色あわせ、糸あそび。 (original) (raw)
刺し子というのは、花ふきんをはじめ、実用的な作品に仕上げることが多い技法だと思います。
ハンカチ、ポーチ、巾着、コースター・・・etc・・・
また、縫製済みのトートバッグなどに刺し子で彩りを加えたりするのも、とても素敵ですよね。
使いながら目にしていく中で、可愛らしさや美しさを楽しめる。それが、刺し子の大きな魅力でしょう。
でも、もしかしたら私のように、用途も考えず、まるで絵を描くように刺したい柄をとにかく刺してみたい、という方もいらっしゃるのでは?そんな作品がたまってしまっている、という方もきっと・・・
「刺した作品、どうしよう問題」は、刺しゅうでもよく言われています。私も、刺したい気持ちだけで刺した作品を、ただの布の状態で何枚もしまい込んでいるひとりです。笑
今回は、そんな中から刺し子作品のひとつを額装してみました。額装は何度かしていますが、私の気に入っているやり方をここに記録しておきたいと思います。
棚に立て掛けたり、壁に掛けたり。
額装しておけば、しまい込まずに眺めて楽しむことができますし、作品もその方がきっと嬉しいはず。ちょっと飽きたなあと思ったら、絵をはずすようにバックヤードに引き上げて、またの出番を待っていてもらう。布のままでしまっておくより、きっと扱いやすいと思うのです。
高価な額でなくてもOK。100円ショップのフォトフレームだっていいのです。いつか気に入った額を手に入れたら、そこに入れ替えてあげればいいのですし。ちょっとしたプレゼントにも喜ばれそう。とにかく、まずは気楽に額に入れてみましょう!
刺し子作品の額装
■キルト綿をはさんでふんわりと
今回、額装するのは、今年2月に作った「月あかりのまち」という作品です。
刺し子した部分は13.2cm四方の正方形ですので、フレームも正方形のものをセリアで選びました。外寸法が20cm四方、窓寸法(見え幅)が17cm四方というサイズです。作品の周囲に、約2cmの余白ができる感じですね。
※フレーム付属のアクリル板や中台紙(マット)は、今回は使いませんでした。
内寸法17cmのフォトフレーム
まず、厚紙で台紙を作ります。これに、刺し子をした布をのせ、左右と天地を折り込んで仕上げていきます。
台紙を、私は工作用紙で作りましたが、お菓子の箱などの厚めのボール紙を利用してもいいと思います。
フォトフレームに付いていた中台紙、裏板ともに18cm四方でしたので、そのサイズで厚紙をカットすれば大丈夫。布が厚い場合は、0.1~0.2cm小さめにカットします。
中台紙と同じサイズの台紙を厚紙で作る
作品をふっくらふんわりと仕上げたいため、私は台紙にキルト綿を貼ります。あまりフワフワにしたくない場合は、白いフェルトを貼ってもいいですね。
台紙の方にのりを塗り、ひとまわり大きめに用意したキルト綿にのせ、余分をカット。スプレーのりがあれば手軽ですね♬
続いて、刺し子した布の準備。
台紙をくるむ形になるので、布は台紙より少し大きめに裁断しておきます。作品やフレームがこれくらいのサイズでしたら、各辺5cmほど折り込み分がほしいです。
厚紙にキルト綿を貼り、布でくるむ
絵柄の中心が台紙の中心にくるよう位置を合わせてから一度フレームに入れ、表から見て確認。微調整をしながらきちんと位置を定め、マスキングテープで仮どめし、フレームからはずします。
フレームに入れて位置を定めマステでとめる
■左右、天地の布を、裏で縫い寄せる
この後、手縫い糸で、左右の布を張るように、裏で縫い寄せていきます。
仮どめのマステをはがし、代わりに待ち針で上下の布をそれぞれとめます。
マステやメンディングテープで貼るだけでも、額装はできるのですけど・・・
いつか額を変えたくなったり、作品を別のものに仕立てることになるかもしれません。そのとき、額からはずした布にベタベタが残っていると残念です。そしてやっぱり、糸で張った方が細やかな調整ができ、仕上がりが綺麗だと思うのです。
なので、私はこちらの方法にしています(*^^*)
さて、縫い寄せです。まずは中央から上半分を。
糸はカード(糸巻き)につけたまま長く出しておき、折り返した布の幅、半分くらいのところで一針すくって始めます。
そのまま左右交互に布をすくっていき、上辺(台紙の)まで進めます。糸は随時、カードから出して長さを足していく感じです。このとき、渡っている糸を指でひきながら、針まで送っていくわけですね。
左右の布端を糸で寄せていく
台紙の上端まで進んだら、カードについている縫い始めの方の糸を切って、玉どめします。その後、渡っている糸をまた指で順に引いて、引き具合を全体で整えながら針の方へ送っていき、最後は一針返し縫い。玉どめしてカットします。
同じ作業を、中央から下半分にも行います。
縫い始めを玉どめしてから再度、糸の引き具合を調整
左右を縫い寄せたら、この時点でまたフレームに入れてみて、表から確認。天地の位置合わせを最終調整します。
そして、左右のときと同じように、天地の布も糸で寄せていきます。やはり、中央から半分ずつ、進めます。
位置合わせをし、天地も同じように糸を張っていく
左右、天地の布が、糸で寄せられました。これをフレームに入れて、裏板をはめ込めば完成です。
額装できました♪
フォトフレームの裏板は、スタンド付きでした。このスタンドを使って飾ってもいいですし、スタンドをたたんでミニイーゼルに立て掛けても可愛いと思います♬*゚
ミニイーゼルに立て掛けて飾っても♪
キルト綿をはさみ、裏で糸を張る方法は、少し面倒に感じるかもしれません。でも、仕上がりが断然、可愛く綺麗になるし、慣れればそんなに負担にもならないので、私はやっぱり、これからもこのやり方でいこうと思います(*^^*)
額装すると作品もご機嫌な表情に?
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厳しい暑さが続いていますね。
お見舞い申し上げます。
梅雨も明けないうちから「早く秋が来ないかな・・・」とつぶやいていた私。その頃からすでに夏バテ気味でした。昔から夏が苦手で、朝から照りつける太陽には恐怖すら覚えます。でもまあ、なんとか乗り切るしかありませんね。
ギラギラなお日さまは嫌ですが、キラキラ涼し気なものは良いものです。清流の水しぶきとか、森の木漏れ日とか、美しい星空とか・・・サイダーの泡だって、キラキラ輝いて素敵ですよね。
夏の初めにやさしいきらめきのラメ糸を入手したので、今回はその糸を使って小さなものを作ってみようと思いました。
リネンにラメ糸で刺し子をしたピンクッション。文様は、柿の花var.(ヴァリエーション)です。
柿の花var.
