それでも人生は続く。 (original) (raw)
9月1日@Bar DoctorHeadでvibe chantの3回目を開催しました。第1回は月曜、第2回は金曜の開催でしたが今回は日曜開催だったため、DJの人数もこれまでの2人から5人に増やしました。参加頂いたのは、私が企画したファンジン『FOREVER DOCTOR HEAD'S WORLD TOWER』のデザインも担当頂いた青木正さん、イベントDDFC(Deep Drunk Fun Club)などで回されているInoueさん、私の大学時代の友人で東高円寺のGrass Rootsでレギュラーイベントを開催しているMinodaくん、さらにスペシャルゲストとして男性ヴォーカルユニットのThe Bookmarcsの洞澤徹さんをお招きしました。
今回のテーマは「さよならメロウな夏の日」。月の変わりの一日目がめずらしく日曜だったのでテーマはこれしかないと決めました。もちろん元ネタは山下達郎です。
https://youtu.be/_paXh_LgwmM?si=J1UL9SEwryJrLB0X
ただ、今回もフライヤーをデザインしてくれた私の妻から「『さよならメロウな夏の日』と言われても何がかかるかわからない」と指摘され、初の試みとしてSpotifyで予告編プレイリストとして参加DJの皆さんに当日回す予定の曲のなかから1曲を選んで頂きSpotifyのプレイリストにしました。これが見事に「夏の終わり感」ある曲が集まり、私自身当日がますます楽しみになりました。
https://open.spotify.com/playlist/17D7JPRfvYtlGiP2vdmQtmsi=0V4jZtjqSmWH9uORarJkYA&pi=UcuigP6ZSFWNQ
台風が心配でしたが、薄曇りで蒸し暑い天気であいにく「夏の終わり感」が乏しく、帰りは雨が振りましたが無事開催できました。参加DJの皆さんの選曲ですが青木さん、Inoueさんは洋楽邦楽オールジャンル、Minodaくんは最近のヴィンテージ・ソウル、洞澤さんはシティ・ポップやアジアン・ポップス、私はバレアリックやラヴァーズ・ロックなど、多岐のジャンルにわたったものの、皆さん「夏の終わり感」ある選曲になり、私の「さよならメロウな夏の日」という曖昧なお題に見事に応えてくれ、いらしてくださったお客さんの曲チェックもかなりありました。
(私が回したレコードとCD)
https://open.spotify.com/playlist/68DRR7mZdaWrSxaP9swd73?si=jv-ZCIf_RGGzi2o7rfThyQ&pi=qjIqgrHIRlSqr
当日の皆さんの選曲から1人4曲でダイジェスト編のプレイリストをSpotifyで作成したのでぜひお聞きください(青木さん→Inoueさん→Minodaくん→洞澤さん→私の順)。
https://open.spotify.com/playlist/21HDFdL4elGVMU8F5uKXa0?si=mlLfSUDTS4SBAX2O9qrtGQ&pi=HQa13iTYS6qop
ちなみに私が最後のほうでWARの「Why Can't We Be Friends?」を選曲したのは、ここのところあまりにも哀しい「分断」が世界各地で起きているからです。一方で「分断」という言葉をむやみに使い、社会にある種の「諦め感」を漂わせようとする傾向に抗いたいという気持ちもありました。
The color of your skin don’t matter to me
As long as we can live in harmony
最後はイベントタイトル元ネタの山下達郎の「さよなら夏の日」をかけ、締めの言葉としてフリッパーズ・ギターの「ドルフィン・ソング」の「ほんとのこと知りたいだけなのに夏休みはもう終わり」の部分だけをかけました。
DJを快諾頂いた皆さん、来場頂いたお客様の皆さん、鎌倉のイベントから駆けつけてくださったThe Bookmarcsのヴォーカルの近藤健太郎さん、毎回私のわがままなイベントを引き受けてくださるBar DoctorHeadのやなぎはらさん、今回もフライヤー作ってくれた私の妻(残念ながら風邪で当日はお休み)、ありがとうございました。また「vibechant」でお逢いしましょう。
8月25日(日)、みっこさん主催の「スナックみっこでいいとも!」にお誘い頂き、Bar DOCTOR HEADでDJしてきました。スナックみっこは毎回選曲のお題があり、DJに加え、主催兼司会のみっこさんによるインタビューがあるのが他のイベントと違うところ。
