october notes (original) (raw)

一つ前はこちら。

tpb.hatenablog.com

タワーブリッジとぬるいビールとリバーサイドディナー

お目当ての香水を二本買い、お買い物に満足したところで、ディナーのお店に移動を開始。有名な高級ホテル、The Savoyの裏を通り、ビクトリア・エンバンクメント・ガーデンズを通って、Embankment駅へと向かう。

川沿いの小さめの公園だけど、のんびりしている人やお散歩している人が多くていい場所だった。夕方の5時半だけどまだ全然明るい。

Embankment駅からメトロに乗ってTower Hills駅へ。Queen's Gate駅から乗った路線と比べるとかなり新しい電車だなと思った。ちなみにロンドンはバスも電車もApple Payのタッチで乗れるので、本当に便利だった。タッチ決済機能があるクレカなら行けるのいいよね(そして子ども料金は無料)。こんだけインバウンド観光客が増えてるんだから、日本の鉄道もそうすればいいのに。今のとこ東急だけだよね。

Tower Hills駅は有名な観光地であるロンドン塔の最寄駅。
そして、ロンドン塔はSHERLOCKでモリアーティが侵入した場所。

タワーブリッジを歩いて、テムズ川を渡る。観光客が多くて、とにかく混んでた!写真じゃなくって、セルフィー動画を撮ってる人が多くて面白かった。

ディナーは川沿いの素敵なエリアにあるお店を予約してもらっていた。

同じ会社で、もう15年来の付き合いであるAさんと、その奥さんのLさんと、息子氏の3人。Aさんと最初に会った時は、息子さんは中学生だって話をしてたのにもう28歳!時の流れが早すぎる。

Aさんは50代前半の、穏やかで優しいイギリス紳士で、日本文化(ジブリとか村上春樹とか)とハリーポッターが大好きで、初めて来日した時に意気投合して、それからずっと仲良くしてくれている人。当時まだハリポタが完結していなかったので、新作が出るといつも感想戦メールを送り合っていた。SHERLOCKのジョンからトラウマ全部剥ぎ取って、にこやかにした感じの穏やかなおじさんだ。

奥さんのLさんも一度一緒に来日してくれたことがあるので、会うのは2回目。明るくておちゃめで優しい女性で、再会を喜びつつ、二人とも私の子と夫に会うのも楽しみにしてくれていたので、それは残念だった。

息子氏はちょっと芸術肌でシャイな感じがしたけど、日本作家の本や日本映画をよく見るとのこと。村上春樹の話や、映画のパーフェクトデイズの話なんかをした。あとジブリの話も。Aさんと鎌倉に行った時にジブリショップで子供のお土産を買っていたことを思い出す。

Lさんと息子氏の今のヒットが柚木麻子のBUTTER(イギリスで出たばっからしい)だったので、柚木麻子は私も大好きだから日本帰ったら読むねと約束をした。「日本の女性を取り巻く状況と社会における女性たちの閉塞感がなんとなく理解できた気がする」とのこと。"Is it getting better?"と聞かれたので、"It's definately changing, and I think it's getting better, but the changes are very slow and we got so more to go."と答えた。

Lさんにpatterieの指輪とピアス(お揃い)をめちゃめちゃ褒めてもらえたのが嬉しかった!かわいいよねっ!!

お店は本当に素敵だったけど、ビールがぬるかった。そして、パスタはおしゃれだったけど、塩気が足りなかった。笑 Oh...イギリス。それもまた、良い思い出……!

レモンに焼き目を付けてる暇があったら塩を足してほしかったタリアテッレ。

帰り道に撮ったタワーブリッジ。夜9時前でもまだ明るい。Tower Hills駅までみんなで歩いてバイバイした。Aさん夫婦は来年日本にくるそうなので、その時にもまた会えたらいいな。「9月は涼しい?」って聞かれたので「前半はまだ暑い、あと台風が来るかもしれない」と答えると「台風!!」と驚いていた。イギリスに無いもんね、台風。

ノッティングヒル散歩とシャンデリア店のこと

さて、少しだけ、時間を戻す。

1日目の午後、子の熱がまだ37度前半でごろごろYoutubeを見ていた時に、Mちゃんが子は見ててあげるからせっかくだから二人で少しお散歩してきたら、と言ってくれた。まだ14時前だし子は今のところは元気そうだしということで、お言葉に甘えて、ご近所を散策することにした。

ケンジントン駅前をぶらぶらしつつ、ちょっと散歩の足を伸ばして、午後に行く予定にしていたノッティングヒルのあたりまで行ってみることにした。隣のエリアなので近いんだけど、ノッティングヒル・カーニバルが数日後に迫っていて、明日以降は交通規制で入れなくなってしまうらしい。

私と夫は旅先での散歩が大好きで無限に歩けるタイプだけど、子がいるとそうもいかない。二人で歩けたこの時間はなかなか貴重だった。

写真を何枚か貼ってみる。

ペチュニアがもりもりですごい綺麗なパブ。チャーチルの似顔絵を掲げて、店名にも入っているけど、中はタイ料理屋さんらしい。Mちゃん曰く、本当にこの店にチャーチルが来ていたのかは知らないとのこと。

