なるほど。なるほど。 (original) (raw)

〜前回のつづき①〜

破水後当日は、出産に備えぬるんと入院。

問題は翌日だった……。

破水はあるものの、陣痛は無かったので

お医者様と相談し

「とりま今日、促進剤使って陣痛促しとこ〜♪」

って事に。もうね、これが運命の別れ道よ。

最初に朝は採血から。

それから点滴を打たれる事になったんだけど、

担当のお姉さんに

「血管細いね〜💦失敗したら本当ごめんね」

「血管細くて点滴入り辛いから、大きい病気はしちゃダメよ〜〜」

なんて言われながらブスリ。1回目は失敗。

次は反対側の腕をブスリ。2回目も失敗。

おや?私はまち針クッションかな?

多少痛みに強いと勝手に自負してたので、

耐えたものの、やっぱりちくちくされるのは痛い。

慌てたお姉さんは謝りながら、急遽退散し、

幾多の歴戦をくぐり抜けてきたような

屈強なマダムを連れてきてくれて、

3回目にしてようやく成功◎

--- 不穏な幕開けである。

10:00 促進剤を開始

11:00 変化無し

12:00 変化無し

13:00 5分間隔の鈍痛が始まる

お姉さんから

「痛みが余裕そうなんで、促進剤増やしますね〜♪」と悪魔のささやき。

ゼンゼンヨユウジャナイ。

14:00 3〜5分間隔の陣痛が始まる

15:00 3分間隔テポドンが何発か私の腹から出ようとしてるんかな?と錯覚させるほどの痛み。

吐き気と我慢出来なくて手が震える…。

根拠も無いくせに「私、痛みに強いんで」って

ドクターXの米倉涼子ばりの自信家だったワタクシ。

自然分娩でいこうと考えてたけど、

陣痛を耐えてた際に

「まだまだ本番はこれからだよ〜♪」と

意気揚々としたお姉さんの言葉に

私の心はポッキリ折れた。

おい、てめえ。

よく見たらさっき点滴を失敗したお姉さんじゃねえか。

急激な陣痛の痛みに耐えられず、即時に無痛分娩に切り替え。さよなら12万円。

麻酔を受ける時は助産師さん達から、

「背中のここを丸めて!違う、逆!」

「呼吸は早くしないで!!ゆっくり!」

「え!?危ないから急に動かないで!」

軍隊ばりの叱咤激励を受けながらなんとか投与。

その後は、さっきまでの嵐が嘘のように穏やかな時が流れた。

なるほど。これが冨岡義勇が使った

拾壱ノ型 凪(なぎ)か………。