NATURE DIARY (original) (raw)
20220529 みちのくの白いウスバシロチョウ
2022年 06月 01日
▊DIARY Vol.16 (807): #18, 2022 ▊
🔍 虫眼鏡ノート
ウスバシロチョウは鱗粉の量や色に地域変異や個体変異が多く「白化型」「赤化型」「黄色型」「黒化型」等が知られているが、中でも、青森県のある地域には、著しく白化したウスバシロチョウが地域特異的に出現する。そこでの白化は種々の程度にみられるが、高度なものは黒紋消失ばかりか翅脈まで白くなる(青森の工藤氏らは「ベタ白」ないしは「Grade 4-5」とよんでいる)。
ちなみに、このような黒紋の消失変異は、ミンミンゼミでも認められ、虫林が住む山梨県の甲府盆地では、「ミカドミンミン」と呼ばれる黒紋の完全消失個体(ベタ緑?)が、他地域よりも圧倒的に多く認められる。
今回、所用で東北を訪れた折に、白化型ウスバシロチョウの発生地である青森県某所の耕作地まで足を伸ばしてみた。耕作地の道の脇にはヒメジオンが咲き乱れ、そこにウスバシロチョウがふわふわと飛んでいた。
▶ウスバシロチョウが多い耕作地
▊ 白いウスバシロチョウ
通常のウスバシロチョウ。
写真のように通常型では、翅表に明瞭な黒い紋を有している。
▶通常型ウスバシロチョウ
青森県 Fujifilm X-T4, XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro
白化個体は飛翔していても認識できるので、飛んでいる蝶の後を追って、静止した時に撮影した。でも、なかなか止まってくれなかった。
▶白化したウスバシロチョウ
青森県 Fujifilm X-T4, XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro
写真の白化個体は、黒紋の消失とともに翅脈まで少し白化しているように見える(ベタ白?)。ウスバシロチョウのベタ白は、まるで北海道のエゾシロチョウと見まごうばかりの異様な雰囲気を放っている。
▶白化したウスバシロチョウ
青森県 Fujifilm X-T4, XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro
▶ヒメジオンで吸蜜する白化したウスバシロチョウ
青森県 Fujifilm X-T4, XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro、 Fujifilm X-pro3, XF16mmF1.4 R WR
ウスバシロチョウはふわふわ飛ぶので、飛翔写真も撮影してみた。
これまで、飛翔写真には被写界深度が深い魚眼レンズを使用してきたが、今回は16ミリ広角レンズを使用してみた。歩止まりは少し落ちるが、意外に使いやすかった。
▶白化したウスバシロチョウの飛翔
青森県 Fujifilm X-pro3, XF16mmF1.4 R WR
▶白化したウスバシロチョウの飛翔
青森県 Fujifilm X-T4, XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro
Written by 虫林花山
Photographic Adventures for Insects and Flowers
by 虫林花山
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