cafe ことだまの観光ガイド (奈良県高市郡明日香村岡1223)| NAVITIME Travel (original) (raw)

知る人ぞ知る明日香村の人気古民家カフェ

その昔、市場筋と呼ばれた石畳の通りにある「cafeことだま」。選び抜かれたインテリアと風情のある家具が配された居心地のいい空間にゆったりと流れる時間は、ここでしか味わえないものだ。

築200年弱という酒蔵の母屋部分をリノベーションした古民家カフェ

「明日香村を訪れたら必ず行ってみたいカフェ」として知られており、予約なしでは入れない日も多い人気店。オーナーの加藤典子さんが古民家カフェを始めたのは2015年(平成27)春のこと。以来、雑誌やテレビなどで取り上げられることも多く、他府県からも「cafeことだま」に行くために明日香村を訪れる人もいるほどだ。入り口のショップを過ぎ、奥で靴を脱いで中に入ると、懐かしい知り合いの家を訪ねたような空気感が漂う。季節ごとのしつらえにこだわった店内は、なんともいえず居心地がいい。つねに満席状態という日が多いので、席を選ぶことは難しいが、お気に入りの場所を見つけるのも楽しそうだ。古い蔵から出てきたような花器や家具は一見の価値がある。

混雑時の待合スペース。この場所なら、のんびり待つのも苦にならない

古い箪笥やオーディオ、そこにあるすべてのインテリアが見事な調和を生み出している

季節のしつらえ。桃の節句には古いお雛様が飾られる

メニューを考えるのは、オーナー夫妻。「お客様に作り手の想いが伝われば」と、地場産の野菜を使った季節感のある素朴な料理にアレンジを加えている。ランチタイムに提供しているのは、毎朝仕入れる明日香村産の新鮮な野菜が主役の「ことだまランチ」のみ。ある日のメニューは、「天かすチキン南蛮～奈良漬タルタル・梅ひじきのポテトサラダ・里芋の味噌ポタージュ・冬瓜の海老あんかけ・かぼちゃのキッシュ・唐揚げのトマト煮・古代米ごはん・杏仁ムース～いちじくのソース」と盛りだくさん。そしてコーヒーか和紅茶が付く。一品一品が味わい深く、見た目にも楽しい「ことだまランチ」は数量限定。11時もしくは11時30分の食事開始のみ、席の予約が可能だ。そのほかの時間帯は、席が空き次第の入店となる。

明日香村産の新鮮な野菜たっぷりの数量限定「ことだまランチ」1700円。写真は2022年(令和4)9月末頃のメニュー。約2週間ごとにメニューが変わる

パッピンスという韓国風のかき氷も大人気のメニュー。あずきのかき氷で、パッ＝あずき、ピンス＝かき氷という意味がある。12月から5月はあすかルビー、それ以外の季節はメロンや桃、ブドウ、いちじく、柿、グレープフルーツといった果物をふんだんに盛り付けたパッピンスを提供している。「プレミアムメロンパッピンス」は6月から10月頃のメニューだ。メロン半玉をぜいたくに使ったパッピンスが運ばれてくると、思わず歓声を上げる人も多いとか。ころんとしたメロンとしゃりしゃりとした氷、そして中に隠れているあずきの相性は抜群だ。お目当ては季節のパッピンスという常連さんが多いのにも納得。なかでも、「奈良県産の幻のイチゴ」といわれるあすかルビーの提供を心待ちにしているファンは多い。

「プレミアムメロンパッピンス」1650円。季節の果物を使ったパッピンスは大人気！

加工品の商品開発も積極的に行っている「cafeことだま」。奈良産の野菜や果物をふんだんに使い、保存料や着色料に頼らずていねいに仕上げた手作りのドレッシングやジャム、ハーブティーなどを、お土産に買って帰ることもできる。今後は入り口のショップスペースを拡大し、ドーナツなどのスイーツやテイクアウトのドリンクなど、取り扱い商品も増やしていく予定だそう。訪れるたびに新しい顔を見せてくれるから、季節が変わるごとに明日香村へ行ってみたくなる。とにかく人気のカフェなので、少し待つことも覚悟のうえで時間に余裕をもって訪れたい。ランチもティータイムも90分の時間制。店舗裏には15台ほど停められる駐車場も完備しているので、ドライブの目的地にぜひ。

アクセサリーや小物なども店内で販売されている