前回のお題は「無人島」でしたが今回は直球の「LOVE」。そうきたらラブソングを回せばいいと単純に思いましたが、それだけではつまらない。そこで思いついたのが、女性・男性のラブソングを交互に回す季節外れの「真夏の紅白歌合戦」でした。ちなみにこのアイディアの元ネタはDJとしても活躍されている漫画家ムラマツヒロキさんの漫画「DJ道」に出てくる、日本かぶれの和モノDJフランス亭ミッシェルの「年忘れ歌WARレッドホワイトMIX」でした。
以下、選曲です。
●I Feel The Earth Move/Carol King
紅組トップバッターはキャロル・キング。力強いピアノのイントロがトップバッターにふさわしいですね。恋に落ちた胸の高まりを「I'm falling love」ではなく「I feel the earth under my feet」と例えるところがさすが元職業作詞家です。
●Just A Friend/Biz Markie
一方、白組のトップバッターはピアノも歌も調子外れのビズ・マーキーが登場。おそらくBar DoctorHeadは初出場、かなり場違いな感じもありますが歌うは彼の実体験に基づく失恋ラップ。ライブに来てた長い髪に短いスカートでかなり大きなブラジャーの女の子に恋に落ちたビズ。「ライブ楽しかった」といい感じでツーショット写真も撮りましたがライブ後、彼女に電話をかけたら出てきたのはなんと男。もう一度かけ直すと彼女が出てきたのでビズが「今の誰だよ?」と訊くと彼女はこう答えたのです。「Oh, he's a just a friend」。ふざけるなよ、そんなの通用しないぜ!
●Be My Baby/The Ronettes
初っぱなからヘタウマ失恋ソングをかました白組に対し、紅組はあくまで情熱的ラブソングで対抗しようと決めたのか、フィル・スペクター・プロデュースによる最強の女性3人組ロネッツが登場。もちろん曲は「Be My Baby」。会場のBar DoctorHeadに貼られた信藤三雄によるポスターが紅組の勝利をもたらすかのようです。
●しらけちまうぜ/東京スカバラダイスオーケストラ fea. 小沢健二
白組も負けじと司会みっこさん推しの小沢健二を投入。スカパラをバックに歌うのは小坂忠の「しらけちまうぜ」。なんとまたもや失恋ソング、どうやら白組も失恋ソングで貫くようです。
●Never Did I Stop Loving You/Alice Clark
紅組のトリはフリー・ソウル時代にクラブでかかればフロアは大爆発、かのレコード番長の須永辰緒に「このレコードをCDで再発するのは大人の責任」とまで言わせた超レア盤、アリス・クラーク。「Never stop Loving You」ではなく「Never did I Stop Loving You」と歌うアリスの熱唱に司会のみっこさんは一言、「くどいな」。
●I Love You/Pico
白組も負けじと昭和歌謡ソフトロックのレア7inchのPicoがトリとして出場。タイトルは「I Love
You」でも最後まで失恋ソングを貫いた白組でした。
偶然にも女性は熱愛ソング、男性は失恋ソングと分かれた紅白ミックスでしたがそもそもDJミックスは勝敗の結果を出すものではないので、最後は仲良くデュエットということでフィナーレとしてこの曲を選びました。元々はフランク・シナトラと娘のナンシー・シナトラのデュエット曲で日本では細野晴臣とアン・サリー、竹内まりやと山下達郎によるデュエットなどがあります。この畠山美由紀とリリー・フランキーのデュエットは、ラブソングをあまり聴かない妻の数少ないお気に入り曲なのでした。
~B2B~
最後のB2Bは私が唯一持っているZardのカヴァー曲を選びました。元々はアルバムの初回特典の8cmCDとして作られたものですが、後に小西康陽が自分で回すように欲しいと12inch化されたそうです。ちなみにZardの坂井泉水は洋楽をカヴァーするなら絶対この曲とガチで好きだったらしいです。
ところで今回のスナックみっこは夫婦で参加し、私の後に妻が回したのですがこんな選曲でした。
Come Together/Primal Scream
月の裏で会いましょう/Original Love
3AM Eternal/KLF
A Deeper Love/Aretha Franklin
Bring The Noise/Anthrax, Public Enemy
Jail Bird/Primal Scream
選曲テーマは「私が愛する曲」だそうです。夫婦でもなんともちぐはぐな選曲でしたね苦笑 ちなみに私たちの結婚パーティーの入場曲はPrimal ScreamのCome Togetherでした。
サングラスでタモリに扮し出演DJ全員にお約束で「髪切った?」と訊いた主催・司会のみっこさん、週末で他のイベントが多かった中いらっしゃって下さった皆様、出演DJの皆様、Bar DoctorHeadのやなぎはらさん、ありがとうございました。またお逢いしましょう。
