利尻富士登山録~極北の秀峰は雲隠れ~ ①上陸編 (original) (raw)

はじめに

7/6(土)-7/7(日)にかけて北海道は利尻島へ行ってきた。主目的は島の中央に屹立する利尻富士への登山だ。

天気は優れず展望は開けなかったものの、極北の島らしい冷涼な気候ととりどりに咲く多様な花の中を登れた無二の山行になったので記録する。

登山計画

利尻島へのアクセス

利尻富士への登山を考える前に、そもそも利尻島へのアクセスがかなり大変だ。

東京から行こうとすると現実的な選択肢は以下2つになるだろう。

夏季季節運航のANA便を利用すれば新千歳から丘珠への移動を省き、さらに行程を短縮できるようだ。

私はJALばかり利用しているせいで新千歳発着ANA便の存在を知らなかったので、2番目の選択肢、**丘珠空港での飛行機乗り継ぎを利用して利尻島へ**赴いたのだった。

登山ルート

次に登山ルートだが、利尻富士山頂へのルートは2つ存在する。一つは北部の鴛泊(おしどまり)港から登る「鴛泊コース」で、こちらが最もメジャーである。もう一つは西部の沓形港から登る「沓形コース」で、こちらは要注意区間を含むマイナーめなルートとなっている。

せっかくアクセスの大変な場所での登山だから、一度で多くを見たい!ということで、上りは鴛泊コース、下りに沓形コースを利用することに決定。

赤線が上り、鴛泊港から登る鴛泊コース。
青線が下り、沓形港に降りる沓形コース。途中から舗装道になる。

当初は鴛泊コース入口にあるキャンプ場(利尻北麓野営場・利尻島ファミリーキャンプ場「ゆ~に」)で前泊して早朝に出発する予定だったが、直前で雨の予報になってしまったのでキャンプは楽しめなさそう。急遽「しまのやど かむいりしり」に素泊まりで宿をとることにしたのだった。

6/6(土) 利尻島上陸

利尻島への移動は一日がかり。10時半ごろに羽田空港から飛び立ち、12時に新千歳空港へ着陸。快速エアポートで札幌駅、北都交通バスで丘珠空港へ移動して飛行機を乗り継ぎ、利尻空港へ着陸したのは16時ごろだった。

ようやく着いた、利尻島
(レンズの曇りに気づくまでしばらくぼんやりした写真になっているのはご容赦)

離島の空港らしさ満点

飛行機から外に出た瞬間に感じたのはその涼しさ!ここ二週間ほどは東京の狂った暑さにやられていたので、日中でも25℃を超えることがない抑制の効いた気候に大いにリラックスすることができた。東京はぜひ利尻を見習ってほしい。

利尻富士は見えそうで見えない

事前の天気予報では6/6(土)の利尻島は一日中雨だったのだが、予想に反して空には雲の切れ目が見え、写真からもわかるようにいかにも晴れそうな様子。

若干の期待をもって空港から鴛泊港への道を歩き出した。

島そのものがさして大きくないので、空港から町への歩きも大した距離ではない。バス便はあまり多くないしタクシーも基本的にハイヤー(予約制)なので、登山者らしく足で稼ぐのが手っ取り早いのだ。

ただ、島内にはまんべんなくサイクリングロードが整備されていたので、自転車をレンタルして移動手段とするのも間違いなく楽しいはずだ。それはあらかじめ知っておきたかったなあと若干後悔。

沓形フェリーターミナルそばの「RISHIRI ACTIVITY」という店が自転車レンタルをやっていたので、これから利尻に行く人はぜひ使ってみてほしい。

ところどころで車道と交差するサイクリングロード
舗装が丁寧

利尻の風の強さを如実に表す木々
そもそも木が少なく、低木や草原が面積の多くを占める

会津藩士の墓。
ロシアに対する蝦夷地防備の歴史

徒歩でサイクリングロードを歩き始める

エゾカンゾウが咲いていた
上品な色合い

草原に彩られた海岸線。起伏が豊かで見ていて飽きない

ちょっと登って夕日ヶ丘展望台へ寄り道

展望台からのパノラマ
利尻富士は雲隠れしているが、自然豊かな島の様子はよくわかる

東に見えるは鴛泊の市街地。海に張り出す山塊はペシ岬

西に見える孤島はポンモシリ島。海鳥がたくさん集まっていた

夕日ヶ丘展望台に寄り道ののち鴛泊市街地に到着。

夕飯はグランスポットという店でホタテカレーを食べたいなあと思っていたが、入ってみると本日分は売り切れとのこと。

グランスポット | 利尻島|りしぷら RISHIRI PLUS

泣く泣く断念し、隣にあった北海道民御用達のセイコーマートで調達して宿で食べることにした。これはこれで北海道らしいからまあいいや。それにしても利尻は夕食をやっている店が極端に少ないので注意だ。島自体のキャパシティが小さいのと、多くの観光客が宿で夕食をとることが理由として大きいのだろう。

そして今日の宿、「しまのやど かむいりしり」に到着。

もとは夢海って名前だったのかな

お茶やコーヒーがセルフサービスで自由にいただける
壁は薄いので耳栓が活躍

夕日ヶ丘展望台から見えたペシ岬が気になって仕方がなかったので、腰を落ち着ける前にそちらだけ登ってから宿に落ち着くことにした。

よ~し明日のウォームアップだ

中間地点にあった広場

ここにも会津藩士の墓が
手厚く祀られている

夕日ヶ丘展望台も低く見える

泊港

登頂完了と思ったら、先に灯台がある
行ってみよう

「恋する灯台」らしい

明治25年に建設されたようだ

写真からも若干伝わるかもしれないが、ペシ岬を登っている間に天気は崩れ、雲は立ち込め雨がぱらつき始める。明日の利尻富士登山、天気は大丈夫だろうかという不穏な予感を持ちつつも、利尻の海岸線を練り歩いてじっくりと楽しめたことに満足しながら宿に帰還するのであった。

2日目へ続く!

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