青春18きっぷ2024夏 (original) (raw)

今年も青春18きっぷで遠出のシーズンがやって参りました。年3回発売されているけど毎年夏しか買ってないのでね、"今年も"になるわけです。近年はタイトルに「1回戦」だとか入れてたけど、今シーズンは泊まりがけの移動が今回だけになる予定なのでそういうのは特になし。この間の福岡で既に1日分使ったし。
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今回行ってきたのは山陽・山陰の未乗区間。ここ数年は九州だ東北だに行ってたのにJR西日本エリアががら空きだったので、ようやく乗りましたよ。今回はたっぷり3日間、大半が各駅停車の旅となった。

1日目

  1. JR神戸線山陽線(大阪 → 岡山)
  2. 伯備線(岡山 → 新見)
  3. 芸備線(新見 → 広島)
  4. 山陽線(広島 → 小野田)

特急やくも

岡山からは今年走り始めた新型特急273系「やくも」に乗った。青春18きっぷの記事なのにいきなり特急ワープかよ!?と思われるかもしれないけど、今回特急に乗ってるのはこの区間だけで、しかもやくもに乗らなくても旅程は成り立つ構成だったのでご容赦を。単純に乗ってみたかっただけです。

岡山駅はけっこう暗い

乗ってみると、例の車上子型振り子はかなり優しい動きで、カーブにさしかかるとゆっくりふわっと車体を傾けていた。旧やくもの381系に乗っていないので比較ができないんだけど、他の制御付き振り子車両*1と比べても傾きが柔軟で、「カーブは速度そのまま抜けるぞ!傾けるぞオラッ!」みたいな豪快さは感じられなかったので相当気を遣って作ったんじゃないかと思った。

傾くのが優しい一方で、路面からの突き上げは強く感じた。線路がロングレールではないとか色々理由はありそう。ただ3日目に同じ区間を227系で通った際にはそこまで固い振動を感じなかったので、車両に多少の理由があるっぽい。何かを省略したのか振り子の代償か、グリーン車と差別化しようとしてやり過ぎたのか、なんだろうね。

芸備線

何かと廃線の話題が取り沙汰される芸備線の東側。平日なのに続々集まる鉄道おたくがキハ120形に乗って、山の中を駆け抜ける。

お馴染みキハ120

最初の終着「備後落合」駅がなかなかすごかった。びっくりするくらい何にも無いとこ。ただの川沿い。

ところが芸備線の系統分割に加えて、島根へ抜ける木次線との計3系統の列車がほぼ同じ時刻に集まって、近い時刻に続々と駅を去って行くようになっているので、その数十分間だけは鉄道おたくでごった返すようになっていた。みんなスマホかカメラであちこち撮影するし、駅員は複数配置、構内ではグッズ販売と盛りだくさん。時期的に大半が青春18きっぷの利用だろうしグッズくらいしかお金を落とす方法がない気もするけど、あの光景を見ると多少流行っているように錯覚してしまう。どの列車も単行か長くて2両だから規模は小さいのよね。

平日昼でも人はそれなりにいる

三次駅でも乗り換え。結局芸備線では列車を3本乗り継いで、車両は3本ともキハ120形だった。三次〜広島間くらいはもうちょっと大きいのに乗せて欲しかった。

今度は2両つなぎ

2日目

瀬戸内海から日本海

  1. 小野田線(小野田 → 雀田 → 長門本山、同区間折り返し)
  2. 山陽線(小野田 → 新山口
  3. 山口線新山口 → 益田)
  4. 山陰本線(益田 → 長門市、折り返し長門市 → 益田 → 江津)
  5. 山陰本線仙崎支線長門市 → 仙崎、同区間折り返し)

小野田線の支線

乗りつぶしの難所のひとつが小野田線の雀田〜長門本山間。朝2本、夕方1本しか走っていないので、まとめて乗り潰そうにもここの時間を検討してから組み立てないと難しい。電車は鉄道おたく4人ほどを乗せてたったの2駅、長門本山駅へ。

こういう角度から駅が見えるのは終点ならでは

長門本山駅は1面1線の単純な駅。線路が途切れた先には道路が左右に通っているので、車が当たり前に目の前を往来している。なので停車する直前にバスが駅など目もくれず走り抜けていったときは少し笑ってしまった。きっとバス停も無いんだろう。そんな扱いの路線だ。