6月28日@Bar DoctorHeadでvibe chantの2回目を開催しました。実は開催二週間前に遂にコロナに感染してしまったのでしたが無事開催することができました。当日はあいにくの梅雨の激しい雨でしたが、大学時代の友人たち、初めての方、久しぶりの方もいらっしゃってくださり感謝しかないです。
今回のテーマは「メロウな魂(ソウル)を抱いてくれ」で私が90年代のフリーソウルをきっかけに好きになったジャンルであるソウルをテーマにしました。タイトルの元ネタは氷室京介の「魂を抱いてくれ」を文字りましたがかけたジャンルとは全く関係ないのは前回通りです(前回はメロウなチルにしてくれ=スローなブギにしてくれ/南佳孝)。
ゲストはSwinging Popsicle/Grenfelleのヴォーカルの美音子ちゃんにお願いしました。ちゃん呼びは馴れ馴れしいですが彼女とは私が大学時代に在籍していた音楽サークルの先輩後輩の仲。最近DJもやっていてやはりSwinging Popsicleのヴォーカルとして知られているのでインディーポップ関連のイベントで回すことが多いのですが、私はどちらかいうとGrenfelleに影響を与えたネオソウルを回す彼女の選曲の方が好きなので今回依頼しました。ちなみにGrenfelleの7inchのライナーはサバービアの橋本徹さんが寄稿しています。
https://www.popsicleclip.com/miobell-records/artists/grenfelle/
https://music.apple.com/jp/album/keep-it-goin-single/1728637734
当日の美音子ちゃんの選曲ですがMoonchildに始まり、Arlo Parks、Tom Misch、J La Motta Suzumeなどの現行のネオソウルをレコードで回すのは正直驚きました(新譜レコード高い!)。事前にリクエストしていた懐かしのMisty OldlandのGot Me A Feelingもかけてくれ美音子ちゃんにDJをお願いして本当に良かったと思える選曲で私としては大満足でした。もちろん最後はGrenfelleで締めてくれました。
一方、私はフリーソウル・クラシックから現行のネオソウル、ソウル・フィーリングある洋楽・邦楽をごちゃ混ぜにした感じになりました。新譜はCDを使いましたが取り寄せに1ヶ月近くかかったものもあり需要がないせいかレコードより安いけどCDの方が入手するのはレアだと実感しました。
(フリーソウルキャップ&Tシャツの正装の私)
Like A Seed/Morgana king
罌粟/畠山美由紀
Sketch For Spring/Cornelius
1つの魔法/小沢健二
Saudade/Antonio Loureiro
Dancing Circles/Sampha
Strawberry Letter 23/Shuggie Otis
High Tide/Batteaux
Te Amar Etero/Bruno Berle
I Love You/Dee C. Lee
I Love You/イハラカンタロウ
Keep It Goin'/Grenfelle
Chelish Our Love/Love Tambourines
Un Soir Un Chien/Les Rita Mitsuko
Beauty/吉田美奈子
Prince Of Peace/Galliano
https://open.spotify.com/playlist/6uebiXvAxStS27QBt2wSXG?si=kp0x5-SESqaSrdaJP-s7eQ&pi=Zf_gSHzCQKCwU
イベントの締めはまだ世界中で続く哀しい紛争が早く終わることを願ってKelly Pattersonが愛は地球を救うの想いを込めた名曲“Magic Wands Of Love”で締めました。90年代に主催していた頃のvibe chantではオープニングかエンディングに必ず回しDJメンバーもお客さんも愛した思い出の曲でした。
https://open.spotify.com/track/6JCWI3IHIb2JD1XOGjVeop?si=Bbeuco-1R36oBQZ6xt0z3w
DJを快諾頂いた美音子ちゃん、悪天候にも拘わらず来場頂いたお客様の皆さん、毎回私のわがままなイベントを引き受けてくださるBar DoctorHeadのやなぎはらさん、今回もフライヤー作ってくれた私の妻、ありがとうございました。また「vibechant」でお逢いしましょう。
昨年9月にBar DoctorHeadでのあーるさんのラウンジDJにお邪魔して以来、ほぼ月に一回Bar DoctorHeadで回す機会を頂くようになりましたが、久しぶりにやってみるとやはり自分でもイベントを企画したいという欲が出るのがDJの性(さが)でしょうか。
