有為自然 712 初めての外国体験 トイレで … (original) (raw)
初めての外国体験 トイレで …
生まれて初めての外国旅行は、ヨーロッパ団体旅行。
およそ40年前 ?
飛行機が給油のために立ち寄ったのは、○○○○ストクだったと思います。
給油している間に、飛行場のトイレへ。
ギョッ !!
ダンセー用ベンキが高い。
高額という意味ではありません。
身長173センチあった私は、何とか。
隣を見ると、背の低いおじさんが四苦八苦 … 。
これが、初めての「外国体験」でした。
最初から、臭い話ですみません。
フランスに着き、飛行場からパリ市街へ。
古い街並みにビックリ。
カメラのシャッターを押しまくります。
どこまでも続く、旧い街並み。
高さ制限と、外観の規制。
ニホンには、こんな規模で古い建築群が残っているところはありません。
フィルムがなくなるので、やめました。
スマホもデジカメもない時代の話です。
放射線カット用の、鉛入り袋にフィルムを入れて行きました。
ホテルに到着。
わけのわからないものが … 。
これは、いったい何だろう ?
バスの中での自己紹介の時、面白おかしくそのことを話しました。
すると、年配のダンセーからそっと耳打ちされました。
「あれは、ジョセー用のBD … だよ」と。
顔面蒼白。
無知をみんなの前でさらけだしたばかりか、
とうとうとしゃべってしまったのです。
バスの中が大笑いになったのは、話術のせいではなかった !!
年月が過ぎ、ジジイになったので、
こんな恥ずかしいことも書けるようになりました。
真面目な話になります。
旅行社の手違いから、日本語ができる通訳者が手配されていませんでした。
偶然、団体旅行のメンバーの中に英語ができる学者さんがいました。
ポーランド人の案内人が、英語で話す。
その英語を学者さんが、何とか日本語に訳して説明。
もし彼がいなかったら、どんな研修旅行になっていたのだろう。
アウシュヴィッツの見学は、深く記憶に刻まれました。
映画『シンドラーのリスト』を観るたびに思いだされます。
アルプス山中のトンネルを通過して、イタリアへ。
真夜中に国境を越えます。
検問所で、目を覚ましました。
すごく寒々とした景色。
暗がりの中に、冷たく切り立った山肌が見えました。
イタリアで印象に残っているのは、
ボローニャ市庁舎の壁いっぱいの写真です。
ナチスに抵抗して亡くなった人たちの写真。
ボローニャの人々は、自分たちの身近な人たち、先祖たちが
自由のために闘って死んでいったことを日常の生活の中で感じることができるのです。
ヨーロッパには「抵抗の歴史」があることに深く感動しました。
わがクニには、自由・民主主義のためにたたかった抵抗者をたたえる、
そういう事例がどれほどあるのだろう … 。
駆け足で走り抜けたフランス・ポーランド・イタリアの旅でした。
もちろん、ルーブル美術館、ベルサイユ宮殿にも行きました。
「モナリザ」が小さかった、
「ナポレオンの戴冠式」の絵が大きかった。
そして、何よりもサモトラケのニケに感激。
長年、片想いしてきた憧れの人に出会うことができた、そんな感じでした。
ラファエロの絵が、やはりよかった。
ローマのコロセウム、バチカン市国にも行きましたよ。
超過密スケジュールです。
トイレの話から、コロセウムまで。
これが、初めての外国旅行の話です。
「百聞は一見にしかず」を全身で感じた旅でした。