NATURE DIARY (original) (raw)

20070513 スギタニルリシジミの交尾とオキナグサ (山梨県甲州市)

2007年 05月 15日

本日は5月の第二日曜日で、「母の日」

そもそも、5月の第2日曜日を母の日とする慣習は、アメリカの文化であって、それがかように日本に定着したのは、巧みな商業戦略とともに日本人の軽薄さによるものだろう。
-------とか何とか偉そうな事をいいながらも、「母の日」は家内の奴隷になるのである。

昨日は、埼玉から夜遅くに帰宅した。朝起きると、どうやら今日も天気は良さそうだ。
昨日の強行軍の影響で、さすがに体が少しだるく、疲れている。
まあ、本日は母の日だし、散歩は午前中だけで、午後はゆっくりと家内にお付き合いしましょう。

本日のメインテーマは、昆虫ではなく、翁草:オキナグサである。
2年ほど前に、昆虫観察をしている時に、ある山の斜面で、このオキナグサの群落を偶然に見つけた。発見時はすでに花も終わり、綿毛の状態だったので、是非とも花の時期に、その場所をもう一度訪れてみたいと思ってきた。花の時期としては、今週あたりが良いはずだ。

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オキナグサのポイントに行く途中、伐採している場所を見つけた。カミキリムシでもいるかもしれないと、車から降りて探してみた。すると、交尾したスギタニルリシジミが飛び出し、目の前の枯れ葉に静止したのである。広角で撮影してみた。

20070513 スギタニルリシジミの交尾とオキナグサ (山梨県甲州市)_d0090322_0103443.jpg

。。。。。。。。。。◆スギタニルリシジミの交尾Celastrina sugitanii
。。。。。。。。。。。 Copulation of Celastrina sugitanii
。。。。。。。。。。。.Ricoh GR-D, ASA 100
。。。。。。。。。。。.(2007-May-13, Yamanashi)

さらに、虫の目レンズで撮影してみた。上下だけ少しトリミングしている。

20070513 スギタニルリシジミの交尾とオキナグサ (山梨県甲州市)_d0090322_0111551.jpg

。。◆スギタニルリシジミの交尾 Celastrina sugitanii
。。。 Insect-eye image of copulation of Celastrina sugitanii

。。。.Ricoh Caplio GX-8, gyorome-8, ASA 100
。。。.(2007-May-13, Yamanashi)

スギタニルリシジミを撮影した後、周りの葉を見ていたら、ハムシを見つけた。
初めはルリハムシと思っていたが、自宅で図鑑で調べたら、どうやらキオビアオハムシにより似ている。一応、キオビアオハムシとしておく。

20070513 スギタニルリシジミの交尾とオキナグサ (山梨県甲州市)_d0090322_0114314.jpg

。。◆キオビアオハムシ Agelasa nigriceps
。。。 Insect-eye image of Agelasa nigriceps resting on the leaf

。。。.Ricoh Caplio GX-8, gyorome-8, ASA 100
。。。.(2007-May-13, Yamanashi)

さらに交尾しているケブカクチブトゾウムシにも会うことができた。

20070513 スギタニルリシジミの交尾とオキナグサ (山梨県甲州市)_d0090322_0115628.jpg

。。◆ケブカクチブトゾウムシ Myllocerus fumosus
。。。 Copulation of Myllocerus fumosus

。。。.Ricoh GR-D, ASA 100
。。。.(2007-May-13, Yamanashi)

リンゴコフキゾウムシが葉上で静止していた。
形、色彩が良く似た種類が多いので、同定に苦慮する。

20070513 スギタニルリシジミの交尾とオキナグサ (山梨県甲州市)_d0090322_012848.jpg

。。◆リンゴコフキゾウムシ Phyllobius armatus
。。。 Phyllobius armatus resting on the leaf

。。。.Pentax K100D, Tamron 70-300, ASA 200
。。。.(2007-May-13, Yamanashi)

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オキナグサはキンポウゲ科の多年草で、「まぼろしの野草」といわれている。
山梨県でもその自生地は少なく、レッドデータブックでは、絶滅危惧II類に分類されている。

2年前に見つけた群落に到着すると、以前に綿毛だけ見たものが、正しくオキナグサであることがわかり、とても嬉しかった。しかし、花の周りに足跡があり、この群落を知るのは虫林だけではなさそうだ。

環境も写しこんだ広角写真を出したいところだが、密猟者に情報を与える恐れがあるので控えることにする。残念ではあるが、仕方がない。

20070513 スギタニルリシジミの交尾とオキナグサ (山梨県甲州市)_d0090322_0134985.jpg

。。◆オキナグサPulsatilla cernus
。。。 Colony of Pulsatilla cernus

。。。.Pentax K100D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-May-13, Yamanashi)

オキナグサはうつむいたように下を向いた釣り鐘型の花を咲かせる。翁というよりは「乙女」のイメージだ。花が古くなると、向きが徐々に上を向くようになる。これをオバタリアンというそうだ(その命名は小生ではないですよ、念のため)。

20070513 スギタニルリシジミの交尾とオキナグサ (山梨県甲州市)_d0090322_014230.jpg

。。◆オキナグサPulsatilla cernus
。。。 Colony of Pulsatilla cernus

。。。.Pentax K100D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-May-13, Yamanashi)

20070513 スギタニルリシジミの交尾とオキナグサ (山梨県甲州市)_d0090322_0141511.jpg

。。。。。。。。。。◆オキナグサPulsatilla cernus
。。。。。。。。。。。 Colony of Pulsatilla cernus

。。。。。。。。。。。.Pentax K100D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。。。。。。。。。.(2007-May-13, Yamanashi)

オキナグサにはかなり長い毛が密生しており、逆光で見たときにその毛が光って綺麗だ。こうしてみると、不思議な魅力を持っているようにみえる。

20070513 スギタニルリシジミの交尾とオキナグサ (山梨県甲州市)_d0090322_0142728.jpg

。。。。。。。。。。◆逆光のオキナグサPulsatilla cernus
。。。。。。。。。。。 Colony of Pulsatilla cernus

。。。。。。。。。。。.Pentax K100D, Pentax DA 10-17mm FISHEYE, X1.4 Telecon,, ASA 200
。。。。。。。。。。。.(2007-May-13, Yamanashi)

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初夏になり、森の中をただ歩くだけで、鳥はさえずり、色々な虫に出会える。
ゆっくりと自然に浸りながら歩いてみたい-----。

Photographic Adventures for Insects and Flowers

by 虫林花山

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