飛鳥山動物病院 徒然日記 (original) (raw)

毎年恒例の、町内会ハロウィンイベントに、

今年もご協力させていただきました😊

今年の飛鳥山 AHハロウィンは、いつもと一味違います…😎

なんと今年は、でっかいでっかい恐竜さんがお出迎え〜🦖✨

(青空を仰ぐ恐竜、なんかシュールでかわいいですよね)

今年はなんと約100名のお子さんが、パレードに参加されました!

毎年どんどん増えてますよね✨大盛況!😄

当日は、病院前が長蛇の列になってしまいました〜

そして、とにかく恐竜さんは、子供たちからも、

大人たちからも大人気✨たくさん記念撮影してました📷

一仕事おえて、恐竜さんはヘトヘトだったようです😂

(恐竜さん、お疲れ様でした🍵)

みなさん、また来年もいらしてくださいね😊 ハッピーハロウィン🎃

先日、安全な麻酔管理のための勉強会を実施していただきました.

講師は、手術専門施設であるクォーク動物病院で、

麻酔科を担当されている宮本拓弥先生です.

安全に麻酔をかける方法のうち、

今回のセミナーでは「麻酔導入」という、

眠りに入るまでの医療行為について、

詳細にご講演・アドバイスいただきました.

宮本先生のご説明は、非常にわかりやすく、

動物看護スタッフとともに、普段実施している安全管理について、

1から再確認させていただくことができました.

今後も宮本先生に定期的にご指導いただき、

当院の麻酔がより安全に実施していけるよう、努めていきたいと思います.

獣医師 川口

先日、横浜で開催された、

動物医療グリーフケア学会にて、発表をさせていただきました.

グリーフというのは、簡単に説明しますと

「心がつらい状態(そうさせる事象)」のことです.

動物病院では、病気の我が子を想う気持ちが強いほど、

心の痛みを感じる場面も少なくありません.

その心の痛みに寄り添うための、

ご家族や動物さんへの心のケアが「グリーフケア」です.

詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください.

↓↓↓↓

ペットのグリーフケアができるのは家族 (PEPPYサイトより)

全国の動物医療グリーフケアを学ぶ方が、一同に集まるこの学会.

今回、私も学会内で発表させていただきました.

「病院内での幸せな看取り方」についてです.

グリーフケアは、まだまだ私も勉強中の分野で

できていない点や、皆様に寄り添えていない面もありますが、

発表という形で、貴重な体験をさせていただきました.

今後もしっかり勉強していきたいと考えています.

獣医師 川口

毎年恒例だった、町内会主催のハロウィーンパレード🎃

コロナ禍でずっと休止されていましたが、今年ついに再開😊

こうしてコロナ前の日常がもどってくるのは、本当にうれしいですね

当院も、微力ながらご協力させていただきました👻

かわいい仮装の子供たちが、たくさん来てくれました😊

ハッピーハロウィン✨かわいいおばけさんたち👻

また来年も、ぜひいらしてくださいね🍀

先日、小学校の課外授業にご協力しました!

こちらの小学校では、国語の授業に、

「どうぶつえんのじゅういさん」という科目があるそうです.

そこで、本物の獣医さんに質問してみよう!という、

学校先生方の発案から、

光栄にも、私に課外授業のご依頼がいただけた次第です.

「おいしゃさんではない、じゅういさんについて」のご紹介や、

「どうぶつびょういんの1日」について、お話させてもらいました.

講演後の質問タイムでは、時間内にお答えできないくらい、

たくさんの挙手いただき、とっても光栄でした!

今回の「じゅういさんのおしごと」ご紹介が、

小学生のみなさんの、獣医学や動物愛護を知るきっかけになったなら、

とてもうれしいです.

本日はお招きいただき、ありがとうございました.

飛鳥山動物病院 獣医師 川口

久しぶりの投稿です…焦

今日は,先日いただいた飼い主様のご質問に,

文献情報をふまえてお答えしたいと思います.

<この記事を3行で解説>

・「犬への年1回歯科処置が,死亡リスクを18%下げる」と提唱する文献があります.

・しかしこの文献には「肛門嚢を頻繁にしぼると死亡リスクが9%下がる」ともとれる結果も記載されています.

・当院の考え:歯科処置で死亡リスクが18%もさがるのか,この文献だけでは明言できないと思います.(歯科処置の有効性を否定する記事ではありません)

歯科処置(スケーリング)ってなんですか?

歯の表面に付着した,固い汚れ(歯石)を除去する処置のことです.

歯石を放置すると,口の痛みを招いたり,

歯肉が痩せ歯がグラグラになったりします.

当院でも定期的な歯石除去をおすすめしています.

「犬に毎年スケーリングすると,死亡リスクが18%もへった!?って本当ですか?」

そのように「考察」している文献があるのは事実です.

以下がその文献のタイトルです.

J Am Anim Hosp Assoc.May/Jun 2019;55(3):130-137.
Risk Factors Associated with Lifespan in Pet Dogs Evaluated in Primary Care Veterinary Hospitals.
Silvan R Urfer, et al.

