外環道「千葉区間」の全貌 50年かかった最新の高速道路、高架に掘割、地下JCTも(写真22枚) | 乗りものニュース (original) (raw)

外環道の「千葉区間」、三郷南IC~高谷JCT間が2018年6月2日に開通。都市化が進んだ沿道の環境に配慮し、高架や掘割構造などを組み合わせて構成されています。

50年を経て開通する外環道 三郷南IC~高谷JCT間の全貌(1分59秒)。

外環道の「千葉区間」、三郷南IC~高谷JCT間が2018年6月2日(土)に開通します。

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多くの区間で掘割構造が採用されている(2018年5月15日、中島洋平撮影)。

今回の開通区間は15.5km。うち5.9kmが高架、9.6kmが地下区間という構成です。途中には松戸、市川北、市川中央、市川南の各ICが新設されるほか(三郷南ICの北側に位置する三郷中央ICも同時開通)、京葉JCTで京葉道路と、高谷JCTでは東関東道および首都高湾岸線と接続します。

三郷南ICから松戸ICまでの大部分は高架で、江戸川やJR常磐線をまたぎます。外環道の既存区間では高架橋に遮音壁という構造でしたが、この区間では遮音壁の下方を一部透明にするなどして、景観に配慮したとのこと。晴れていれば東京スカイツリーや、富士山も見えます。

松戸ICからは地下の「掘割」区間へ。完全な地下トンネルではなく、道路の中央部が地上に向かって開いた構造で、その開いた部分に2.5m間隔で柱が立てられ、まるで地下トンネルに「スリット」(切れ込み)を入れたようになっています。NEXCO東日本 千葉工事事務所 工務課長 金子 博さんによると、「通常、地下トンネルの高速道路では換気のために一定の間隔で外気を取り入れる換気塔を設けなければなりませんが、掘割構造ではスリットから煙やガスが抜けていくので、その必要がありません」とのこと。スリットの上部には膜状の屋根が設けられており、直射日光を和らげ、掘割内部に過度な明暗の違いが生じるのを防いでいるといいます。

もともと、今回の開通区間は高架構造で建設される予定でしたが、環境の悪化が懸念されたことから自治体や住民がこれに反対。1969(昭和44)年に計画が決定したものの、いったん凍結され、1996(平成8)年に現在の掘割を主体とする構造に変更されました。NEXCO東日本 広報課 課長代理の川上圭介さんは、「計画決定からおよそ50年、日本道路公団時代に着工してからおよそ20年を経ています」と話します。