ここもお花と黄色い壁がとっても綺麗!フィッシュアンドチップスと書いてあるから、ザ・英国パブなのかもしれない……!!今回の旅では入れなかったけど、次来ることがあったらパブにも行ってみたいな〜。

ノッティングヒルの通りには小さめのお店がいっぱい並んでる。

ケーキ屋さん。ケーキも大きくて可愛いし、左側のサンドイッチもすごい。

ここもケーキ屋さん。タルトもでっかいな……!🍓🍓🍓

スコーン屋さん!めちゃめちゃ美味しそうだったけど、お腹が空いてなかったのとすごい並んでたので断念。

アクセサリーショップもいっぱいあった!ここでは店内にあったビーズのブレスレットを子にお土産で買った。

Mちゃんおすすめのスペシャリティコーヒーのお店。

有名な観光名所を巡るのも楽しいけど、こうやって普通に街中をお散歩するのも旅行の醍醐味で大好きだ。まさにウィンドーショッピングという感じで楽しい。

そして、そろそろ戻ろうか、と行きとは道の反対側を歩いていた時に、その店はあった。

Closedだったので、店内が暗くてあまり綺麗に写真が撮れなかったけど、かなり独特の、良い意味で重たい雰囲気があるシャンデリアのお店。後で調べたら、アンティーク・シャンデリアのお店だった。店内が暗いからか、ちょっとダークな感じもあって、ハリーポッターノクターン横丁にありそう、と思った。

ちなみにGoogleマップで店内写真が見れるので、良かったら見てみてほしい。歴史が匂ってくる感じ。夜に店の外から撮った写真がすっごく綺麗……!!

うちには絶対似合わないような、アンティークのシャンデリアや、インテリアグッズが並んでいる。

このアンティーク・シャンデリア店を覗き込みながら、私はじわじわと胸の奥に広がる地味だけど確かな衝撃を感じていた。

今回の旅行は、従姉に会いに行く!そして久々のヨーロッパ!何より子にヨーロッパを見せたい〜!という軽めの気持ちから生じたものだったので、イギリスで何を成し遂げようとか、絶対何をしようとか、そういうことはほとんど考えて居なかった。

だけど、この店の前で、なぜか私は思ったのだ。
「あー、なるほど。これを見るために、私は此処まで来たのだな」と。

このシャンデリア店に、特別感動したとかいうわけではない。絶対ここのシャンデリアを買う、とときめいた、というのも違う。通りかかった時はClosedだったが、Openでも入らなかったと思う。JJGたるもの、どんなお店でも臆せず足を踏み入れるべしというのは頭ではわかって居ても、銀座のCHANEL路面店に足を踏み入れるのに比べても、こちらの方が遥かにハードルが高いし、場違いだ。

私はコンセプトに魔女を掲げてはいるものの、インテリアは北欧などの、あっさりとして明るい感じが好きだ。もっと簡単に言うと、marimekkoのテキスタイルやittalaの食器が似合うような、シンプルで少しカラフル、花とグリーン、大きな窓、夜は大きめの蝋燭の火に囲まれた、ヘルシーな世界観が好きだ。理想の部屋を作ったとしても、アンティークは置かないと思うし、。どんなにお金があっても、イギリスに住んでいたとしても、このシャンデリア店でシャンデリアや他のアイテムを買うことはないだろうと思う。

それでも、私はその場からなかなか動けなかった。
ショーウィンドーの中を、暗い店内を、しみじみと眺めながら、それこそ、この時初めて「あぁ、ここは異国なんだな」と思った。

この店は、絶対に日本に存在できない。日本には絶対に持ってこれないイギリスだ。三越伊勢丹のイギリスフェアにも、このシャンデリアショップは絶対来ない。(来てほしいわけではない)アンティークショップで似た様なシャンデリアを取り扱う店は、もしかしたら日本のどこかにあるかもしれない。でも、この店が醸し出している威厳と豪華さと埃っぽさが混じった雰囲気というか、その重々しいオーラというか……そうしたものは、絶対に持ってこれない。絶対に、自分が普段生きている日常の中では触れることがない世界。だけど確実にそこに脈々とした異国の文化の息吹を感じるお店。観光客向けに開かれていないからこそ守られているリアルな陰影を感じて、あー、この生々しさを直接味わうために此処に来たんだな、と思ったのである。

リアルなものが素敵だとは限らない。むしろ垢抜けない空気を持っている。多分、ロンドンの若者からしたら「お客さんくるの?」というような、骨董品店みたいなものだろう。でも観光客向けにキュレーションされていない、地元に長く根付いた店は、垢抜けないからこそ魅力がある。でもね、そうしたものは、土地を離れることができない。だから、輸入できるものは大体「洗練できるもの」で、ついでに日本人の口に合うように、そしておしゃれで映えるように調整されがちなんだと思う。

当然、逆も然りだ。このシャンデリア店から少し行った先に、日本のアートを取り扱うギャラリーが数店並んでいた。それは、やっぱり看板からして「そのフォントで表現される日本は、日本文化の中にはない」と強く感じた。それが悪いわけじゃなくて、でも持ってくるとやはり「日本風」になっちゃう。本物の生っぽい日本は、日本の土地を離れちゃうとやっぱり薄まって混じってしまうものなんだろうなと思う。