私が90ー00年代に主催していたイベント「vibe chant」ではレギュラーDJ3人+ゲストDJ1人の4人で22時~5時まで回していました(ゲストは1時間でレギュラーDJは一人1時間を2セット)。ちなみにレギュラーDJの一人がかなりの飲んべえで酔いつぶれ、私が代わりに2時間回す羽目になることもありました。それでもどうにかなったのはこの頃はソウル、ジャズ、ブラジルなどのレアグルーヴを回していて長尺で楽曲の構成に起伏があり、切りどころが難しかったため、フルでかけることも結構あったからです。「vibe chant」のアンセムだったマリーナ・ショーの「Woman Of The Ghetto」は9分58秒でした(タイトル通りゲットーで厳しい暮らしを生きる女性の切実な思いが込められた曲なのですが英語の歌詞を理解しない私たちDJとお客さんは明け方の5時にこの曲で踊り狂っていたアホでした)。
一方、今のイベントのスタイルの持ち時間20~30分で盛り上げるためにアゲめの選曲にするとどうしても一本調子のBPMになりがちで、私が好きな「序破急」の選曲の流れが作り難いという悩みも正直ありました。
言い訳がましくだらだら書きましたが、要するに自分のわがままがを通したいのなら自分で企画すべきだ、それならイベント名は「vibe chant」に決まってると思い立ったわけです。とはいえ、かつて一緒に回していたメンバーはもうDJをやっていないしなぁとは思っていたところ、私がTwitter(現X)でフォローしている音楽家のsuppa micro panchopさんが「今月DJの予定が無い」と投稿しているのを見かけ、ひょっとしたら…とお願いしたところ快諾頂き、急遽イベント開催ニ週間前の4/8にBar DoctorHeadを予約しました。
実はスッパさんのDJは実際には一度しか聴いたことがなかったのですが、CDJを駆使したトリッキーなプレイスタイルに一聴惚れしました。それにスッパさんは私が大好きな音楽家・竹村延和のレーベルchildiscからデビューアルバムをリリースしています。スッパさんに「竹村延和の1stみたいなメロウで少し踊れるぐらいのチルな曲をかけたい」とメッセージを送ったところ、「来てくれるお客さんがイメージできるよう明確なテーマがあった方がいい」とアドバイスをもらい、某曲をもじった「メロウなチルにしてくれ」を思いつきました。
その結果、持ち時間一時間で私の選曲はこうなりました(曲順はうろ覚え)。
Tude O Que voce Podia Sel / Milton Nascimento
For Tomorrow / 竹村延和
Bebe / Hermeto Pascoal
Too Pure / Cornelius
Magic Journeys / Disney Studio Chorus
Prema Redentor / The Underwolves
Love is... / Calm
War & Peace / 坂本龍一
Love Is Everywhere / Pharaoh Sanders
Free as the Morning Sun / Mr. Hermano
Spritual State / Nujabes fea. Uyama Hiroto
https://open.spotify.com/playlist/4qIyOHg9hqQhmuAC1HCmBD?si=n_Qr3l0nRwSdF4t5ZWPPBA&pi=a-nyJMTsEpTCeB
Bar DoctorHeadでのイベントなのでCorneliusと小沢健二は選曲しましたが、両曲ともこれまでのDoctorHeadではかかったことがない、今回の「メロウなチル」に合った曲を選びました。特に小沢健二の「毎日の環境学」はクラブでかかるどころか小沢健二ファンの間でもあまり話題にならない曲だと思います。何しろヴォーカル無しのインストですから。他の曲も90年代に起きたジャズで踊るブームがラテンやブラジルなどの民族音楽を取り入れ、さらには同時代のドラムンベース、ヒップホップ、アンビエントなどの音楽と融合していった流れを汲む曲を中心に「メロウなチル」という解釈のもとにセットリストを組み立てました。
自分のDJを終え、スッパさんにバトンタッチしましたが、私が回していた時との音の鳴りの違いに正直驚きました。ミキサーの高音・中音・低温のイコライザーを曲ごとに小刻みにいじり、曲の音の最適のバランスを瞬時に調整するのはさすがで、自分で音楽を作る人は違うと唸らせるプレイでした。
(スッパさんのspotifyにある曲のプレイリスト)