沿線は家がほどほどに建ち並んでいるエリアで、折り返しの列車には地元の方が数名乗車されていた。てっきり近くに工場でもあって通勤で(勤め先に着くのに)使う路線かと勘違いしていたので、大丈夫かと往路では思ったけどそんなことはなかった。山口県の海沿いに対する思い込みが激しかった。申し訳ない。

仙崎支線

階段からいい感じに見えたので

このたった1駅、片道わずか4〜5分の路線のために山陰本線を片道2時間近くかけて移動し、そして2時間近くかけて戻るのだ。遠い。写真は長門市駅の階段の隙間から。ここから1駅乗車する。

駅です

仙崎駅に降り立ったら初心者マークをつけた軽トラックが目の前に止まって、男の人が軽トラをスマホで撮影していた。免許取りたてなのか、家の車であちこち移動しているところなのかもしれないね。免許が無いと本数の少ないバス鉄道にかなり行動範囲を制限されるので、運転できるようになるのはでかいよね。知らんけど。

3日目

帰ります

  1. 山陰本線(江津 → 宍道
  2. 木次線宍道 → 備後落合)
  3. 芸備線(備後落合 → 新見)
  4. 伯備線(新見 → 岡山)
  5. 山陽線JR神戸線(岡山 → 大阪)

木次線

三江線が廃止されて以降、「次はお前だ」という目を各方面から向けられている木次線。どちらも島根県の海沿いと広島県を結ぶ路線で位置づけは似ているが、どうなるんでしょう。三江線は廃止が決定する前に乗っていたので、木次線にも乗ってみた。三江線に乗ったのももう8年も前なのね↓
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木次線ラッピングのキハ120。車内も木次線仕様

こちらも鉄道おたくが多数乗っていて、一方で地元の人はほどほど。海沿いから内陸に向かっていく路線なので最初は比較的緩めの坂を抜けて街を繋いでいるけれど、途中からかなりの山に入っていく。

山の中を駆け抜けていくのをずっと眺めていると、誰がどうやってルートを選定して、どうやって工事して線路を引いていったのか不思議に思うね。自動車よりも勾配の条件も厳しい中、簡単にはたどり着けないようなところにどんどん線路を引いて鉄道路線はできている。その結果人里とは多少離れたところに線路ができるし、今乗るとやっと険しい山を抜けたと思ったら目の前にドラッグストアやホームセンターが建ち並んでいたりして、なかなか難しい。こんな路線なので時速が25km/h縛りの区間もあるし、沿線に住んでて普段使いするのはやや難しい面もあるんじゃないかなと思った。

木次線の場合は鉄道おたく比率も高いからか、やや観光路線色が強かった。途中スイッチバックのある出雲坂根駅では水の提供や物販があったり、スイッチバックも運転士による観光向けの説明や、下の線路が見下ろせる箇所でのスローダウンがあって。九州だったらもっとガッツリした観光列車が走っていても不思議ではないように思える。

土曜日の備後落合駅は輪をかけて盛況だった。備後"落合"ってもしかしてそういう・・・??

今どきは人が多いと加工が面倒

大雨でした。

どしゃぶり

というわけで

山陽、山陰方面の旅でした。盲腸線や山の閑散路線が中心と言うことで速度も出ない区間が多く、快調に走る区間が最近多かったのと比べるとかなり疲れた。途中までは平日なのもあって利用者の少なさを感じる区間もあったし、駅からちょっと動くと車がたくさん動いていたりで、他の地域の路線と比べるとあんまり鉄道の活躍機会がないのかな、なんて思うけど、逆に考えるとそういう地域の路線というのは全国的には既に淘汰された後で、今回乗った路線がたまたま生き残っているだけなのかもしれない。

今回はワープが1区間、しかもワープ無しでも成り立つ経路と言うことで、久々に青春18きっぷをしっかり使って回ったルートになった。これくらいしっかり使って移動するのはこの先きっと無いんじゃないかな。1日目は朝の6時半に家を出て、帰ってきたのが23時半近く。帰りの新快速がとにかく速かった。

さて、JR西日本の未乗区間はこれで七尾線美祢線可部線の一部のみに。美祢線は豪雨被害で止まったまま復活しない可能性もあるし、可部線はなんとかなる気がするのでしばらくはそのままかな。七尾線は後々にとっておきたい。そうなると次のエリアは...どうしよう。困ったな。

山口線。3日間の大半が良い天気で良かった

*1:JR四国の2000系や前のスーパーあずさなど。381系は遠心力で傾くだけの「自然振り子」