アブストラクトの日本語翻訳はこちら↓

http://blog.livedoor.jp/asukayamaah/archives/26546343.html

文献原文はこちら↓(本文閲覧は有料です)

PMID:30870610

この文献を紹介する前に,

一般の方にもご理解いただけるよう,

文献の構成について,ざっくりと説明します.

基本的に学術文献は,以下のように構成されています.(例外もあります)

背景:なぜこれを調べるのか

材料と方法:どうやって調べたのか

結果:どんな情報が得られたのか

考察:結果から、どんな推論ができるのか

大切なのは,

結果は,客観的な事実情報だけど,

考察は,文献を書いた人の主観的な推論が多い,ということ.

ここをふまえたうえで,先の文献をご紹介します.

【文献紹介】

Risk Factors Associated with Lifespan in Pet Dogs Evaluated in Primary Care Veterinary Hospitals.
Silvan R Urfer, et al.

2019年J Am Anim Hosp Assoc.にて報告された文献です.

背景:

ホームドクターに来院するわんちゃんは,

どんな子が寿命が長いのだろう?

方法:

2010年1月から2012年12月までの3年間,

アメリカの一次診療施設(ホームドクター)を受診した犬を調べました.

生後3ヶ月齢以上で,少なくとも2回以上受診していることが条件です.

過去のカルテ情報を読み返して調査しました.

調べた内容:

犬種(雑種かどうか),体格,性別,避妊去勢の有無,

その他,影響のありそうな項目を抜粋し,

それら項目のある・なしで,

期間内に死亡するリスクが変わるのか,統計学的に調べました.

死亡リスクの評価は,「ハザード比(HR)」を利用しました.

ハザード比というのは,

Aという条件でのイベント発生率を1とした場合に,

Bという条件では発生率がいくつになるか?を比べた数値です.

例えば,たばこを吸わない(A)場合の肺がん発生率を1として,

喫煙する(B)場合の肺がん発生率が1.3だったならば

「喫煙者の肺がん発生ハザード比は1.3で,

吸わない人よりも30%,発がんリスクがあがる」と評価します.

結果:

対象犬約237万頭中,約18万頭が調査中に亡くなりました.

純血種よりも雑種,大型犬よりも小型犬のほうが長生きでした.

避妊去勢していない犬は,死亡ハザード比が高くなりました.

頻繁に歯石除去をしていた犬と,

頻繁に肛門嚢しぼりをしていた犬は死亡ハザード比が低くなりました.

頻繁に通院していた犬の死亡ハザード比は高くなりました.

各項目の死亡ハザード比(抜粋)

頻繁なスケーリングをしていた:HR 0.817

頻繁な肛門嚢しぼり :HR 0.916

頻繁な通院 :HR 1.095

文献著者の考察

今までも,避妊してあると長く生きる,小型犬は長生きだと言われていて,

私たちが調べた今回も,その傾向がみられました.

加えて,超音波歯石除去は頻繁にすることと,

雑種犬であることも,長生きの要因なのかもしれません(推論).

飛鳥山動物病院のコメント

この文献著者は,考察内で,

「頻繁に歯石除去している犬は,死亡ハザード比 0.817,

死亡リスクが18%下がった!」と推論しています.

しかし,この考察に沿って解釈すると

「頻繁に肛門嚢しぼりをしている犬は,死亡ハザード 0.916,

死亡リスクが9%下がった!」

「頻繁に病院に通っている犬は,死亡ハザード 1.095,

死亡リスクが9%増えた!」

とも考えねばなりません.

肛門嚢を絞ると寿命は伸びて,

頻繁に通院すると寿命は減るのでしょうか?

もちろん,これも明言することはできません.

ただし,このような解釈もできると思います.

頻繁な肛門嚢絞り→ 一緒に頻繁な身体検査→ 病気を早期発見 → 死亡リスク低下

この場合,寿命に影響を与えたのは「頻繁な身体検査」であって

肛門嚢絞りではないかもしれません.

(このように,一見表に出ていないけれど,

因果関係をつないでいる要素のことを交絡因子といいます)

同じように,定期的な歯科処置と,死亡リスクが下がることの間に

何らかの交絡因子があるのでは?とも考えられるのです.

(例:定期的に歯科処置をする犬は,定期的に術前検査をしているので

結果として病気の早期診断・早期治療につながる、など)

当院の考え:

いろいろ書いてしまいましたが,

歯科スケーリング処置は,犬の健康維持に有効な治療法です.

当院でも積極的におすすめしています.

ただし,今回の文献情報をもって

「年1回歯科処置をすると,死亡リスクが18%下がります」と言えるのかというと,

この文献の結果だけでは,明言できないとも考えています.

ですので,どうか一般の方・飼い主様は

「歯科処置をしないと,死亡リスクが高くなってしまう!!」と

この情報に固執されずに,

その子に一番負担がない,なおかつ健康維持に貢献する方法を

かかりつけの先生とよく相談しながら選んでいってください.

注意)

本記事の内容は,十分に注意して翻訳・投稿いたしましたが,

なにぶん勉強不足もあり,間違いや誤訳がある可能性も否定できません.

至らない点,どうかご了承ください.

一般の方は,本記事の内容について慎重にご判断なさり,

ご不安がある際には,かかりつけの先生にご相談をなさってください.

飛鳥山動物病院 獣医師 川口悠爾