Ubuntu24.04でPcHusenを使い倒す(準備編。Ubuntu24.04の仮想マシン準備とWineのインストール) (original) (raw)

注意: 今回の内容にはPcHusenのソフトの内容はありません

Ubuntu 22.04,24.04でWindowsで動作する付箋ソフト「PcHusen」を使うで紹介したPcHusenですが, 試しているうち,うまく設定すれば相当便利に使えるソフトだということが分かってきました。 ただ,そのまま紹介するには自分が使っている環境はダーティ(ubuntu 19.10からのアップデート) なので新規で環境構築する人の参考にならないかも, また今後新規インストールする可能性がある自分のためにも,クリーンな環境からインストールの準備,使い方, 便利なWineの設定(ただしPcHusenのインストールについては前回参照)をVirtualBoxのイメージで試してみようと思って 調べてみました。

今回はPcHusenのインストール直前までの話です。

ubuntu 24.04のVirtulaBoxイメージの日本語化

まずはVirtualBox上でubuntu 24.04が動く環境が必要です。 面倒なのでインストールVirtualBox仮想マシンのイメージをネットから探してみます。

Linux Imagesのサイトubuntu 24.04のVirtualBoxイメージがあります。ここで一つ注意が必要なのは,24.04.0相当 ということです。そのためダウンロード後はアップデートしてから利用する必要があります。

圧縮イメージを展開して,そのフォルダをVirtualBoxイメージフォルダに移動, 「追加」からそのフォルダの中のUbuntu_24.04_VB_LinuxVMImages.COM.vboxを選択すればVirtualBoxマネージャに追加できます。

特に設定をいじることはないのですが,メモリ容量の設定がデフォルトの4GBでは 動作が不安定な気がします。 かといって8GBでも起動時にフリーズしたりしているので,もう少し多目の方がいいかもしれません。 最終的には10GBで様子見です。

ビデオメモリーも最大の128MBに設定して起動します。

sudo apt update sudo apt upgrade

でパッケージを更新します。かなり長いです。

一度シャットダウン,起動します。「リスタート」だと何故かうまくOSが立ち上がらないことが あるためです。ただ,この時はメモリが4GBだったのでこちらの方が原因だったかもしれません。

次に,GuestAdditionsをアップデートします。VirtualBoxゲストマシンのメニューからGuest Additions CDイメージの挿入を選択し, 開いたCDイメージフォルダの右上のRun Softwareを実行するとGuestAdditionsがインストールされます。

次の日本語化の作業の動作がかなり不安定なので,GuestAdditionsのアップデートは aptでモジュールを全てアップデートしたタイミングが最適と思われます。

次にUbuntu 24.04で日本語入力を可能にする方法-パソコン関連もろもろの記事の手順で日本語ロケールをインストールします。

「Settings」→「System」から「Region&Language」の「Manage Installed Languages」から Japaneseを選択してインストールです。

この時,「Apply System-Wide」を実行するのは禁止です。まだ状態が不安定です。 そしてシャットダウン→起動します。

最度「Settings」→「System」から「Region&Language」で, 「Your Account」の「Language」から日本語の選択,「Your Account」の「Formats」も日本 をログアウト,ログインを繰り返しながら行います。

で,ようやく日本語表示の環境となります。

翻訳が進んでいないところがあるので,日本語・英語混じりになりますが, 個人的には読むだけなら特に英文表示でも問題がないのでこのままで利用します。

後で色々気付いたのですが、仮想マシン使用中に真っ黒とかのまま画面がフリーズしたような感じになることがあります。 この時,VirtualBoxのメニューの「入力→キーボード→ソフトキーボード」からctrl+alt+F1を入力すると,ログイン画面に復帰できることがあるようです。

不安定な環境を騙しだまし使うバッドノウハウですね。

ネットの情報だとWineHQのレポジトリを追加してのインストールを紹介していることが多いですが,ubuntu 24.04だとwine-stableは現状本家と同じバージョン(9.0)なので,開発版を使わない限り WineHQは必要ないと推測しています。

ですので,ubunutuの標準バッケージだけでインストールにチャレンジです。

インストール自体は次のコマンド群の実行でOKです。

sudo dpkg --add-architecture i386 sudo apt update sudo apt upgrade sudo apt install --install-recommends wine-stable sudo apt install winetricks

ubuntuの標準パッケージでインストールすると,自動でmonoとかgechoとかインストールするようなしないような気がするので,あらかじめ調べて手動でインストールしておきます。

wine-monoはWine Wiki Monoの情報から類推して,Wine mono 9.0.0wine-mono-9.0.0-x86.msiをダウンロードします。

wine-gechoはWine Wiki Gechoの情報から,wine-gecko-2.47.4-x86_64.msiをダウンロードします。32bit版のアプリから呼び出されるケースがあるなら32bit版もインストール する必要があるかもしれません。

そしてそれぞれ,

wine wine-mono-9.0.0-x86.msi

とか,

wine-gecko-2.47.4-x86_64.msi

を実行していってインストールします。

wine uninstaller

とかでインストールしたソフトが一覧で表示されるので,その一覧からインストールした パッケージが確認できます。

wineのフォント設定

そして,フリーのフォントのみで日本語フォントの設定を行います。

まず,ターミナルからwincfgを実行してデフォルトの環境を構築させます。 特に何もせず終了でOKです。この処理の後,~/.wineの下にデフォルトの環境が構築されます。

winecfg

次にwinetricksを実行します。

winetricks

winetricksでフォントをインストールします。fakejapansemeiryoを選択して実行します。メイリオフォントは内部的にPower Point Viewerをインストールすることで インストールされているようです。

この状態だとメニューが日本語表示されますが,fakejapaneseの設定でMS Gothicとして設定されているSource Han Sansと元のMS Gothicでは文字間の空きの情報が違うのでレイアウトが崩れます。

例えばwinecfgの画面を見てみると本来はタブは1行なのですが,2行になっています。

そこで,MS Gothicと同じフォントメトリックを持つ,梅フォントをインストールします。ついでに最近はWindowsにもインストールされているBizUDGothicフォントを インストールします。

sudo apt install fonts-horai-umefont sudo apt install fonts-morisawa-bizud-gothic sudo apt install fonts-morisawa-bizud-mincho

そして,レジストリエディタからMS系の日本語フォントとの紐付け設定を変更します。

wine regedit

としてから,

HKEY_CURRENT_USR/Software/Wine/Fonts/Replacements/

を開きます。以下の表の「名前」にはSource Hans Sansが設定されていますが, 次のような変更して,レジストリエディタを終了します。

名前 データ
MS Gothic Ume Gothic
MS Mincho Ume Mincho
MS PGothic Ume P Gothic
MS PMincho Ume P Mincho
MS Pゴシック Ume P Gothic
MS P明調 Ume P Mincho
MS UI Gothic Ume UI Gothic
MS ゴシック Ume Gothic
MS 明調 Ume Mincho

メイリオフォント系の設定もされていますが,こちらは先ほどのwinetricksで実物をインストールしているので, 削除しておくといいでしょう。

再びwinecfgでダイアログを開くとタブが一列になっていることが分かります。 これで準備はOK。

なお、wineのアプリ上では「フォント」アプリでインストールしたフォント(~/.local/share/fontsの中にあるフォント)も認識しているので, そちらのフォントも使えます。

インストールについてはubuntu 24.04で付箋アプリ「Notes(Gnome拡張)」を使えるようにするを参照下さい。

次回は実践編です。