■憧れのラメ糸で
ラメ糸は扱いが難しいと、実はこれまでちょっと敬遠していました。でもほら、綺麗だから憧れはあったわけです。笑
何年か前、雑誌「ステッチイデー」のサイトで、PCディスプレイの壁紙画像を無料配布してくれていたときがあり、私は一目惚れしたピンクッションの写真をダウンロードしました。それがとっても可愛くて、その後、全然壁紙を更新する気にならないどころか、「このピンクッションを作ってみたい」という思いがどんどん膨らんできてしまったのです。
このラメ糸はどこのだろう?
何本どりで刺繍しているのかな?
四隅の玉はどうやって作るの?
「ステッチイデー」vol.30に作り方が載っているらしいのですが、こちらのバックナンバーは既にどこも売り切れ。それで、もうほとんど諦めていたのです。でも、今年の5月にふとまた思い立ってメルカリで検索。あったのです!即、購入しました。
その糸はコスモのにしきいとで、「発泡水」というシリーズ名だったことがわかりました。ああ、ピッタリのネーミング✨
取り寄せました、全6色。各色に付けられた名前もまた、可愛いのです♡
艶々の柔らかな糸。色もきらめきもとってもやさしいことが嬉しかったです。しばらくはうっとり眺めていたのですが、6月になって、ステッチイデーを見ながらその念願のピンクッションをふたつ、作ってみました。
にしきいと「発砲水」。右は作ってみたピンクッション
幾何学模様の図案が可愛いですね。そして、巻き玉が効いています。デザインは星野加那美さん。
知りたかったことは大体わかりました。ただ、巻き玉に使う直径0.8cmのビーズというのがどういうものかよくわからなくて。セリアで見つけたウッドビーズの詰め合わせの中から、同様のサイズのものを選んで巻いてみました。これがなかなか・・・大変でした。笑
■柿の花のヴァリエーション
ふたつの刺しゅうのピンクッションは、とても可愛くて気に入ったのですが、ちょっと小さいかな、とも思っていました。また、巻き玉ももう少し質の良いウッドビーズを使って、糸をもっとみっちり巻いてみたいな、とも。そしてそして、このラメ糸を使って「刺し子」をしたらどんな感じになるんだろう?という興味も湧いてきて♪
そこで、残った色のにしきいとで、新しく刺し子のピンクッションを一回り大きく作ってみよう、と考えました。
早速、7cm四方の型紙を作り、刺し子の図案を考えます。
ラメ糸は摩擦に弱いので、シンプルな一目刺しが良さそうです。くぐり刺しも擦れやすいので、今回は見送り・・・。そうだ、柿の花はどうだろう?と思ったのでした。
伝統文様の柿の花。以前、ミニ花ふきんで刺したことがあります。
すごく好きな文様ですが、あれからずっと刺していないことに気付き、また刺してみたいと。縦と横にチクチク刺していくだけなのに、花のように広がっていくモチーフの繰り返しが、本当に可愛いですよね。
ただ、このデザインのままだと、小さなピンクッションにはお花が大きすぎるようです。そこで、柿の花文様の数あるヴァリエーションの中から、小さく広がるお花を選びました(*^^*)
柿の花、で検索するだけで、本当にいろいろな刺し子作品の画像が出てきます。「変わり」とか「アレンジ」とか付くものを加えれば、もう無限にありそうです。それは柿の花に限ったことではないのですけど。本当に刺し子って奥が深くて面白いですね。
今回は、ヴァリエーションのひとつ、という意味をこめて「柿の花var.」と表記させていただきますね(*^^*)
■ラメ糸での刺し子タイム
シンプルな文様ですから、図案を描くまでもないかな、と最初は思っていたのですが、やはり方眼線だけでは心配です。中心に文様のどの部分を持ってくるか決めて、そこから周囲へ展開させ、7cm四方にどのように納まるかを確認するためにも、まずは図案を描くことにしました。といっても、作業用マット代わりにしている、5ミリ方眼線の工作用紙に、直接描き込んでしまったのですけど。笑
その後、リネンに5ミリ方眼線を引きます。縫い代は約1.5cm分とり、刺し終わってから1cmにカットし直すことにしています。
布に5ミリの方眼線を引く。糸色は「水面」
縦と横に一目ずつ刺していくだけ。でも、1列あけたりあけなかったり、なので、うっかり間違えないようにしないと!