だから、生に触れるために、わざわざ外国に足を運ぶんだよな、と思う。生は想定を遥かに超えてくる刺激があるのだ。すぐは言葉にならないし、ときめきや感動より殴られる感覚に近いし、でもそれが心地よかったりする。この「わけがわからない世界だけどなんかもうすごい」というのは、やっぱりなかなか国内だと味わえないよなー。

本当はもっと散歩したかった。それこそこちらの記事にあるあきやさんのお父さんみたいに、二週間くらいひたすらロンドンの街中を歩き回ってみたかったよ〜。このお父さまの話が大好きで、何度も読んでいるのだけど、£1=800円の時代に比べたら、£1=200円なんてなんてことはないわ!と、自分を奮い立たせていました。

何だかんだ言って散策していたのは小一時間ほど。ケンジントンに戻り、スーパーで、明日以降の街歩き用のミネラルウォーターボトル(街中のコンビニで買うと1本£2.5近くするが、スーパーだと6本で£1.99だった。 ほっ)を買い、その後、どうしてもイギリスで(確実に割高になる)UNIQLOでは買いたくなかったので、その隣のZARA(似たようなもんだが)で、子のカーディガンを買い、そしてMちゃんちに戻った。(その後のことは、その2の前半に書いた感じ)

(つづく)

一つ前はこちら。

tpb.hatenablog.com

子の発熱とイギリスの医療事情

初日の午後から発熱してしまった我が子。最初は37度ちょいでYouTube見る元気もあってそこまで心配していなかったんだけど、その後夕方〜夜にかけて39度まで上がってしまう。Mちゃんちのお土産として私が持ってきた稲庭うどんを少し分けてもらい、私が持ってきた茅乃舎の出汁を使い、たまごうどんを作って食べさせるも、お熱が高いのでまだへろへろ。

海外旅行保険には入っていたが、医療機関に連れて行くかはかなり迷った。
Mちゃんいわく、選択肢は二つ。

①プライベート病院(民間の私立病院)
夜間でも行ったらすぐに診て貰えるけど、初診料だけで£300(=6万円)、そこから検査をしたり治療をしたりでさらにかかる可能性があるので、最終的に軽く£1000(=20万円)を超えることもざらにある。(Mちゃん家族は大きな病気の時や緊急時はここに掛かると言っていた)(ちなみに今更だけど、Mちゃんちはセレブ)

②NHS病院(イギリスの公的病院)
お金はかからなくて誰でも診て貰えるけど、混んでいるので2〜3時間待たされる可能性が高い。(Mちゃん家族はちょっとした風邪ならここへ行くとのこと)

う、うーむ。

プライベート病院は初診料は目玉が飛び出るほど高いけど、医療費は保険で全てカバーされるはず……が、子は旅行前から若干咳をしていたのと、旅行前日に持病の発熱もしているので、もし、それと関連がある熱だと判断された場合、旅行前から発症していたということで、保険が適用されなくなってしまう。これは行ってみないとわからないので、正直出たとこ勝負。

一方で、NHSは時間はかかる。Mちゃんいわく、悪い病院ではないらしいけど、お熱で苦しんでいるところで、待合室で3時間待ちは流石にかわいそう。

自腹の可能性がある20万円か、3時間待ちか。もちろん子の健康が一番大事なんだけど、き、厳しい〜〜〜!!

ひとまず持参したカロナールは飲ませたものの、効くには1時間くらいかかる上に、ぶり返すことも考えられるので、その間もうんうんと頭を抱える。その間に、従姉の旦那さんが娘ちゃんたちと一緒に近所のドラッグストアを総当たりをして、インフルエンザの迅速検査キットと、コロナの迅速検査キットを買ってきてくれた。ひとまず、その可能性が除外できるだけでも大きい意味があるので、とてもありがたかった。

結局、カロナール後に1時間で37度まで解熱した。子は時差ボケもあってずっと爆睡していたので、迅速検査は起きてからしようと思ったのだけど、朝の四時に目を覚ました時にはすっかり平熱で、そのまま様子を見ることに。お腹が空いたというので、味噌汁(お土産で持ってきたフリーズドライのあさげ)を飲ませた。

その後、熱は上がることなく、検査もしなくて済んだ。カロナールを飲んでから12時間経っても熱が上がらなかったので、医者は行かなくて大丈夫かなということに。(その後も上がらなかった!よかった)

結局使わなかったけど、迅速検査キットで、インフルエンザも市販されてるの、いいよね〜。日本でも販売してくれたら、いちいち長時間並ぶ発熱外来にも行かなくていいのに……。やっぱり日本医師会が反対してるんだろうか……などなど関係ないことを考えた。

のんびりの2日目

子の熱は下がったけど、今日はゆっくりしよう〜ということで、2日目はMちゃんのおうちでごろごろ。窓を開けてお昼寝した。この日はお天気が良くて風も心地よく、木漏れ日と鳥の声が贅沢〜。木漏れ日って日本の言葉なのに、ヨーロッパの木漏れ日は厚みが違うな〜ということを考えていた。木の背の高さが圧倒的に違うからなのかな……?Mちゃんちはロンドンの街中だけど近くに大きな公園があって、道の街路樹も立派なので、そうしたことも影響しているんだろうけど。緑がたくさんあるの、いいよね。

