【瞑想で変わる】 ストレスを軽減し、幸せになる!書籍『脳には、自分を変える「6つの力」がある。』 (original) (raw)

リチャード・デビッドソン博士は脳科学と瞑想の関係性、そして幸福感との深い繋がりを研究した人物です。彼の研究は心の働きと脳の活動の関係性を解き明かす上で重要な役割を果たしてきました。

特に、瞑想が脳に与える影響に関する研究は、世界中で注目を集め、現代社会において瞑想が広く実践される一つの要因となりました。

『脳には、自分を変える「6つの力」がある。』リチャード・デビットソン シャロン・ベグリー著 茂木健一郎訳 2013年 三笠書房

この本は「感情」と「脳」の関係を説明したものです。

人間の精神を理解するためには、感情をちゃんと理解しなければならない。そして、人間の感情のミステリーを解くカギは脳にある。

p54

脳科学の知見によって感情を分類

感情は、うれしい、イライラするという一時的なものや、長く持続してその人の気質や性格を特徴づけたりするものです。

著者は感情というものを観察ではなく、科学的な力で実験し、分析し、結論を導き出しました。

著者の提唱する6つの「感情スタイル」が私たちの幸せを左右するといいます。

1 回復力 気持ちを切り替える力

朝のイライラを一日中引きずるのか、大切な人との別れが何か月も何年も心に重くのしかかるのか。あるいは逆境をはねのけることが得意か、という心の切り替えが早いか遅いかという力のこと。

2 展望力 前向きな自分を保つ力

人生に対して明るい希望を持っている。他の人が困難や不幸と思っていることにも喜びを見出すことができ、その喜びを一時的なものではなく、長く維持できる能力。

ただし、良いことばかりを見るようにするあまり、警告のサインに築かないこともある。

「前向き」か「後ろ向き」かということ。

3 社会的直観力 人と共感する力

周りの人の様子からその人がどうしたいのか、一人でいたいのか、余裕がないのか感じ取ることができる能力。直観的で、言外(げんがい)の微妙なサインを読み取ることが出きる。

あまりこの能力がない人は要するに「察しの悪い人」

4 自己認識力 自分と向き合う力

自分の考えや感じていること、体からのメッセージを敏感に感じ取り理解しているかどうか。

恐れや怒り、嫉妬などの自分の感情に気づかない人もいる(自己無意識的)

例えば、目の前の人にきつい言葉を投げかけた時、原因が目の前の人にあるのではなく、仕事のイライラをぶつけてしまったと、分かるかどうか。

5 状況への感受性 周りの空気を読む力

人間関係に敏感で、空気が読めるかどうか。

社会的事情、環境、マナーを意識して自分の感情や振る舞いを調節できる能力。

目の前にいるのが親しい人か、目上の人かという状況を感じ取れない人もいる。(冗談を言うべきでない状況で言ってしまったり)

6 注意力 一つのことに集中する力

集中力があるか、気が散りやすいか。

選択的注意力:耳は音を拾い、手や体は何かに触れている、等の刺激があるにもかかわらず、それらを意識せず目の前の作業に集中できる。

中立的な注意力:「一つの物事に執着せず、世界全体を俯瞰できる能力(中略)「一個のことにとらわれすぎず、まんべんなく目配りでき、かつ、あれこれとパニックにならない力」(p97)」

ただし理想的な感情スタイルなどというものはなく、それが自分だと納得しているのなら周りから何と言われようとも変える必要はありません。

しかし、自分の感情のパターンがこれからの人生において好ましくない、変えたいと思うなら、どんなふうに動き、振る舞い、感覚刺激を脳に届けるかで感情スタイルは変えることができます。

脳には可塑性という変化する能力があります。

脳は内的に生成されたものに対しても、変化することができます。つまり、どんなことを考え、どんな意図をもつかということで、脳は変わってくるのです。

p49

瞑想は心のトレーニン

瞑想の経験の多い人ほど不安感が少なく、物事に対しての注意力が高いということを発見した著者は、瞑想しているとき脳はどのように働いているのか、瞑想によって脳の機能や構造は変わるのか調べるためにダライ・ラマ法王に協力を仰ぎ、瞑想を科学的に解析する研究を行いました。

その結果、瞑想が単なる精神的な修行ではなく、脳の構造や機能に実質的な変化をもたらすことを明らかにすることができたのです。

瞑想によって得られる効果は、ストレスホルモンの分泌が抑えられてリラックスできる、ネガティブな感情をコントロールしやすくなる、集中力が増す、創造力が向上する、ということがあげられます。

瞑想という心のトレーニングには、仏教徒たちが実際に経験し、長い間教え伝えてきたように、思いやりや親愛という気持ちを増やし、苦痛を減らす力がある

p195

まとめ

瞑想を長く続けていくと、他者の感情を理解して共感力が高まるといいます。それは著者が瞑想に求めた「思いやり」の心を育むことにつながります。

思いやりは自分だけでなく、周りの人間関係を良くし、社会全体の幸福感につながるものです。

本書は、豊かな生活を味わうために、自らの感情に目を向け、コントロールすることを教えてくれます。

瞑想によって脳を整え、前向きな未来をたぐり寄せましょう。

読み終えて

私は朝のトレーニングが終わった後と、夜寝る前に10分の瞑想を習慣にしています。ただ瞑想が心に良いという理由だけで始めました。

この本を手に取って、著者が瞑想に人生の豊かさと幸福感のカギを見出していく過程を読んでますますいい習慣を身に着けたと実感しました。

特に朝の瞑想が終わった後は頭がクリアになった気がして気持ちがいいですよ。皆さんも始めてみませんか(^^)

本書の中に『簡単!テストでわかる「あなたはどんな人?」』は、6つの感情の度合いを調べるテストがあります。

やってみました。

回復力 5点 遅くも早くもない

展望力 7点 前向き

社会的直観力 9点 直観的

自己認識力 10点 自己意識的

状況への感受性 8点 合わせられる人

注意力 7点 どちらともいえない

これが私です(^^)