松山駅名物「しおかぜ」「宇和海」縦列駐車【松山・広島割引きっぷの旅⑭】 (original) (raw)
松山駅では乗り継ぎの便を図るため、「しおかぜ」号と「宇和海」号の縦列駐車が行われていますが、それも高架化までかもしれません。
(8600系のかっこいいロゴ)
・松山駅で特急「しおかぜ」号に乗り換え
松山駅からは岡山駅―松山駅間の特急「しおかぜ」号に乗り換えです。「宇和海」号と「しおかぜ」号は基本的には接続したダイヤ編成になっています。また、両列車を乗り継ぐ乗客も多くいます。「宇和海」号から「しおかぜ」号に乗り換える乗客の多くは、岡山駅で新幹線に乗り換えて、遠くまで行く人たちです。この方たちは、たいてい大きな荷物を抱えています。
大きな荷物を抱えて跨線橋を上り下りするのは大変です。また、歩く速さが遅くなるので、混雑時にはホームに人が滞留してしまいます。このような事情を反映して、松山駅では「宇和海」号と「しおかぜ」号を1番のりばに縦列駐車しています。
通常は、駅で1つの線路に2つの列車を同時に入線させることはできません。列車が衝突してしまう危険があるからです。保安装置上でも、このようなことが起こらないように厳格に管理されています。松山駅でも、この原則は同じです。「宇和海号」と「しおかぜ」号を縦列駐車する際は、この保安装置のセキュリティを乗り越える必要があります。
(松山駅の新駅舎ができつつありました)
松山駅では、後から入選する方の列車が、駅の手前で一旦停止し、保安装置を解除してから1番のりばに侵入します。今回は、私の乗る「宇和海」号の方が、後から入選する便でしたので、松山駅の手前で一旦停止してから駅に到着しました。車掌さんもその旨を案内していました。1番ホームの片側にしか線路がないためにこのような対応になっているわけですが、松山駅は2024年の秋から高架化され、新駅舎が開業する予定です。新駅舎開業後はどのような対応になるか不明ですが、おそらく特急列車の縦列駐車はもう見られなくなるのではないでしょうか。
「宇和海」号と「しおかぜ」号を乗り継ぐ乗客はそれなりにいるようで、松山駅では多くの方が1番のりばを往来していました。かつては、岡山駅からの「しおかぜ」号が、2000系気動車で運転され、宇和島駅まで乗り入れていました。当時は岡山駅に「しおかぜ」号、「南風」号という、JR四国の看板特急列車が気動車で乗り入れていたわけです。
しかし、予讃線が伊予市駅まで電化された後のある時から、松山駅で特急列車の系統が分離され、岡山駅―松山駅間は電車特急「しおかぜ」号、松山駅―宇和島駅間が気動車特急「宇和海」号ということになりました。振り子式気動車は車両の整備に手間がかかり、走行区間を節約したいということなのでしょう。また、電化区間では気動車を走らせるよりも電車を使った方が、当然効率的です。JR四国の合理的な経営判断なのでしょう。JR四国は厳しい経営環境ながら、2024年まで全ての路線を維持しています。今後の存続が危ぶまれる路線もありますが、何とか頑張ってほしいものです。
(8600系「しおかぜ」号の座席)