そして、やっぱりラメ糸は気を使います。布との摩擦、針の穴との摩擦、糸同士の摩擦にも弱い上、撚りが甘いので糸端などは特に、すぐにバラバラにほどけてきます。
糸の長さを短めにすること、針を抜くときはゆっくりと、を心掛けました。糸端の処理は玉どめです。
扱いには気を使いましたが、でもやっぱりラメ糸は可愛いのです♪
その上、この「発泡水」は手触りがやさしい♪
縦、そして横に刺していけば、柿の花が浮かび上がる
■手縫いで仕立てる
さて、お仕立てです。
刺し子した表面に型紙を置き、そこから1cmのところに縫い代線を引きカットします。つまり9cm四方ですね。同じサイズの布をもう1枚用意します。
刺し子面に型紙を置いて、1cm外に線を引く
線をカットし9cm四方に
刺し子面をひっくり返して、今度は1cm内側に線を引きます(型紙を使うとラクです)。この線が縫い線になります。水かアイロンで後で消せるペンで引いた方が良いでしょう。
裏面に縫い線を引く
この後、裏の布と中表で縫っていきます。
ミシンを使うと早いのですが、実は今回は、四隅のひとつに細紐のループを挟み込もうと目論んでいました。レザーの丸紐なので、ミシンでうまく縫えるのか心配。おかしなことになると嫌なので、手縫いで仕上げることにしました。結構細かな目で半返し縫いをします。
ループを仮止めしてから、返し口5cmを残してぐるりと縫う
サイズを7cm四方と大きくしたことで、返し口も5cmとれてちょっと安心。狭いところからひっくり返すのは、繊細なラメ糸を傷つけないか不安になりますから・・・
縫い終わったら、水を含ませた綿棒を使うなどして縫い線を消し、完全に乾いてから軽くアイロンをかけます。そして、縫い代を割っておきました。その方が多分、表に返したときに綺麗になると思います。
縫い線を消し、縫い代を割る
返し口から表に返し、四隅の角を目打ちなどを使って丁寧に出します。でも、ここに後から巻き玉が付くので(隠れちゃうので)、そんなに神経質に角を出さなくても大丈夫。笑
表に返して、角を出す
■艶々ぴかぴかの巻き玉を作る
さあそして、肝心の巻き玉です。
前に作ったときのウッドビーズよりも、もう少ししっかりしていて、穴も大きなものをネットで探しました。穴が小さいと、糸を巻いたときにすぐに中が埋まってしまい、外側がまばらになってしまうので。
また、こういうビーズはどうしてもバリがついているもののようです。これをできるだけ取り除いてあげることで、ラメ糸へのダメージが減らせます。爪楊枝を使ってサンドペーパーを巻き、穴の中をシャッシャッ!頑張りましたよ~💦
右の塗装していないビーズを使う。バリを取り除く
前回の経験から、糸は60回前後巻くことで0.8ミリビーズの表面をほぼ埋めることができるとわかりました。長さはだいたい、140cmくらいあると安心です。
糸端の処理はよくわからなかったのですが、最後は内側の糸の間を3回くらいくぐらせてからカット。10cmくらい残して巻き始めた最初の糸は、そのままカットして大丈夫のようでした。かなり、ギュウギュウなので。
そうそう、クロスステッチ針を使いました。先端が鋭いと糸を傷つけますし、指に刺さっても痛いので・・・先が丸い針が良いと思います。
035_12 2 糸をひたすらビーズに巻き付けていく
60回、糸をビーズにくぐらせるのは、結構大変な作業です。糸が揃うように、また緩まないように、都度都度、左手の指で糸を抑えながらですから。指関節が痛くなってきました。涙
でも、出来上がった巻き玉の可愛さといったら♡
艶々で、ぴかぴかで、本当にたまりませんっ!笑
ラメ糸の巻き玉
巻き玉ができたら、クッションの内側から角に糸を出して巻き玉を付けます。先端に丸小ビーズを入れて糸を戻して引き、糸が目立たないように留め付けます。ループのある角は、ループの前に巻き玉がくるようにします。
四隅に巻き玉を留め付ける
最後に、中綿を詰めて、返し口を閉じれば完成。細かめのコの字とじが良いと思います。
中綿には、針が錆びにくい綿(シリコンを含ませた特殊加工の綿)を選びました。圧縮された綿を手でほぐすのも、地味にメンドクサイナアと思ったけど、本当にフワフワになります♪
KAWAGUCHI 針がさびにくい綿 70g TK13301
中綿を詰めて、コの字とじで閉じる
柿の花var.のピンクッション、完成です
■ピンクッションの可愛らしさ
今回のピンクッションは、針山と呼ぶより、やはりピンクッションだな、と思ってしまいます。それは、本当にソファに置きたくなるような、まさにクッションの王道の形だからなのでしょう。
ですから、これはドール用のクッションにしても素敵なのではないでしょうか(*^^*)
ドール用クッションにもぴったり♡
ラメ糸を使って刺し子をしたピンクッション。私は今回、色・柄違いであと3つ作りました。どれも可愛くて気に入っていますが、巻き玉16個を作って指が大変です!笑
4つ並んだラメ糸刺し子のピンクッション
小さなループが付いていますから、そこにカニカンなどを掛けて、吊るすこともできます。バッグチャームとかオーナメント、他にも何か楽しいことを思い付けるかも?
オーナメントとして壁に吊るしても♪
実は、たくさん失敗もしています。試行錯誤。まるで私の人生そのものです。笑
でも、リカバリーもたくさん経験できました。失敗を通して知見も得ることができたと思います。
去年あたりから、ピンクッションをいったいいくつ作ったことでしょう。実際に使っているのはわずかですけど、ピンクッションってなんだか無性に作りたくなっちゃうんですよね。
手頃なサイズ感というのもあるでしょう。加えて、中綿を詰めるということで、ぬいぐるみ感が出て、可愛くなってしまうのでは?と私は睨んでいます。笑
使わず置いておくだけでも、いとおしいのです。
そして、またすぐ「他にも作ろうかな」なんて思ってしまうのだから、
罪な存在です~(*^^*)
ラメ糸で輝く柿の花var.
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大好きな5月が終わろうとしています。清々しく晴れた日はもちろん、曇りでも雨でもどこか輝きを感じる素敵な5月。毎年のことですが、お別れするのは寂しいんですよね。
クリームミントという名前のついたカラーリネンを入手してから、初夏の爽やかさを表現した小物を作りたいなあと思っていました。なかなか時間が取れなかったのですが・・・
ミントグリーンは今年の流行色のひとつだとか。だったら、来年でもいいや、なんて言わずに今年の5月には作ろうよ、と自分にはっぱをかけ、いろんなことを後回しにして(笑)ようやく制作したのでした。
オフホワイトの糸で変わりあじさい刺しをあしらった、初夏色の小さな巾着です。
変わりあじさい刺し
■便利だったトレースボード
変わりあじさい刺しは、くぐり刺しを施す繊細な文様です。5ミリの方眼線をリネンに引くことにしたのですが、今回はトレースボードを使ってみました。
方眼線を印刷した用紙の上に布を置いて、下から光を当てて線を透かし、写すのです。昔、ポジフィルムをチェックするときに使った、ライトビュアーを思い出します♬
こちら、白い布なら下図もはっきり見えるのですが、濃い色は厳しいですね。クリームミントのリネンは、ギリギリOK、といったところでした。
それにしても、トレースボード、便利です。目印に付けた点を頼りに定規のみで線を引くより、はるかに安心感があります!
トレースボードで方眼線を写す。右側は白い布なので見やすい
■模様の配置で戸惑う
刺し子をすると刺し縮みすることが多いので、布は大きめに裁ちます。私は、縫い代分と合わせて出来上がりサイズより各辺1.5センチ大きく裁ちました。刺し子が終わった後に、縫い代1cmをつけて再度カットします。
今回の巾着は、底を「わ」にして作ることにしていました。モチーフ的な模様を繰り返す文様の場合、底とか中心に、どの模様を置くかを決めておいた方がいいと思います。私はここで少し、手間取りました^^;
底から10センチまでを刺し子するつもりだったのですが、模様の関係で9.5センチになってしまいました。方眼線を写す前に確認するべきだったのですが・・・実はこれが後々、ある「工夫」につながります。笑
簡単な下描きをして位置を確認して刺し始める
今回使った糸は、オリムパス刺し子糸〈細〉のオフホワイト(202)。綺麗色のカラーリネンによく映えると思います。玉どめをして、まずは縦方向をちくちくと。2本刺したら1本分あける、を繰り返します。
縦方向を刺したところ。右側は裏側
次の横方向は、底が3本になるので、注意が必要です!
