引先に持つ欧州主要株価が中国の景気刺激策の具体案の不透明感などを受けた香港株に続いて下落し、欧州主要株価反落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で世界的な安全資産である米国債買いが入った影響などで、米国債券価格上昇に伴う利回り低下が起き、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差縮小時の円買いドル売りや低リスク通貨の円買いの影響で、昨夜18時55分頃にドルは円相場で一時148円84銭付近にまで売られたが、世界的に流動性が高く欧州通貨に対する安全資産でもあるドルは、世界最大規模の英国市場のロンドン・フィキシングの主要取引通貨でもあるため、祝日連休明けの米国市場に向けてショートカバーのドルの買い戻しが入り始めて反発後に上昇を見せ始めたことでは、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時149円35銭付近の始値であった。
また、英国市場の現地早朝にあたる昨日の午後に発表されていた最新英国雇用統計の9月の英国失業保険申請件数は前回の2.37万件に対し2.79万件に増えた一方で、9月の英国失業率は前回と横ばいの4.7%で、国際労働機関 (ILO / 英語 : International Labor Organisation / 米語 : International Labor Organization) 基準方式の8月の英国失業率では前回と市場予想の4.1%に対し4.0%と改善されたことを受けて、今週10月17日の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会の欧州追加利下げ予想が優勢さを保つ中で、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) と同様に英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) も緩やかな利下げペースになるのではないかという市場予想が浮上しており、円相場で英国ポンドが一時買われた外貨影響なども対ドル円相場の為替相場に波及していた。
また、昨夜20時頃に発表された米国大手銀行のバンク・オブ・アメリカ (Bank of America) と昨夜21時頃に発表された米国金融大手のゴールドマン・サックス (Goldman Sachs) の第3四半期の決算報告は、いずれも売上高と一株あたり利益(EPS / Earnings Per Share)ともに市場予想を上回る好調な結果であったことなどでも、米国経済のソフトランディング (Soft landing) 期待のドル買いが入っていた。
しかし、米国主要企業の決算報告シーズンを受けたドル需要が入った一方で、昨夜21時30分に発表された米国景気関連の最新経済指標の10月の米国ニューヨーク連邦準備銀行 (NY連銀 / Federal Reserve Bank of New York) 製造業景気指数は、前回プラス圏だった11.5と市場予想の3.9を大幅に下振れするマイナス圏の-11.9に低下したことでは、ドルは円相場で昨夜21時30分の発表時の1分間の値動きの中で瞬時に一時149円30銭付近から一時149円10銭付近に急落したほか、NY連銀の管轄地区内の製造業約200社の景気懸念を受けた一部の米国株価下落のリスク回避のリスクオフで安全資産の米国債買いが起き、経済指標の発表前の昨夜21時頃には一時4.085%付近だった米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利も発表後の昨夜21時35分頃には一時4.055%付近に急落し、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りや低リスク通貨の円買いの影響で、昨夜21時41分頃にはドルは円相場で一時148円99銭付近に下落したが、全米ではなく一部地区の製造業の景気指標であったことでは、すぐに149円台に戻し始めた。
また、続いて昨夜23時頃に発表された米国金融大手のシティグループの同四半期の決算報告も、市場予想を上回る売上高と利益率であったことでは、全米規模での米国経済のソフトランディング期待継続によるドルの買い戻しで、昨夜23時12分頃にはドルは円相場で一時149円34銭付近のニューヨーク始値レベルに戻す「往って来い」になっていた。
中東情勢を受けては、米国紙ワシントン・ポスト (Washington Post) が、当局者筋情報として、イスラエルのネタニヤフ首相が先日のイランの弾道ミサイル攻撃への報復では、イランの石油施設や核施設ではなく、軍事目標を攻撃する意向をバイデン政権に伝えたニュース報道が話題になり、原油先物価格や米国主要株価が大幅に下落した一方で、車社会の米国では中東情勢による原油供給リスクのインフレ圧への警戒感はやや緩和されたことを受けてはドル売りも入り、地政学リスク回避のリスクオフでも安全資産の米国債が買われた影響で米国長期金利は昨夜23時40分頃には一時4.040%付近に更なる低下を見せたことから、債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りの影響が入り、昨夜23時41分頃に対ドル円相場は一時148円93銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
コモディティ市場では、北海ブレント原油先物の12月物と米国WTI(West Texas Intermediate / ウエスト・テキサス・インターミディエート) 原油先物の期近物は、前日比で5%以上の下落を見せた時間があった。