お昼前にMちゃんと一緒に駅前のスーパーでお昼ごはんの買い出し。子は娘ちゃんたち(中学生と高校生)が様子を見てくれてた。

冷凍食品のラザニアが美味しそうだったので買ってみた。

子にはおにぎりを作ったんだけど、ラザニアが好物なので半分くらい取られた。何にせよ食欲があるのはいいことだ。

私が子とゴロゴロしている間に夫は一人でバッキンガム宮殿の衛兵交代を見に行った!混雑がすごかったらしくて、どのみち子連れでは厳しかったかも……と、話を聞きながら思った。

他にも色々歩き回ったらしい。

ビッグベン。ピーターパンを思い出す。

一人ショッピング@コベントガーデン

午後3時前に夫が帰宅。そこでバトンタッチして、今度は私が一人でおでかけ。子はすっかり元気でおやつを食べながらスプラトゥーンをしていた。

実はこの2日目の夜は、私が、会社で長年お世話になっている人(直接の上司じゃないけど、担当製品のディレクター)と、ファミリーディナーの約束をしていたのだ。でも流石に昨日発熱したのに、夜に連れ出すのは良くないかなと思って、泣く泣く私一人の参加に。先方も子と会いたがっていたので、残念だったけど、まあそういうこともあるよね。

待ち合わせは18時だったけど、その前にどうしても一人で買い物がしたかったので早めに出発。バスで向かったのはコベントガーデン。劇場とかショッピングとかの中心地の一つで、ブランド品店もいっぱいあった。

めっちゃ人が多かった!

なんか可愛いのがいた。

ここでのお目当てのお店は、ここ。

ミラーハリス!香水のお店です。

日本にもあるし、何なら伊勢丹で買えるしっていうのはわかってるんだけど、為替を考えてもすごい安く買える訳ではないんだけど、せっかくだったら本場で買いたいんだよーと思ってきてみた。お土産用のミニボトルや、日本では手に入らない石鹸やキャンドルがあればいいなーと思ったんだけど、ラインアップは日本とたぶんあまり変わらず。店員のおじさんが明るい人で、いろんな香りを試させてくれた。

買うとしたらDanceと心を決めていたので、あるか聞いてみたら、実は廃盤になるので店頭にはもう置いてないとのこと。でも、在庫はあるよ〜ということで、100mlと50mlを出してくれた。

Dance Amongst the laceは、すっきりしているのに華やかで元気が出る香り。都会っぽさと自然っぽさがいいバランスで表現されているので、気合を入れた仕事の時とかにつけたいなーってずっと思ってた。芯が通ってるけど、ものすごいハッピーな感じがする香りなので、私が新人の頃から思ってる「仕事は楽しむ心が大事!」という信念も、支えてくれる気がする。基本は在宅勤務なので香水も自由だしね。

廃盤になるって知らなかった悲しい……でもだからこそ今なのかも、と思って、50mlをお買い上げした!(なお、後々確認したら、日本で買うより100円安かった。笑 やった!)

ディスプレイもめちゃめちゃ可愛いよ〜。

お隣のペンハリガンも覗いで、こちらでも色々試させてもらい、ムエットいっぱい手にしてほくほくとなる。その後、少し休憩したかったんだけどカフェはどこも満席っぽくて、どうしようかな〜と思ったら、おっきなApple Storeの中に椅子がめっちゃあってみんな自由にのびのび休憩しているので、そこで小休憩を取らせてもらった。懐がでかいぜ。

もう一店舗、行きたかったお店があったので向かう。

ニッチフレグランスのお店、BLOOM。ここだけ行列ができてた。私はちょうど入れ替えのタイミングだったので、5分くらいで中に入れた。

ここは、日本で言うとNose shopにあるようなニッチフレグランスがメインで置いてあるお店。自分で自由に店内を見るスタイルではなくて、店員さんが一人ずつついてくれて接客をしてくれるスタイル。金髪でマニッシュな服に鼻ピをしたお姉さんが付いてくれたんだけど、このお姉さんが超優しかった。

ここでは、Laboratorio Olfattivoのバリフローラをまず見せてもらった。(Laboratorio Olfattivoって正しく発音できる自信がなかったので、ここはスクショを見せた)そこから、調香師のジャン=クロード・エレナ、いいよね!という話で盛り上がり、ペリスモンテカルロのメモリーオブグラースシリーズを試させてくれた。このペリスのシリーズの中で、ジャスマンドゥペイはドイツで買おうと思って目星つをつけいる店が別にあったので、ここでは他の三つのムエットを試させてもらう。お姉さんの推しはミモザで、私が一番その三つで好きだったのはローズだった。他にも色々出してくれようとしたんだけど、何せお店がめっちゃ並んでるから、ここではバリフローラの小さい方のボトルを買った。そしたらお姉さん、ペリスの3種類のサンプル持ってっていいよって、ミモザ・ラベンダー・ローズをくれた。太っ腹すぎる……。(しかもその場でスプレーしてアドマイザーに詰めてたので、これは行列できるよなぁ、と思ってしまったw)