横は底部分に気をつけて。右側は刺し終わったところ
この後は、楽しいくぐり刺しです。糸を引きすぎないよう、気をつけます。
針のお尻を使ってくぐり刺し。往復できる糸の長さで
■フランス刺しゅうを加えてみたら
くぐり刺しが終わって、刺し子は終わり。のつもりだったのですが、刺し子の上端がなんとなく寂しく思えてきました。そもそも0.5センチ短くなっていたし。
いろいろ考えた末、花ふきんで言うところの「枠飾り」的なことをしてみようかと。全体が締まる感じになりますから。でも、どんな風に飾る?
またまた悩んで出した結論。それは、0.5センチ幅で、フランス刺しゅうのステッチ、ボタンホールスカラップを加えるというものでした。きっと可愛くなる!と思ったのですが、さて、いかがでしょう?これが、前述の「工夫」です。笑
上端に刺しゅうのステッチを加えてみる
アイロンをかけ、模様部分は完成
■いつだって「お仕立て」は緊張する
刺し子が終わったら、出来上がりサイズに縫い代分を足して、改めて布を裁ちます。
刺し子部分に合わせて型紙を置き、1センチ外側に線を引いて、カット。その後、裏面にして1センチ内側に水や熱で消えるペンで線を引きます。
ところで、私はダイソーの工作用紙を型紙づくりに愛用しているのですが、この工作用紙は作業用マットとしても頼りになります。定規のように長さも測れますし(5ミリ単位なら)、直角もとれます。
程よいクッション性があるので、布に線を引くときの下敷きとしても優秀。この上で裁断して出た糸くずは、マットごとごみ箱の上に持っていき、パンパンッでOK。笑
工作用紙を利用して線を引く
続いて裏布と、紐を通す口布の用意をします。
裏布は表と同サイズだと少しもたつくので、ほんの少し控えめにすると良いようです。布の厚みにもよりますが、今回私は2ミリほど小さくしてみました。
口布は、本体サイズより幅を1センチ小さくしました。つまり、両脇5ミリづつ控えた感じですね。高さは2センチにするつもりだったので、4センチ必要です。これに、各辺1センチの縫い代を付けて、2枚用意します。
裏布と口布を用意
もういくつか布小物は作っているのですが、いつだって仕立てるときは緊張してしまいます。なにかやらかしてしまうのではないかと。笑
ここからは、写真オンパレードで制作過程を記録しますね。
口布の裏、端から1センチに線を書き、まずその半分を折る
もう半分を折る。2枚とも両端を同じ処理
端から2.5ミリくらいを縫う(手縫いでもOK)
高さを半分に折り、中心をとるため折り目をつけておく
表布の脇を縫い、口近くの縫い代を割る。中心をとるため折り目をつけておく
中心を合わせて口布を中表に置き、端から5ミリほどのところを仮止めする
裏布は表布と同様に脇を縫うが、返し口6センチほど、あけておく
表に返した裏袋を、表袋の中に入れる(中表の状態)←ややこしい
仕付けをかけ、縫い線を縫う(私は裏返しにしてミシンをかけました)
内袋を引き出して、縫い線を消し(水orアイロン)全体の縫い代をアイロンで割る
裏袋の返し口から全体をひっくり返し、アイロンで整える
端ミシンで返し口を閉じる(コの字とじでもOK)
裏袋を表袋の中にしまい、仕上げのアイロンをかける
ふう!ここまで駆け足でしたね。わかりにくかったかもです、すみません<(_ _)>
やり方はいろいろあると思うので、お仕立ては作りやすい方法で。笑
布を折って跡を付けたり、縫い代を割ったりするのに使っている道具が度々登場していますが、このコロコロオープナーも本当に便利で助かっています!
クロバー(Clover) パッチワーク道具 コロコロオープナー 57-655
■色違い柄違いでもうひとつ
口布に紐を通せば、完成です。
刺しゅうのステッチが効いたのでしょう、思っていた以上に愛らしくなった気がします。
変わりあじさい刺しの巾着、完成です♪
今回、ミントグリーンとホワイトを反転させた巾着袋も作りました。
こちらにはダルマ家庭糸細口の糸で。色は「はっか」。つまり、ミントですね(*^^*)
文様は、あじさい刺しです。
色違い、あじさい刺しの巾着
ふたつ並べても可愛いですよ♡
ミントグリーンの刺し子巾着ふたつ
そういえば、あじさいの花をよく見かけるようになりました。昔に比べいろいろな種類があり、驚くことが多いです。美しいものですね♡
これから迎える雨の季節はちょっと気が重いですが、せめて心には風を通していたいものです。ハッカの香りの風だとなお良いかも(*^^*)
梅雨時も、猛暑の夏も、できるだけいつも爽やかな気持ちでいられたらなあ、と願います。
可愛いステッチも馴染む変わりあじさい刺し
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今朝、目覚めたときに「ああこの感じ、なんだっけ」とつぶやきました。
少し緊張するような不安になるような、お布団から出るのが怖いような・・・。でも嫌な感じではない。どこか夢の続きみたいな甘さもあるのです。
しばらく起き上がらずにその感覚を味わっていると、それが何なのか、だんだんわかってきました。新学期が始まってしばらくたった頃、寝起きのときに感じた気分。遠い遠い記憶のようです。春の朝の空気が、淡く感じるその匂いが、はるか昔の感覚を呼び覚ましたのでしょう。
無防備なときに意図せずよみがえる、そういう感覚に少し付き合ってみることが増えました。遠い日に刻まれた小さな反応のひとつひとつが、なんだか愛おしく感じます。そういう年齢になったということでしょうか。
