京都市バスが「前乗り後降り」の実証実験 混雑緩和目指し10月に実施 | 乗りものニュース (original) (raw)

京都市交通局が2017年10月14日から、市バスの混雑緩和に向けた実証実験を行います。背景には、国内外の旅行者の急増などがありました。

前扉から乗り、後扉から降りる

2017年10月、京都市交通局が市バスの混雑緩和に向けた実証実験を行います。実施日は14日(土)、15(日)、28日(土)、29日(日)の4日間。対象は「洛バス」100号系統の全便です。この系統は、京都駅前〜五条坂(清水寺)〜祇園〜岡崎公園 美術館・平安神宮前〜銀閣寺前を結んでいます。

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国内外の旅行者の急増などで混雑する、京都市交通局の市バス(画像:京都市交通局)。

現行方式は「後乗り前降り」ですが、実証実験では「前乗り後降り」という、車両の前扉から乗車し、中ほどの後扉から降車する方式を採用します。乗車時に運賃を支払い、前扉よりも広く設計された後扉から降車することで、乗客同士の車内移動をスムーズにすることが狙いです。

京都市交通局は「前乗り後降り」のメリットについて、「運賃を支払われた後、車内スペースが広い車両中央や後方へ移動し、降車時には車両の中ほどにある扉から降車されることから、車内におけるお客様の動線が確保でき、スムーズに降車いただけます」「終点ターミナルにおいて、到着時に車両前方及び後方の扉を同時に開扉してお降りいただけることから、停車時間の短縮が期待できます」としています。

京都市交通局によると2009(平成21)年度から48両を増車し、系統の新設や増便、ダイヤの拡充などを行ってきましたが、特に観光地を結ぶ一部の系統で車内の混雑が激しく、車内の快適性の向上が喫緊の課題になっているとのこと。今回の実証実験を通じ、「前乗り後降り」方式の導入について課題や改善点を多角的に検証し「市バスの乗車環境を考える懇話会」からの意見も交えながら、本格実施に向けた検討を進めていくとしています。

【了】