しかし、市場安値後のドルは深夜のロンドン・フィキシングに向けて買い戻されてすぐに再び149円台に戻すなどの底堅さを見せており、また深夜24時頃から始まった次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の米国サンフランシスコ連邦準備銀行のメアリー・デイリー総裁の発言は、米国利下げについて「今年中に1回か2回は妥当なことだと思う」と1回の場合には金利据え置きの回の可能性を示唆するタカ派寄りの発言があったことに加えて、「落ち着くところまではまだ遠い。私達が行うべき決断は、中立金利に向けてどれだけの速度で調整するかということだ」としたものの、米国中立金利については、「最近の水準よりも高くなる可能性が高く、3%前後になる可能性がある」としており、米国経済については「明らかに好転している」とし、物価安定と雇用最大化へのリスクバランスは、「今や均衡している」と、現在4.1%の米国失業率はコロナ禍以前の水準に近づいていることを指摘した上で、雇用市場は「もはやインフレ圧の要因ではない」などの発言内容を受けたドルは円相場で反発し、深夜24時42分頃には一時149円31銭付近に買い戻された。
午前2時頃から同じく次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を有する米国連邦準備制度理事会 (FRB) のアドリアナ・クーグラー理事の発言もあったが、前回には「米国インフレについて、予想通りの進展が続けば、追加利下げを行って時間の経過とともにより中立的な政策スタンスに移行することを支持する」としていたが、今回は特にハト派寄りの発言がなかったことでは、前日のウォラー理事や先ほどのデイリー総裁などの最近の高官達のタカ派寄りの発言を受けた市場予想よりも穏やかな米国利下げペースになる可能性が意識されたドル買いが続いたことでは、午前2時20分頃にドルは円相場で一時149円54銭付近と米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、市場高値後のドルには利益確定売りや持ち高調整が入り始めたことに加えて、時差で先行していた欧州主要株価指数が小幅安の終値で引けたことに続き、米国ニューヨーク株式市場でも前営業日までは連日で史上高値を更新後の米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) が利益確定売りや中東情勢の地政学的なリスク回避のリスクオフなどの持ち高調整で売られて反落した大幅安の終値に向かい、同じく前営業日には連日で史上最高値を更新後の米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) も利益確定や持ち高調整もあって反落し、前営業日に3ヶ月ぶりの高値を記録後の米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も半導体株下落などの影響も相まって大幅反落の終値に向けるなど、米国主要株価三指数が揃って反落の終値に向けたことを受けては、欧米主要株価下落時の低リスク通貨の円買いで円相場が反発を始めた。
また、米国ニューヨーク債券市場では、中東情勢警戒の安全資産の米国債買いの影響もあり、今朝早朝の終値時点の米国長期金利は4.040%付近と、前営業日比で-0.061低下していたことも、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差縮小時の円買いドル売りに影響を与えた。
このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の148円93銭付近から、円の安値でドルの高値の149円54銭付近の値幅約61銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は149円20銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の149円76銭付近と比べると約56銭の円高ドル安をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも中東情勢警戒感などのリスク回避のリスクオフで低リスク通貨の円が買われる為替相場への影響があったため、今朝9時頃から日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時149円8銭付近の始値であった。
日本市場では、今朝10時30分頃から日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の安達誠司審議委員の発言があり、香川県金融経済懇談会の挨拶において、「金融政策が正常化プロセスに入る条件は、既に満たしている」として、「段階的に政策金利を引き上げるべき」であることを示唆するタカ派寄りの発言があったことに、投機筋が反応した円買いが入ったため、今朝10時32分頃に対ドルの円相場は一時148円87銭付近に上昇し、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
また、今朝の東京株式市場では先行していた今朝までの米国株式市場で半導体株が反落した影響などを受けて、今日の日経平均株価も大幅に反落していたが、このタカ派寄りの発言を受けた国内金利上昇への警戒感によるリスク回避のリスクオフでも株価が大幅に下落し、国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いが入った。
ただし、日銀の安達誠司審議委員は、「基調的インフレ率は2%を下回っている」とし、「基本的には緩和的な金融環境を維持しつつ、極めて緩慢なペースで政策金利を引き上げていく」などのややハト派寄りの発言もしており、総合的にはやや中道的とも受け取れる発言の内容であったことでは、市場安値後のドルの買い戻しが入り始めたほか、日経平均株価も今朝の一時の大幅な下落幅をやや縮小し始めた。
東京株式市場では、今日の午後15時には日経平均株価は、一時の下げ幅は縮小したものの3万9180円30銭の終値をつけ、前日比730円25銭安の大幅安で大引けした。
