NATURE DIARY (original) (raw)
21090221 タイ王国の散歩道:チョウの吸水集団に自然力を見た(ゲンカチャン国立公園)
2019年 03月 26日
▊ Nature Diary Vol.13 (778): #09, 2019
ゲンカチャン国立公園(Kaeng Krachan National Park)は、数多あるタイの国立(自然)公園のなかで最も広く、生物多様性の宝庫。ナチュラリストを自認する虫林にとっては思望の散歩道だった。ウーム、ここで「虫見トレッキング」できるのであればそれ以上に何を望もうか。しかし、残念ながら現在はトレイルが工事中のため、途中までしか入れないとのこと------ネバーマインド!
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▊ 小川の岸の「蝶たちの水飲み場」にて
綺麗な水がトレイルを横切って流れる小川の岸に「蝶たちの水飲み場」があった。そこは砂地で到着したときはシロチョウ20頭ほどが集まっていた。そこで、ペットボトルに貯めたオ〇ッ〇(自前)を撒いてみたところ、アゲハ、タテハの仲間も加わって100頭をこえる大集団になった-----やはり僕のナニは集蝶効果があるな。ちなみに虫林は糖尿ではない。
同行の友人たちが地面に寝転ぶように(実際、寝転びながら)撮影している姿をみると、「あの~そこは僕のナニを撒いたんですけど-----」と一言注意しようとは思ったが最後まで言い出せなかった。まあ、たとえ注意したところで、「あっそ、何か問題?」と一蹴されてしまうに違いないけどね。そういう人たちなのだ。
<吸水集団の構成種>
タイリクアサギシロチョウ (Common Wanderer)、
フトヘリキシタシロチョウ (Orange Gull)、
ウスキシロチョウ (Lemon Emigrant)、
スジグロマダラシロチョウ (Redspot Sawtooth)
モンキアゲハ(Red Helen)、
ミカドアゲハ(Common Joy)、
ナガサキアゲハ(Great Mormon)、
アリステウスオナガタイマイ (Chain Swordtail)
これはゲンカチャンの自然力の大きさを示しているといえよう
▶チョウの集団吸水
<Kaeng Krachan National Park, Feb-21-2019, Lumix G9 pro + Laica Elmart 50-200mm f2.8-4>
吸水集団におけるチョウたちの人口密度ならぬ「蝶口密度」が高く、まるで「押し競まんじゅう状態」。後から加わるチョウは、他の蝶を押しのけるように押し入るみたいだ。
体力勝負の世界かな。
▶チョウの集団吸水は「蝶口密度が高い」
<Kaeng Krachan National Park, Feb-21-2019, Lumix G9 pro + Laica Elmart 50-200mm f2.8-4>
▶アゲハの仲間
<Kaeng Krachan National Park, Feb-21-2019, Lumix G9 pro + Laica Elmart 50-200mm f2.8-4>
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フタオチョウの仲間
この吸水場ではフタオチョウも撮影できた。初めて見たフタオチョウの姿は、想像を超えて大きく(日本のオオムラサキくらいかな)、白地を基調に線模様が入るデザインは、清潔であでやか。一言でいえばとても気品があった(このくらい褒めても足りない)。
ここのフタオチョウは日本のものと姿かたちがよく似ているが、翅の模様が若干違う。
▶タイリクフタオチョウ Polyura eudamippus nigrobasalis
<Kaeng Krachan National Park, Feb-21-2019, Lumix G9 pro + Laica Elmart 50-200mm f2.8-4>
▶ガンマフタオチョウPolyura gamma
<Kaeng Krachan National Park, Feb-21-2019, Lumix G9 pro + Laica Elmart 50-200mm f2.8-4>
▶チビフタオチョウPolyura athamas attalus
<Kaeng Krachan National Park, Feb-21-2019, Lumix G9 pro + Laica Elmart 50-200mm f2.8-4>
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その他の蝶たち
▶オナガタイマイ Fivebar Swordtail
<Kaeng Krachan National Park, Feb-21-2019, Lumix G9 pro + Laica Elmart 50-200mm f2.8-4>
▶ナガサキアゲハ Great Mormon
<Kaeng Krachan National Park, Feb-21-2019, Lumix G9 pro + Laica Elmart 50-200mm f2.8-4>
▶チャイロタテハ Cruiser
<Kaeng Krachan National Park, Feb-21-2019, Lumix G9 pro + Laica Elmart 50-200mm f2.8-4>
▶イワサキコノハ Autumn Leaf
<Kaeng Krachan National Park, Feb-21-2019, Lumix G9 pro + Laica Elmart 50-200mm f2.8-4>
▶エグリバセセリ Chestnut Angel
<Kaeng Krachan National Park, Feb-21-2019, Lumix G9 pro + Laica Elmart 50-200mm f2.8-4>
▊ 虫眼鏡ノート
チョウの吸水集団をみれば、その場所の自然力を推定できるかもしれないな。虫林の吸水集団評価は、構成するチヨウの①数と②質(種類)で決まる。①と②を5段階評価で見れば、今回の集団は100頭くらいで①の項目は中の上で3.5点ぐらいかな。一方、集団を構成しているチョウは、シロチョウ科が多いものの多彩で、アゲハチヨウ科、タテハチヨウもかなり混ざっていた。とくに、3種類のフタオチョウは僕にとっては圧巻だったな。質の点の評価は文句なく5点ですね。合計で8.5点はかなり上質な吸水集団とみなすことができる。友人の話によると、ゲンカチャンの集団吸水は本来もっと数が多いとのことですので、いつか10点満点の吸水集団を見てみたいと思います。
ゲンカチャン国立公園の入り口
Written by 虫林花山
Photographic Adventures for Insects and Flowers
by 虫林花山
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