NATURE DIARY (original) (raw)
20140329 早春の散歩道:ミヤマセセリの小径にて
2014年 03月 30日
▊DIARY #574 :
春分が過ぎると僕のフィールドも急に活気づいて楽しくなる。
ただ、虫林はこの時期に野外を散歩すると 花粉症 (Hay Fever) の症状が----。
くしゃみにも負けず、目の痒さにも負けず、
鼻水にも鼻づまりにも負けぬ、丈夫なからだをもち、
春一番のミヤマセセリの姿に心躍らせ、小枝の先のコツバメの姿に目を細める、
決して怒らず、いつも静かに笑っている、そういうものに私はなりたい
(宮沢賢治の雨ニモマケズを改変)
そうだ、とにかくミヤマセセリを見に行こう。
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土曜日は天気が良い。
虫林が「ミヤマセセリ小径」と名付けている近くのコナラ林を散歩した。
そこは市民の散歩道「武田の杜」の南斜面で、この時期はとても日当たり良い。
春になると里山の越冬蝶をはじめミヤマセセリたちを多く見ることができる。
のんびりできる春の散歩道。
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日光浴のヒオドシチョウ
大きなタテハチョウが足元から飛び立ち、少し先に静止----ヒオドシに違いない。
越冬後のこの時期にはしばしば出会うチョウだ。
このチョウは飛び去ってもすぐに戻ってくる。
---- Tortoisehell large tortoiseshell
---- Olympus Pen E-P5 + MZD12-40mm
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日光浴するミヤマセセリ(今年の初見)
11時近くなって気温が上昇すると、ミヤマセセリがどこからともなく飛び出した。
ミヤマセセリは茶色く、毛深く、お世辞にも綺麗とは言いがたい。チョウを知らない人に見せても蛾の仲間といわれるのがオチだ(注:蛾もキレだけどね)。世間では春の象徴はソメイヨシノの開花だが、この
ミヤマセセリを見て春本番を感じるのは虫屋ならではだろうと思う。
小径の小道に沿って歩いていると、何度もミヤマセセリが出現し、占有行動をとるテングチョウとバトルを繰り広げていた。地面、枝先、石の上で日光浴してくれた。
----- Dingy skipper
---- Olympus Pen E-P5 + MZD12-40mm, OM-D E-M1 + MZD60mm Macro, MZD14-150mm
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梅の花のテングチョウたち
ひょうきんものテングチョウがとても多い。
池が見下ろせる場所に満開の梅の木を見つけた。
何頭ものテングチョウたちが訪れ、盛んに吸蜜していた。そういえば、昨年はテングチョウが集まる紅梅を見つけ「紅梅とテングチョウ」を撮影することができた。今年も紅梅の様子を見ようと思い、その場所を訪れてみると、あろうことかその木は伐採されていた。残念だが、里山ではよくあることだ。
----- European Beak
---- Olympus OM-D E-M1, MZD14-150mm, Tough TG-2 + gyorome 8
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越冬明けの哀れなスジボソヤマキチョウ
----- Lesser Brimstone
---- Olympus OM-D E-M1, MZD14-150mm
▊ Notes :
春分も過ぎて今年も撮影シーズンイン。
今年は春先に大雪が降ったりして(甲府市で1m14㎝の積雪)、チョウたちの発生が少し遅れるかもしれないなと思っていたが、どうやらミヤマセセリの発生も春蘭の開花も例年とあまり変わりがないのでほっとする。
----- Spring Orchid
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虫林が住む山梨県でもギフチョウは見ることができるが、ここ数年は越後や越中のギフチョウを見に行っている(蝶友kmkurobeさんにご一緒して)。ギフチョウは天気が良くて風が無い日に飛ぶので、週末だけしか散歩できない虫林には「高嶺の花」ならず「高嶺のチョウ」なのだ。
今年も行けるかな?
Nature Diary vol.9 (14): #574, 2014 Date: Mar-29 (Saturday) Place: Kofu-Yamanashi
Photographic Adventures for Insects and Flowers
by 虫林花山
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