お店の内装がインダストリアルで可愛い!ちなみに写真撮っていいか聞いたら、もちろんよ、聞くなんて律儀ね!という反応をされたw

私の隣に居たお客さんは多分雰囲気からして中東のどこかのお金持ちのお嬢様かな?という感じだったんだけど、既に20本近くボトルがずらっと並んでて、その上でずっと「これじゃない」「これは嫌い」とかはっきり言ってて、すごいな〜と思って聞いてたんだけど、店員さんが「こちらはとてもリフレッシングな香りです」って新しい香りを出したら、「私はリフレッシングなんて求めてないの!私が求めるのは、Love、Beauty、そしてそれが混ざった状態よ!」とキッパリ言ってて、なんか、かっこよかった。そして肌感覚としてのカルチャーの違いを感じた。見つかったんだろうか、Love、そしてBeauty ……。私には合わない香りだと思うけど、ちょっと知りたい。

Laboratorio Olfattivoのバリフローラは、フランジパニ(プルメリア)が中心となる香水で、甘めだけど甘すぎず、南国だけど、ムワッという熱気より先に大きな風を感じる、大好きな香り。名前の通りイメージはバリなんだろうけど、私にとってはフランジパニ(プルメリア)はハワイのイメージが強くて、そして、それはCoccoの名曲「ポロメリア」(小さい頃のCoccoプルメリアをポロメリアと覚えていた)に繋がるので、そう、推し香水なのだった。(ちなみにバリフローラは日本で買うより数千円安く買えた!)

プルメリア。日本では見ないけど大好き。

youtu.be

ちなみにドイツで買おうと思っていたペリスのジャスマンドゥペイは、お目当ての店で品切れしていて買えなかったので、ここで買っとけば良かった〜〜〜と若干後悔した。

どこか、いいタイミングでNOSE SHOPで買おうと思います。

つづく。

良かったことも大変だったことも、メモ程度に残せることを書き残しておく。

旅立ち

我々夫婦は海外含めて旅行が好きなのと、私が昔ドイツに住んでいたこともあり、子が保育園の間(=オフシーズンに休みが取りやすい)に、一回くらいは欧州行こうね〜、と新生児の頃から話していた。しかし子が3歳の頃にコロナ禍に突入し、とてもじゃないが海外旅行なんて行ける雰囲気ではなくなる。そして時は流れ、去年(2023年)の夏頃から「そろそろいいかな。小学生になっちゃったけど、来年くらい行く?」という話をするようになった。

今は円がとても安いし、飛行機代も高いし、物価もかなり上がっている。ベストタイミングではないことは間違いないが、じゃあ今後そのベストタイミングってやってくるのか?と思ったら、そんなのわからないし、世界情勢的にも、再び気軽に行けなくなる日が来ることもあり得るなと思って、もう勢いだけで行くことを決めた。

ロンドンに従姉が住んでおり、そちらに滞在させてもらうことにして、最初はロンドンで8日くらい、を考えた。しかし、帰りの飛行機がフランクフルトのトランジットになるということだったので、それだったら少しだけ早くドイツに入って、ドイツで数泊したい。なぜなら、私が昔住んでいた町を子に見せたいから。という、願望がむくむくしてしまい、結果的にロンドン6日間・移動日含めドイツ3日間という旅程になった。

子は初めてのヨーロッパ。
夫は5年ぶりで、出張以外では初めてのロンドン。
私は10年ぶりのヨーロッパである。

ロシア上空を避けるためにどっち回りでもヨーロッパは遠くなった。今回は地球を東北に回り、カムチャッカ半島からアラスカをすり抜けグリーンランドの上を通過する、合計14時間フライトを経てヒースローに着陸したのが午後4時ごろ。

日本時間だと既に深夜なので子の眠気はMAXに。しかも入管でそこそこ並び(14歳以下は自動ゲートが使えない)、UBERを呼ぶも迷っているのか中々来ず、子の疲労はかなり色濃くなっていた。しかもロンドン、8月なのに思ったよりも肌寒い!パーカーは持っていたけどそれでも寒そう。その後やっと来たUBERに乗ってロンドン滞在中にお世話になる従姉のMちゃん家に向かう。

Mちゃん曰く、このまま寝かせてしまうと時差ボケが治らずに毎日夕方になると眠くてぐずっちゃうよ、というので、車の中で寝た以外はなんとか起こして、娘ちゃんたちと一緒にMちゃんの家のわんちゃんと公園にお散歩に行ったりして、なんとか過ごす。夕飯はMちゃんがおうどんを作ってくれた。なんとかイギリス時間の夜10時ごろ(日本時間朝6時)就寝する。とはいえ、よく眠れたかというと微妙。

The Orangery

翌日、明け方から子ともども起きてしまい、9時には準備して出発。ケンジントンパレスの近くのレストラン、The Orangeryで朝ごはんを食べに行く。開店(10時)と同時に入ったけど、「朝ごはん?アフタヌーンティー?」と聞かれたので、その時間からアフタヌーンティーを食べることもできる模様。予約はしてなかったけどすんなり入れました。平日だったしね。

The Orangeryは元々ケンジントンパレスのオレンジ用の温室だったらしくて、名前はその名残。横長で窓が大きくて天井が高く、ゆったりとした空間でした。(ちなみにパリのオランジュリー美術館もオレンジ温室だったので同じ(?)だね!)