今日の午後からの欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の参入では、今日の午後15時に発表された最新英国経済指標の9月の英国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) が、前月比は前回の0.3%と市場予想の0.1%を下回る0.0%に鈍化し、前年同月比も前回の2.2%と市場予想の1.9%以下の1.7%で、物価基調を見る同月の英国CPIコア指数も前年同月比が前回の3.6%と市場予想の3.4%を下振れする3.2%に低下したことを受けて、英国利下げ予想が再燃したことで、英国ポンドが取引量の多いドルに対して売られた外貨へのドル上昇圧の影響が対ドル円相場にも波及し、午後15時頃と15時8分頃にドルは円相場で一時149円37銭付近の高値圏を記録したほか、テクニカル分析的なダブルトップ (Double top) の毛抜き天井を打った一時反落は見せたものの、時間外の米国債券市場で午後15時53分頃には一時4.008%付近にまで低下していた米国長期金利が反発し、夕方の16時50〜53分頃に一時4.023%に下げ幅を縮小した影響もあり、再びドル買いが入った夕方の16時56分頃にドルは円相場で一時149円48銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は149円43〜44銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の149円23〜24銭付近の前東京終値比では約20銭の円安ドル高になった。
なお、今日の夕方には、金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、次回2024年11月6〜7日に開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) における米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国利下げ幅の市場予想値は、次回0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時94.2%付近に上昇し、次回の米国金利据え置き予想値は一時5.8%付近の推移を見せていた。
今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定や米国主要株の決算報告予定が続き、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に9月の米国輸入物価指数と米国輸出物価指数の発表予定を控えるほか、今夜21時頃から米国金融大手のモルガン・スタンレーの決算報告予定も控えている。また、中東情勢などの世界ニュースの為替相場への影響なども、引き続き世界のFXトレーダー達に注視されている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円61〜62銭付近で、昨夜17時の162円65〜66銭付近と比較すると約4銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、明日10月17日の夜には、最新欧州重要インフレ指標の発表に続き、欧州中央銀行 (ECB) 理事会の欧州新政策金利を控えたイベントリスクが近づく中で、市場で欧州追加利下げ予想の織り込み度が進んでいたことなどが為替相場に影響を及ぼしていた。
また、今夜この後の27時40分頃から欧州中央銀行 (ECB) のクリスティーヌ・ラガルド総裁の発言予定を控えることもあり、イベント前の様子見の値動きなども見せている。
ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0882〜1.0883ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0899〜1.0900ドル付近と比較すると約0.17セントのユーロ安ドル高であった。
主な要因は、明日の欧州中央銀行 (ECB) 理事会で欧州追加利下げ予想が優勢さを保つ中で、昨日に続き、米国利下げペースは想定よりも穏やかになる可能性が意識されていた。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は194円21〜27銭付近と、昨夜17時の194円98銭〜195円4銭付近と比較すると約77銭の円高ポンド安であった。
主な要因は、先述の通り、今日の午後に発表された英国インフレ指標の鈍化を受けて、先日に英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE) のアンドリュー・ベイリー総裁が、インフレ鈍化が進めば、利下げに積極的になれると発言していたことが意識された英国利下げ予想の英国ポンド売りの影響が、今日の東京終値時点の円相場でも観測されていた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年10月16日の日本時間(JST)20時2分(チャート画像の時間帯は、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日まで英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間の時差変更がされており、今日の日本から時差8時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の12時2分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までは米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)
通貨ペア | JST 20:02の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
---|---|---|
ドル/円 | 149.38 〜 149.39 | +0.15 (円安) |
ユーロ/円 | 162.65 〜 162.67 | ±0.00 (レンジ) |
ユーロ/ドル | 1.0887 〜 1.0889 | −0.0012 (ドル高) |
英ポンド/円 | 194.39 〜 194.45 | −0.59 (円高) |
スイスフラン/円 | 173.22 〜 173.28 | +0.21 (円安) |
豪ドル/円 | 99.79 〜 99.83 | −0.25 (円高) |
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