私の初孫も今年、小学校に入学しました。遠くに暮らす彼女に、これから素敵なことがたくさん訪れますようにと、願わずにいられません。不安や辛い思いをすることもあるでしょうが、それすら成長の糧として、幸せに健やかに育ってほしいものです。
彼女の入学式の頃に、ちょうど刺し終わったのが、ビスケットみたいな文様の刺し子トルションでした。これは、十字花刺しアレンジのひとつですね。
制作途中から写真を撮っていたので、記録をここに書いてみようと思います。
十字花刺しアレンジ(ビスケット)
■今回は“可愛い”を目指して
刺し子のトルションについては以前にも書いたのですが、キッチンで手を拭くためのクロスを晒布で作って刺し子を施したものを、私は勝手に「刺し子トルション」と呼ばせてもらっています。トルションとは、フランス語でキッチンクロスのことを言います(*^^*)
✻こちらに刺し子トルションを作ろうと思ったきっかけを書いています↓
何枚も作るつもりでいたのに、あの後作れたのは、まだ今回の1枚だけ。他に制作を急ぐものがあったりで、なかなか思うようにはいかないものですね。
でも、やり始めるとすごく楽しいのです。ここまで刺したらどんな形になるんだろう、どんな風景が広がるのかな、と。刺している間は楽しみな気持ちが常にあり、日常が少し輝く感じ。刺し子はやっぱり素晴らしいなって思います♪
前回のトルションは、渋くてカッコいい文様「菱青海波」を、これまた端正なアトリエKazuさんの段染め糸で刺したので、今回はガラリと趣向を変え、思いっきり“可愛い”を目指しました。
私にしては珍しい、赤一色の刺し子です。ホビーラホビーレさんの刺し子糸、ストロベリーレッド(126)を使い、ビスケット柄と呼ばれている十字花刺しのアレンジを刺そうと思いました。こちら、以前から試してみたかった文様なのです♬*゚
■頑張り過ぎないことが大事
頻繁に洗濯をするアイテムなので、とにかく洗っちゃうのが惜しくないと思えるようにする。それが刺し子トルションを作る上での第一目標です!(私的には)
あまりお金をかけないこと。そして、手間を掛け過ぎないこと。
すごく頑張って苦労して、可愛く思い過ぎるようになっちゃって、じゃぶじゃぶ洗えなくなってしまっては、意味がありませんからね。
(そんな私の花ふきん、いったいどれほどあることか。それはまた別の話・・・)
5ミリ方眼線を晒に引く・・・のは、ちょっと大変。だから、1センチ方眼にしました。笑
糸も、廉価なものでいいと思うのです。あと、余り糸を消費する、みたいな使い方もgood!
気分がラクになって「実用」への思い切りがしやすくなりますね。今回の赤い糸は、まさにそれです。
初めての文様を試してみる。というスタンスもいいですね!
練習なんだ、試作なんだ、と思えば失敗も恐れなくなるし、失敗しても凹みません。多少の不揃いな目も笑い飛ばせます。笑
晒に1センチ方眼を引き、周囲をざっくりと刺す
■赤い糸に元気をもらう
ただ、あの・・・1センチ方眼なのですが、心の目で5ミリ方眼に刺す感じで進めました。
すみません!
この辺にまだ、私の覚悟不足が感じられますね。以前から「可愛いなあ」と思っていたビスケット柄、大きく刺したら大味になってしまうかも、と、刺す段になって思ってしまったのです。でもそこで5ミリ方眼になるよう線を書き加えないところが、なんとも意地っ張りな私です。笑
さて。
まずは横線を刺していきます。案内線がない場所でも、上下左右の線を頼りになんとかなるな、という印象でした。
横線を刺していく
今回の糸始末はどうしようかな、返し縫いにしようかな、と迷ったのですが、結局玉どめすることに。裏で玉どめを作り、それを布の間に引っ張りこんで見えなくする、という方法です。
裏で玉どめし、際に針を入れる
少し離れたところに糸を出し、引っ張り加減にして際をカット
横線が終わったら、縦線を刺していきます。
赤いバッテンが並んでくると本当に可愛くて。もうこれだけで終わりにしようかと思ったくらいです。笑
縦線を刺していく
赤い糸って不思議ですね。見ていると元気が出てきます。自分の中の「少女」の部分がウキウキしているのがわかります。
十字模様だけでも可愛い
続いて斜めの線へ。行って帰って、の長さで糸を用意すると、布端で玉どめして終われて気持ちいいです(*^^*)
斜めライン。布端から始めて布端で終わる
この斜めラインを1列飛ばしで刺していけば、十字花刺しになりますね。今回はこれを3列飛ばしにして、ビスケットの模様みたいにします。
裏側にできる模様も、とても可愛いのです♡
ビスケット柄完成。右側は裏側
■もう片方は大きなビスケットに
私はトルション全面に刺し子をするのではなく、両端10センチほどに刺すことにしています。なので、もう片方も同じように刺していくつもりでした。
でも、ふと思ってしまったのです。
もう少し大きいビスケットにしても、いいんじゃない?と。笑
十字を刺し終え、斜めラインに入ったところ
それで、3列飛ばしを、4列飛ばしにしてみました。中に入るバッテンを、9個から16個にしたわけです。
4列飛ばしで次の斜めラインを刺す
そもそも、細かく刺す目的はないアイテムです。十字だけでもいいじゃん、なんて思ってしまうくらい、すでに「可愛い」も達成されています。そして、当然刺す量が減るので、時間も短くて済むのです。あとは、大きさ違いが並んだときに、どんな感じになるか、だけ。
面白いもので、「どうなるかな?」が増えると俄然、スピードアップします!