朝ごはんだけどカフェのワーク!
エッグベネディクト、マフィンがさっくさくで美味しかった。子はパンケーキを頼みました。

大英博物館

朝ごはんをゆっくり食べた後で、Queen's Gate駅から地下鉄に乗り、大英博物館に向かう。この日は薄曇りだったけど、けっこう冷えてて、長袖のジャケットを着ていても少し寒い。子もパーカー一枚だとちょっと寒かった様子で、上にもう一枚羽織る。東京との温度差はかなりあるな、と感じていた。

大英博物館は、駅からもそこそこ歩くのと、全世界が夏休みシーズンだからか、入場するのに長蛇の列!入場料は無料だけど、事前予約(5ポンド)をしておくと、あまり並ばなくても別入口から入れるそうなので、そうしておけば良かったと少し後悔。

無料入場の列は裏口側で並ばされていたのだけど、結局それは荷物チェックのセキュリティ列だった!わりとサクサク進み35分くらいで入れた。(この時点で子はちょっとぐったり)ちなみに荷物を持っていないと、列に並ばずに入れて貰えるらしい。

大英博物館は大きいので、全部見るのは難しいかなと思って、子がクレオパトラの伝記漫画が好きなのでエジプトゾーンと、あとは事前に一緒に予習をしたロゼッタストーンあたりを見学。

鬼徹好きとしては外せないアレですアレ。

ラムセス2世。つまりオジマンディアス。わりと穏やかな表情をしていらっしゃる。

スマホでエジプト文字を調べながら解読を試みるなどした。便利な世の中だね!

ロゼッタストーンはケースに入っていたけどめちゃめちゃ人が多くて何とか見るので精いっぱいだった。その代わり、子はおみやげにロゼッタストーンマグカップを購入した。

バステトとアヌビスさんがぬいぐるみに!!

あっ!アシリパさん!

大英博物館は展示室もカフェも売店も中央広場もとにかく人がいっぱいで大混雑だったので、楽しかったけど子がかなり疲れてしまって、結局1時間弱で退散した。(なので、有料の事前予約は結局しておかなくて正解だったかもしれない……)

その後お昼ご飯は大英博物館の近くのレストランでフィッシュ&チップスを食べる。

この辺りで子の疲労が限界を迎えてしまい、UBERで従姉の家に戻った。熱を測ると、37.2度くらい。出発前のPFAPAがぶり返したのか、それとも風邪を引いたのか、疲れがでちゃったのか、どうかな〜〜と、かなり心配になったけど、熱もそこまで高くないし、様子を見ることに。(本人は布団でゴロゴロしてYouTubeを見れるのでほくほくしていた)

日本→欧州の時差は、早起きになる時差だからそんなに調整が辛くないイメージがあったのだが、子にとっては初めての時差だし、やはり長時間フライトの疲れもあるし、初日からあまり連れ出すべきではなかった……と、この時点でかなり後悔&反省したのであった。

つづく。

tpb.hatenablog.com

9月1日(日曜日)

午後、スーパーで買い物をしている最中になんだか体調おかしいな、と感じる。帰宅して測ると37.2度。旅の疲れで熱が出ちゃったかな、と思って寝る。その日一番高くて38.5度。昔もドイツ旅行から帰ってきた後で、腎盂腎炎を発症したので、もしかしたらそれかもしれない、とぼんやり考える。そして明日から休暇明けで仕事始めなんだけど困ったなぁ〜となる。

9月2日(月曜日)

朝から38度超え、仕事ができる体調では無かったのでとりあえず午前休を取り近所のクリニックの発熱外来を予約。コロナの検査(陰性)をした後で、尿検査をすると赤血球・白血球の値がかなり高くて、炎症しているかも、とのこと。私の以前の話をすると、腎盂腎炎用の抗生物質が出される。ネットで検索すると、飲み始めて3日くらいで楽になるとのこと。期待しつつも、熱は最大39.8度。ロキソニンを飲むと大量の発汗と共に37度台まで解熱するが、5時間前後でまた上がる。たくさん水分を取って、たくさん排尿してくださいと言われているのだが、汗でほとんどの水分が出てしまい尿があまり出ない。水はそれでもめちゃめちゃ飲んでいるが、食欲がなくあまり食事がとれなくて、ロキソニンを飲む前にインゼリー半分飲むくらい。これはあまりよくなさそう。時差ぼけもあるのか、夜眠れない。少し咳が出る。

腎盂腎炎は重症化すると入院することも大いにあるので、子に「ママ入院になったらどうする?」と聞いたら「さみしいなぁ」と言っていた。ちなみにどうなったら重症化なんだろう、と調べると「高熱」って書いてあった。……既に重症では?

9月3日(火曜日)

全然体調は変わらず、高熱が辛い。点滴をしてもらった方が早く治るのでは、とネットの情報を見て、同じクリニックへ。抗生物質の点滴をしてもらう。体調は月曜と変わらず最悪で、熱は最大39.9度。ロキソニンを飲むと熱は下がるが、やはりまた爆上がりする。咳が激しくなり夜眠れず。バナナとインゼリーで命をつなぐ。水分はやはり大量の汗で出て行ってしまう。

9月4日(水曜日)

全然体調は変わらず、高熱。夜中咳が激しくて眠れずに、呼吸も少しおかしいと感じたので、サチュレーションを図りたかったのだけど両手には旅行のために付けたジェルネイルが!死にそうになりながら、明け方に一人で右手の人差し指のジェルを無理やりはがした。このあたりが精神的に一番きつかった。熱が高くて息も苦しくて全然眠れなくて、これ死ぬのでは?という気持ちに。朝一、クリニックが開くと同時にまた来院。点滴してもらおうとすると「大きな病院で見てもらった方がいいと思う」とのことで、点滴をしている間に各所に連絡をしてくださり、紹介状を持たされ、同じ区内の大きめの病院に送られる。
その病院で朦朧としながら、ルートを取られるも脱水状態でほとんど血管が出てこないと言われる。唇もかさかさ。点滴もしてきて、水も飲んでるのに、脱水になるほど汗をかいてる自分かわいそう。その後、血液検査、尿検査、心電図、肺と腎臓のレントゲン、そしてCTを取る。
そして、診察。
「肺炎ですね、入院です」
えー!?腎臓じゃなかったんかーい!
腎臓は問題ないし、尿の値もそこまでじゃないですとのこと。
でも左肺の白い影がかなり広がっているのと、音もするのでこれは細菌性の肺炎です、と。
炎症反応を示すCRPは15。
治療は一日二回の抗生物質点滴。あとは酸素吸引。心電図モニタを付けられ、酸素濃度も常にモニタリングされている、わりと物々しい形になる。点滴はクリニックでもしたけど、何が変わるのかなぁと思ったけど、医師曰く、広範囲に攻撃をする強い抗生物質よりも、肺炎に特化した抗生物質の方が効くかも、とのこと。腎盂腎炎を疑ってたこともあって、私が飲んでいたのは超・強・全体攻撃型抗生物質であったらしい。でも、私の肺炎には、特化型・個別攻撃型抗生物質の方がいいらしい。なるほど……?
まあそれも、効くかどうかはやってみないとわからず、効かなかったり、培養した菌の特長が見えてくれば薬を変えることもあります、とのこと。そして最長で二週間ほどの入院になりますと。マジか。二週間は長いな……。どうか最初の抗生物質が効くことを祈る。
面会は一日二人までOKだけど、小学生以下はNGなので子には会えない。寂しい。
何はともあれ、昨日よりはかなり安堵して寝た。睡眠導入剤も貰った。

クリニックで処方されて飲んでいた抗生物質(錠剤):グレースビット(第一三共
クリニックで受けていた点滴の抗生物質:ロセフィン(太陽ファルマ)
入院した病院で受けていた点滴の抗生物質:スルバシリン(明治)

なお私はクラリスロマイシンで薬疹が出たことがあるので、系統を変えてもらっています。

原因菌を培養するために痰を出すように言われるけど、全然でない。これは、強すぎる抗生物質を飲んでいた弊害でもあるらしい。なんでそんな強い抗生物質なのに熱は下げてくれなかったんだ……??肺の奥までは届いていなかったのかなぁ。

明け方に死ぬ気で剥がした人差し指のジェルネイル。その後反対の手も人差し指だけ剥がした。

9月5日(木曜日)

朝起きてすぐの熱が38.1度。その後はするする下がり、この日はほぼ37度前半で過ごす。かなり体が楽になった。薬が効いたのだろうか。睡眠導入剤を飲んでゆっくり眠れたのも良かったのかもしれない。病院食は米の量が多いのが辛いが、食べたほうが回復が早いだろうと思って頑張って完食を目指す。おかずと米の割合的に米が多すぎる(150g)気がするのだが、味は割と美味しい。温かいのがありがたい。点滴は朝晩の2回。夜はデイルームから夫と子にテレビ電話を掛ける。

9月6日(金曜日)

朝から平熱。祝☆平熱~~!!ずっとつけていた酸素吸入が取れる。シャワーを浴びれるか聞いてみると、私の部屋は月・水・金がシャワーの日なので、今日予約しますねとのこと。聞かなかったら、月曜日までシャワーお預けだった可能性があり、それはかなり辛いので聞いてよかった。院内コンビニまで行き、カフェラテを飲む。回診の際、今後コロナが重症化しやすくなるようなことはあるのか?と聞いてみたけど、多分大丈夫でしょうとのこと。良かった。病院から近いところに住んでいる友人が二人いて、それぞれが週末お見舞いにくるよと言ってくれたのだが、面会は家族に限られているらしい。残念。でもそう言ってくれる友達がいるのはうれしい。

金曜日だから?夕ご飯がカレーで嬉しかった。

カレー

9月7日(土曜日)

平熱二日目。朝ごはんに食パンが出る。8枚切りが2枚入ってたあるのだが、かなりパサパサなので1枚でギブ。美味しいパン屋のパンが食べたい、と思ってすみません。無理なのはわかるけどせめてトーストだったらな。「いちご入りミックスジャムが添えられており、裏面の材料をチェックしたら「果物(いちご・りんご)」と書いてあった。りんごのことを思って少しだけ泣く。循環器科に居るのに、古き良きマーガリンみたいなのが付いてくるので、これはいいのかな?という気持ちになる。トランス脂肪酸削減!みたいな最新のやつじゃなさそう。知らんけど。
週末は回診も検査もないので暇である。今日はあきやさんの講演会の日で、その後totonoさん主催のアフターがあり、とっても楽しみにしていたので本当に残念である。私は病院のベッドの上で、制服化(レンタルパジャマ)パーティーをしている。(ひたすらロイヤルマッチ)今日は院内コンビニでブラックコーヒーにチャレンジ。美味しい。子は実家にお泊りとのことなので、夜は母の電話にかける。LINE電話すると、通話時間の半分くらいは変なフィルタを付けてげらげら笑っているだけなんだけど、まあ、それでもいい。夜、ちょっとリベンジ夜更かしをしてしまった。何のリベンジだかは知らないが。