山を描くように斜めラインを刺す
できました。私的にはこれは「アリ」。特に違和感はないと思いました。
大きさ違いも楽しい♪兄弟みたい。同じ色でまとまりもあるし。
刺し終わり。右側は水通しの様子
水通しをして半乾きでアイロンをかけ、完成です♬
ビスケット柄の完成
こちらは裏面
二つ折りにして掛けるとこんな感じ
とても楽しい刺し子タイムでした。小さな実験ができて、より満足感があります(*^^*)
このビスケットの大きさ、さらに大きくしたらどんな感じになるのかな。逆にバッテンを4つにして小さくしたものも試してみようかな。そんなことも考えながら刺していました。
消耗品、と割り切ってはいるものの、作るならやっぱり素敵にしたいし、完成すればやっぱり汚したり洗濯したりすることに抵抗は感じてしまいます。まだまだ修業が足りない私、しばらくはジレンマと付き合わなくてはならないでしょう。
でも、試してみたい文様に気軽にチャレンジできる、という点では、私の中ではピカイチのアイテムです。
地味ではあるけれど、私の新学期も始まりました。やってみたいこと、いろいろあります。刺し子トルションも、時間を見つけてこれからも作っていこうと思います🌸
やっと刺せて嬉しいビスケット柄
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春の嵐が去って、今日はうららかな陽気です。桜の開花まではまだ少しありそうですが、三寒四温の今の季節ならではの趣きを楽しみたいものですね。
春を待つ気分だった1月の終わりに購入した、リネンとコットンの生地があります。優しい色合いがとても気に入って、これで何か作ろう!と思って買ったのです。
いろいろあって、なかなか手が付けられずにいた布たち。それでも頭の中では、こんな感じがいいかな、あんなものも作れたらいいな、と妄想が渦巻いていて・・・。
そしてようやく、その中のひとつを形にすることができました。とても小さな作品ですが、春を待つ気分が表現できたかな、と思えて嬉しいです。
今回の記録は、花格子アレンジをあしらった、リネンの小さな丸巾着です。
花格子アレンジ
■春を待つような色味の布たち
生地を買ったお店は、東京散歩をしたときに立ち寄った「CHECK&STRIPE」吉祥寺店。お目当てのひとつだったので、とても楽しいお買い物でした♡
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カーテンや服といった大きなものを作る予定はなかったので、カットクロスを数種類購入。ボタン付け糸もとても綺麗な色が目に飛び込んできたので、(使う予定もないのに)こちらも。可愛いポストカードやおまけレシピ、三日月の小さなアップリケもプレゼントしてもらってご機嫌です♡
綺麗にパッケージしていただいたので、家に帰ってからも袋をあけず、そのまま見える所に置いていた私。楽しい思い出も重なって、崩すのがちょっともったいなかったのですね。ようやく開封したときに、写真を撮りました。笑
さあ、何を作ろう♬
購入したラベンダー色とライトブルーのリネン、そして同系色の細かなギンガムチェックとストライプのコットンを使って、刺し子を施した巾着袋を作ることにしましたよ。
大きさや形、紐通しを別布で付けるかどうか、紐通しの位置など、いろいろ悩みました。もちろん、刺し子の文様をどうするかも、何度も何度も考え直し、楽しく迷いました。
そして、決めました。なんとなくテーマが「春待ち気分」になっていたので、お花の模様がいいな、と。まずは「花格子アレンジ」を。やわらかなラベンダー色のリネンを手に取りました。
■布を整えて「花格子アレンジ」を刺す
布の下準備は前回の記事にも書いたように、水通ししてアイロンで地目を直し、糸を1本抜いて縦横をしっかり垂直に整えます。
✻前回の記事です↓
リネンは縮み率が高いので、しっかり水通しした方が良いですね。私は4時間くらい、水に浸します。ちなみにコットンは1時間くらい。
布の用意ができたら型紙を置いて、表面(裏表に差がないときは状態の良い方を表に)に写し、刺し子をする位置に方眼線を引きます。今回は1cm方眼にしました。
刺し縮みすることも多いので、刺し子が終わってから改めて裏に型紙を当てて線を引きます。なので、この下書きは後で消すことになります。水、あるいは熱で消すことのできるペンを使いましょう。
布に方眼線を引く
方眼線が引けたら、それを案内に刺し子をしていきます。格子模様に小花を組み合わせた花格子。少しアレンジを加えたものを刺しました。
花格子や花刺しは、同じ名前でも全然違う文様であったりします。なので、私が刺そうと思った花格子アレンジもきっと、違う呼び方があることでしょう。刺し子の面白さのひとつだと思っています(*^^*)
横、縦、と刺していく
次は斜め方向。今回の糸は、OOE花糸のオフホワイト(色番号2)を使いました。ほんのりクリーミーな白が、ラベンダー色に映えると思います。
斜め方向を刺す
■巾着袋の制作
刺し子が終わったら、下書き線を消します。私は水で消えるペンを使ったので、しっかり濡らして線を落としました。
刺し子が完了。右側は線を消したところ
アイロンで布を整えたら、表面の刺し子がずれないように位置を合わせて型紙を置きます。そして、縫い代1cm分をとって印を付け、布をカットします。
表面に縫い代線を書きカット
その後、表にして、上から1cmのところに消せるペンで印付けをし、その線を案内に型紙を置いて、全部の印付けを終えます。
布の1cm内側に印付け
続いて、内袋となる裏布を用意します。同じように縫い代1cmを付けて、布をカット。4枚の布が用意できました。表布と裏布を1枚ずつ、中表に合わせて口部分を縫っていきます。
表布と裏布を口部分で縫う
縫い代は表布側に倒します。私はコロコロオープナーで倒してからアイロンをかけました。
このコロコロオープナーは、買うときに「必要かな?」と迷ったのですが、あると本当に便利で、買って正解でした。アイロン前の準備をするにも、指先でこすると布が伸びがちですが、これはローラーなので伸びにくいのです。そして、なんならアイロン代わりにも。縫い代を割ったりするだけのためにアイロン出して熱くして…って、負担だったりすること、ありますもんね😅
クロバー(Clover) パッチワーク道具 コロコロオープナー 57-655
さて、2枚の布を、中表に合わせて縫っていきます。
表布となるリネンの方には、紐通し部分(今回は1.5cm)に、裏布となるコットンには、返し口部分(今回は5cm)に印を付け、この部分を除いて一周、縫っていきます。
縫わない部分は3か所ある
縫い終わったら、線を消し、カーブした部分の縫い代に数か所、縫い線の2ミリほど近くまで切り込みを入れます。表布は刺し子の糸を切らないように、1枚ずつ気をつけてハサミを入れます。
印の線を消して、カーブ部分に切り込みを入れる
縫い代を割って、返し口から表に返します。
丁寧に表に返す
一度アイロンで綺麗に整え、返し口をコの字とじします。
アイロンをかけてコの字とじ
表のリネンに、紐通し部分のラインを2本、水や熱で消せるペンで書いておきます。この後、裏布を表布の中におさめ、上部に少し裏布が見えるように仕付けを。
2本のラインを書いて裏布をおさめ、仕付けを
表から、リネンの際に端ミシン(コバステッチ)、2本のラインにもステッチをかけ(手縫いでも大丈夫です)、ラインを消したら本体の完成です。
小さな筒状のものにミシンをかけるのは無理かな?と思いましたが、裏返して内側(つまり表面)を中から縫うようにしたら、なんとかできました。ミシン、上手になりたいです・・・
ミシンでステッチ(写真のものは色違いです)