9月8日(日曜日)

平熱三日目。入院日に入れてもらった点滴の針(ルート)を入れ替えとのことだったが、新人さんぽい看護師さんで全然入らず。まあ注射も採血も苦手じゃないし、私の体で良ければ練習に使ってくれ、とおおらかな気持ちでいたのだが、4回目に針を刺す時に「三度目の正直いきます!」と言ったので「いや、四度目だよ!!」と心の中で思ってしまった。おおらかさの修行が足りない。その四度目も入らなかった。その後、ベテラン看護師さんにバトンタッチして、一発で入る。後輩の手前、ベテラン看護師さんが見るからにほっとしていたのが面白かった。

経過が良いので酸素濃度と心電図の常時モニタリングが外れて身軽になる。

午後に夫がハーゲンダッツのアイスクリームを持ってきてくれた。病院食は量が多いから、おやつを食べる隙間がないと思っていたのは初期の頃で、もう普通におやつも食べるし何なら病院食足りないよーという気持ちになる。でも完璧に計算されて、一日1600カロリーになっているのだから足りない訳がないのである。ぐぐう。でもハーゲンダッツは食べたいのだ。昨夜のリベンジ夜更かしのせいか、寝る前の検温で微熱があった。慌てて、消灯と同時に眠剤を飲み寝る。

9月9日(月曜日)

平熱四日目。ここまでくると、もう大丈夫かなと言う気がしてくる。血液検査とレントゲン検査。私はほぼ回復過程にあり、特に心配いらない若い患者なので(循環器病棟で40代は超🌟ヤングだ)、回診もちょこっと顔を見て、あ大丈夫ねオッケーオッケーくらいの、なんなら立ち話レベルなので、何とか引き留めて退院目途を聞くと、木曜日とのこと。嬉しいけど微妙に遠いな。レントゲンの後シャワーを浴びる。母が夕方あんみつをもってお見舞いに来てくれた。夕飯の直前だったけどあんみつを食べ、そして夕食も完食した。ちょっと胃がバカになっているかもしれない。寝る前、家にビデオ電話を掛けると、子に「もう電話飽きた」と言われて、しおしお悲しくなる。これが自立か……。

9月10日(火曜日)

平熱五日目。あ~ペペロンチーノが食べたいな~。木曜の退院のこととかどうなっているのか聞きたかったんだけど、明日説明があると思いますで終わってしまった。尾籠な話で恐縮だが、病棟のトイレットペーパーがかなりワイルドなので尻が荒れてしまって痛い。病院だからと言って何もかもが優しいわけではないのだ。看護師さんはみんな優しいです。でもみんな本当に忙しそうだから、熱が下がった後は、絶対に手を煩わせないように空気になることに徹している。

9月11日(水曜日)

平熱六日目。ここの先生はみんな忙しいし元気で回復した私に割く時間はあまりなさそうなので、あからじめ質問事項をメモしておいた。「どういう症状が出たら再度受診したほうがいいのか(→再び発熱、黄色い痰が出る、咳が酷くなるなど)」「禁止事項はあるか(→とくになし)」「お酒と運動はいつからOKか(→いつからでもOK)」「会社に出す必要があるので診断書を書いてください(→了解)」などなど。退院したらまず何がしたいかを考えたが、ひとまずウォーキングに行きたい気持ち。あとは、美味しいラーメンが食べたいですね。

入院してから毎日二回入れていた点滴も、今日でおしまい。どうもありがとう、スルバシリン。抗生物質のある時代に生まれて良かった、としみじみ思う。ちなみにスルバシリンはペニシリン系抗菌薬。フレミング博士もありがとう。ペニシリンは1928年に発見されたらしいので、あと少しで100周年ですね。

9月12日(木曜日)

退院日。一人でも帰れるのだが、入院初日に母が私の服を洗濯のために持って帰ってくれていたので、服を持ってきてもらわねば帰れない。ということで、母に来てもらう。お会計は差額ベッド代など諸々全部入れて、(六桁)円。差額ベッド代は4人部屋で一日3300円。ここにパジャマとタオルレンタルが1日690円追加される。さらに会社に病休を取得するために必要な診断書(5500円)も追加でかかる。かなりお高いけど、イギリスで子が熱を出した時、医療事情の話を聞いていたのでそれよりはマシだと気持ちを立て直す。(その話はまた別で書きます)

というわけで、無事帰宅しました。体力がかなり落ちている自覚があり、筋トレも来週からの再開なのでしばらくはゆるくゆるく生きていきたい。午後に仕事の会議を一つだけ入れていて、明日に向けてのジャブ的な感じ。在宅勤務なことはありがたいです。

症状としては、微妙な咳が残っているくらいかな。
あと毎晩眠剤をもらっていたので、今日から眠れるか不安。眠れなかったら、あの最初に行った内科で貰ってこようかな。(→普通に爆睡しました)