紐を通せば出来上がり。今回は幅12cmの袋に対して、45cm長さの紐を2本使いました。ちょうちょ結びにしたかったので、ちょっと長め。長さはお好みで良いと思います。
花格子アレンジの丸巾着、完成です♪
■3種の春色巾着に
ラベンダー色の丸巾着を作った後、ライトブルーと白のリネンでも作りましたよ。
ライトブルーには、ホワイトの花糸(色番号10)で「花つなぎ」(デザイン:いちきゆきこさん)を、ホワイトリネンには、グリーン2種の花糸(色番号823・824)で「四つ葉とクロス」(デザイン:りり* 𝙻𝚒𝚕𝚒 さん)を。
内袋となる裏布には、ブルーのストライプ、グリーンのチェックのコットンを、それぞれ合わせました。この柄が、口からちょっとのぞくのがチャームポイントだと思っています(*^^*)
3色のリネンにそれぞれ似合う裏布をつけて
リネンに刺し子をして小物づくりをするのは、やはりとても楽しいです。
刺し子をしているときのクシュっとした風合いも好きだし、アイロンをかけてピシッとしたときもカッコいいなあと惚れ惚れするのですよね。爽やかな手触り、やわらかい光沢も素敵♡
残りのリネンで、また何かを作ろうと思います。ただ、やることがたまってしまっていて、春の間には無理かも?😅
それなのにそれなのに、作りたい気持ちは募るばかりで、実はまた新たに布を注文してしまいました。糸や布のただのコレクターになってしまわないよう、気をつけなくては!笑
3つの刺し子の丸巾着
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刺し子の世界を覗いてみて、その楽しさや奥深さにすっかり魅了された私ですが、その中でも面白いなあと、特に感じているのが、一目刺しです。
縦、横、斜め。決まった法則に沿って刺していくと、次々と表情が変わってくるのが本当に楽しく心躍ります。苦手な方眼線引きも、目的のためなら頑張れるようになりました。笑
さて。
去年の夏の終わり頃、コースターを試作したときのことです。
六文銭刺し(銭形刺し)アレンジを刺していました。並べるように四角を刺してから、斜め線を足して六文銭の形にしていくのですが、途中、残った四角がビルの窓のように見えてきました。その印象から、ふと、ある景色が浮かんだのです。
その後ずっと心に残っているその風景を、今回、形にしてみようと思いました。絵を描くように刺し子してみるのも、とても楽しそうですし(*^^*)
月あかりのまち
■図案描きと布の準備
まずは、ノートのデッサンをもとに図案描きです。ネットで4ミリ方眼をダウンロードし、2枚印刷して1枚は図案描きに、もう1枚は厚紙に貼ってカットし、型紙を作りました。
✻ダウンロードはこちらからさせていただきました↓
図案描きと型紙
普段は、5ミリ方眼の工作紙をそのままカットして型紙にすることが多いのですが、今回、細い手縫い糸を使って刺し子をするため少し密な方が望ましく、4ミリ方眼線が欲しかったのです。
今回の刺し子は、白いリネンをキャンバスにします。
リネンは水通ししてアイロンをかけ、糸を1本抜いてその抜き跡を目印にハサミでカット。縦も横も、必要なサイズに合わせて糸抜きして裁断。もう一度アイロンをかけます。
糸を抜くときは、目打ちなどで数センチ引き出した後、布に寄った皺を少しづつ向こう岸までずらしていく、という感じでゆっくり行うと、上手くいくようです。
ちょっと面倒ですが、こうすることで、布をまっすぐ整えることができます。
糸を抜いてハサミで裁断
4ミリ方眼の型紙を布に置き、ずれないようにマステでとめて、縦方向に印付け。マステの位置を変えて、横方向に印付け。この印をつなげて、方眼線を布に引きます。
ずれないようにして点を打つ
やっぱり、ここが一番緊張するし疲れます。笑
でも、ここさえ終われば、後は楽しい刺し子タイムが待っているのです♬
点をつなげて方眼線を引く
今回の図案には、木と、満月、玉ボケのサークルも入りますので、こちらも布に描き加えました。玉ボケのように小さな円をたくさん描くときには、テンプレート定規を使うと便利。100円ショップで手に入りますね♪
下描きができました
下描きには、熱を加えると消えるフリクションペンを使いました。飾ることを想定しているからですが、もしも食卓に置くものでしたら、水で消える手芸用のペンの方が良いかもしれません。
■刺し子でお絵描き
図案を見ながら、糸を刺していきます。ブルーの四角が窓になり、その外の六文銭刺しアレンジが、夜空に見えたらいいのですが・・・
横線と縦線で四角模様を刺す
六文銭刺しの×に+を加えてアレンジ模様に
次は、月です。こちらは、十字花刺しアレンジにしました。
輝くような模様がピッタリな気がして:*.゚・
月は十字花刺しアレンジで
木や玉ボケも刺していきます。ストレートステッチやフライステッチ、バックステッチ、ランニングステッチを使いました。
残りの図案も刺す
今回の糸は全て、ダルマ家庭糸の細口。色がとても可愛くて、是非使ってみたかった糸たちです。糸色に名前が付いていました。
29 青藤 (夜空と窓)
16 ひよこ (満月)
36 白ねず (木)
23 はっか (玉ボケ)
か、かわいすぎる・・・
ひよことか、はっかとか♡
「月あかりのまち」完成です
■きっとあの歌を聴いたから
ずっとずっと昔、ある流行歌を聴いて、胸に残ったフレーズがありました。
ねえ私 はじめて気付いた
それぞれの窓に 愛があるのね
きっと私と あなたのように
心を支えあってる
それを初めて耳にしたとき、なぜか心が震え、涙がこみあげてきたのを覚えています。
「ビューティフル・ミー」。
大橋純子さんが歌っていました。1979年。私はまだ少女でした。
昨日まで、冷たく感じられて嫌いだった街。でも、愛する人と結ばれ突然あたたかく輝いて見えるようになった、今では知らない人さえとても愛おしい、と。ずっと自分を美しいと思えなかった人が、愛を見つけて変わり、生まれてきて良かった、人生が今はじまるのね・・・と。そういったストーリーを歌い上げている楽曲でした。
そんな大人の愛など知る由もない少女の私が、あんなに胸を打たれたのは、大橋さんの歌唱の素晴らしさに圧倒されたことが大きいでしょう。でも、そのとき心に浮かんだ景色は、しっかり胸に刻まれたようです。それは、夜の団地やマンション街を歩くとき、何度もあの歌を重ねて見上げてしまうほどでした。
そして、去年の秋。夫と散歩した帰り道、夕刻の灯りのともり始めたマンションを見上げながら、この歌のことを思い出して彼に聞いてみました。こういう歌、知ってる?と。
その翌日、大橋純子さんの訃報を聞いたのでした。
特にファンだったというわけではありません。でも、「ミュージックフェア」などTVの歌番組で彼女の歌声が聞こえれば、必ず釘付けになっていました。あの歌声が好きでした。
思い出して、懐かしくて、とても寂しく悲しいのに、感謝もしていて。
あの晩、複雑な気持ちでご冥福をお祈りしました。
コースターの刺し子で「窓」をイメージしたことがきっかけで、作ろうと思った今回の作品。でも実は、もっともっとさかのぼって、あの歌を聴いたことで生まれたようにも思えるのです。
昭和の、歌謡曲が元気だった頃。郷愁と愛への憧れ。人の優しさ。
「月あかりのまち」を制作中、さまざまな思いが胸をよぎりました。
それぞれの窓に愛が・・・
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スミレ色の持ち手が可愛いな♡
目に飛び込んできた写真は、「COSMO×AYUFISH int.刺し子キット ワンハンドルのミニバック -Argyle-」というお品物でした。
AYUFISH int.さんの提案する『刺し子によるテキスタイルデザイン』に興味があったので、何かひとつ作ってみたいと思い、探していて見つけたものです。
既に、アーガイル柄の図案がプリント済み!
しかも、ミニバッグに仕立て済み!!
刺し子糸も針もセットになっていて、作り方説明書を見ながらすぐに刺し子に取り掛かれるし、刺し子が終われば作品ができてしまうという、とても嬉しいお品物でございます。笑
実は、仕立て済みのバッグに刺し子をするって、大変なのでは?とかねてから疑問を持っており、そのことを確かめてみたい気持ちもありました。
今回は、とても簡単ながら興味深い、刺し子キットで作るアーガイル柄ミニバッグの制作記録です。
アーガイル
■手軽に始められるキット
自分でデザインして作品を仕上げていく喜び。嬉しいものですよね。でもときには、キットで気軽に作り始めてみたくなる…こともあるのです。
見つけたその作品が、糸色を含めてとても好みだったり、下準備を飛ばしてとにかくすぐに刺し始めたい気分だったり、どんな風に作っていくのか経験してみたかったり。そんなときは、キットを販売してくれていて本当にありがとう!と言いたくなります♡
注文した後、届くのがとても楽しみでした。包みを開くワクワク感。実物の糸や布に触れられる喜び。早く始めたいとはやる気持ちを抑えて、内容を確認します。
届いたキットをまず愛でる
やっぱり、スミレ色の持ち手がとてもキュートです✨
アーガイル柄を刺し子の図案にしてしまう発想も、すごく楽しいし参考になりますね。
今回のキットは、ルシアン/コスモの“hidamari”シリーズ。こちらの刺し子糸とは「初めまして」でした。入っていた3色の糸は、とにかく名前が可愛くて、笑みがこぼれました。
黄は早摘みレモン。緑はねこじゃらし。紫はラベンダーの花束。
それぞれ1m×3本、入っていました。
■さくさく、スピーディー!
さて、早速刺し始めます。
説明書に従って、まずは黄色から。このキットでは、刺し始めは玉結び、刺し終わりは玉どめをすると書かれていたので、従いました。バッグだからこれで良いのでしょうが、玉結び、玉どめの糸処理は、実にラクですね~笑
玉結びで始め、刺していく
仕立てが済んでいる小さなバッグなので、やりにくさを心配していたのですが、シンプルな図案ゆえでしょう、そんなに苦労はしませんでした。玉どめするときは、バッグを裏返してしまえば大丈夫。下の方を刺すときも、底の折り目を伸ばして持てば問題なし、でした♬
裏返して玉どめ。下の方は底を平たくして
黄色部分の出来上がり
同じ要領で、緑も刺していきます。
早い早い、さくさく。嬉しくなるくらいスピーディーです!笑
緑色部分もできました
最後に紫色。刺し順が丁寧に示されていて、安心感があります。そして、このラベンダー色、とても綺麗です♡
ラベンダー色で斜めに刺していく
短時間で完成。右側は裏
6本どりの太糸なので、大きな針目、シンプルなデザインでもしっかり糸色を楽しめますね。
糸は3本づつ入っていましたが、それぞれ2本で済みました。
図案線を消すのが、実は一番手間取ったかもしれません。霧吹きで水をかけて綿棒で押さえたのですが、ちょっと消えにくかったです。少し湿らせて一晩置いたら、消えていました。
その後、やっぱりアイロンはかけたくなりますね。刺し子部分にはあて布をして、優しく布のしわを伸ばしました。
アーガイル柄のミニバッグ、できました(*^^*)
完成です
内袋がないのが、実はちょっと気になるところではあります。白い布で作って裏にまつり付けてもいいですね。何を入れるかにもよりますが。
ワンハンドルのこういうバッグは、多分これまで持ったことがありません。腕にかけやすい感じですね。近所のお散歩に連れて行こうかな。
ドライフラワーを入れてドアノブにかけても良さそう。どんな風に使おうか、楽しみです。
いろいろな場所に掛けてみる
■自作デザインの参考にしたくなる
このアーガイル柄もすっきりしていて好きなデザインです。配色も爽やかで綺麗ですよね。
そしてやっぱり、持ち手が可愛い♡この作品の一番のチャームポイントだと、私には思えるのです。最初にそこに惚れ込んだわけですから、当たり前と言えば当たり前ですけど。
このスミレ色の可愛らしさはきっと、この幅と長さだから引き立つのでしょうね。自分で作るときに、こういう設計を思い付けたかな?と考えると、ちょっと疑問です。
じっくり作品を味わうことができ、参考になる気づきももらえて、やっぱりキットって素敵だな、と思いました。きっとまた、何か買っちゃうことでしょう(*^^*)
✻今回はこちらのストアから購入しました↓
✻アマゾンでも買えるのですね!↓
ルシアン (LECIEN) 刺しゅうキット 『刺し子キット AYUFISH ミニバック アーガイル柄』 cosmo (コスモ) 縦22.5×横22.5cm 562205
刺し子で描くアーガイル柄も可愛い
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