https://open.spotify.com/playlist/7G71xfUT99stLTbdLWKr9z?si=mpD2MW_DSBatL_fTXBtDRw&pi=a-q7nan1djSOiL
最後はスッパさんと私で30分ほどB2Bをやったのですが、これがめちゃめちゃスリリングで楽しかった! 特に私のクレモンティーヌの「Pillow Talk」にスッパさんがまさかのTLCの「Waterfall」でつなぎ、Nujabesの「Luv(Sic pt3)」でつなぎ返したら今度はキセルの「夏が来る」という予想外の流れは、私がB2Bを経験したなかで一番燃焼したと言っていいほどのもので、いい勝負の試合をやり終え互いに称え合うスポーツマンみたいな気持ちになりました。
最後はコーネリアスのあなたがいるならで締めました。
結果としてBar DoctorHeadで開催されるイベントとしてはかなり異色なものになり、ちょっとわがままにもほどがあったかと心配になったのですが、DoctorHeadのやなぎはらさんに「良いイベントでした」と言って頂き安心しました。
DJを快諾頂いたスッパさん、平日の月曜にも拘わらず来場頂いたお客様の皆さん、急な開催を引き受けてくれたBar DoctorHeadのやなぎはらさん、当時のフライヤーの「vibe chant」の文字を再現し新たにフライヤー作ってくれた私の妻、ありがとうございました。また「vibe chant」でお逢いしましょう。
4月12日(金)、みっこさん主催の「go! go! スナック風みっこだヨ!全員集合」にお誘い頂き、Bar DOCTOR HEADでDJしてきました。
みっこさんは、私が3年前に作ったファンジン『FOREVER DOCTOR'S HEAD WORLD TOWER』の「Doctor Head Tour回想座談会」に参加してもらい、今回のイベントはその縁もあってお誘い頂いたのですが、選曲テーマが「無人島に持っていく曲」で、しかもその理由についてイベントMCのみっこさんにインタビューされるという面白い趣向の企画でした。
「無人島レコード」をテーマにした本があるぐらいですから音楽好きなら一度は考えたことがあるでしょう。単純に大好きで何度も聴いたレコードか、青春時代の思い出のレコードか、思い入れのある超レアなレコードか、はたまたインタビューされるのだから自分はこういうレコードを選ぶ人間だと思われたいという自己演出なのか…。
そもそもなぜ無人島に行くことになったのかです。遭難して無人島に漂着したり、世を儚んで無人島に行くのなら音楽を聴こうなんて気持ちも起きないだろうし…いろいろ考えあぐねた結果、「某かの調査を命じられ無人島に行くことになったが成果があるまでは帰れないので、一人寂しく調査をしながら鼻歌で歌う曲ー鼻歌で歌えるぐらい何度も聴き友人や家族との思い出に浸れ一人であることを忘れられる曲」ということにしました。
●Like A Seed / Kenny Rankin
アメリカのシンガーソングライターの3rdアルバムのタイトル曲。イントロのアコギの爪弾きと子供のコーラスが印象的で、フリーソウル華やかし90年代に私が主催していたイベント「vibe chant」のオープニングで必ずかけていた曲でした。一緒に回していたDJのメンバーもフロアーのお客さんも大好きだった思い出の曲です。
●Samba Saravah / Pierre Barouh
映画「男と女」のサントラから。「男と女」というとダバダバコーラスの主題歌が有名ですが、映画の劇中でピエール・バルーが歌うサンバを選びました。「男と女」はたいして映画を見ない私の父が、当時ヌーヴェルヴァーグ好きだった母をデートに誘う口実に選んだ映画でした。父は私が生まれた翌年に他界し母もあまり父のことは語りたがらなかったのですが、私がまだ実家にいた頃に部屋でこのレコードをかけていたら母が「懐かしい」と父との映画デートの思い出を教えてくれました。時を経て私が妻と結婚し2016年に「男と女」が再上映され、今度は私が妻を誘いました。なので私が知っている数少ない父の思い出の曲であり、妻とのデートの思い出の曲でもあります。残念ながら妻は主演のアヌーク・エーメが着ていたたコートとジャン=ルイ・トランティニャンがガソリンスタンドで煙草に火を付け怒られるシーンしか覚えてないらしいですが。
●陽の当たる大通り / 小西康陽
ピチカート・ファイヴの曲で小西康陽のセルフカヴァー。Bar DOCTOR HEADでDJをやる時は必ずかけるぐらい今いちばん好きなレコードで、小西康陽のライブ会場でしか販売されずピチカートマニアにとってちょっとレアなレコードです。何よりピチカートファイブの元曲は私の大切な友人の一人、大塚幸代ちゃんが大好きな曲した。ピチカートファイヴではなくフリッパーズギターの話になりますが、彼女は『ヘッド博士』が発売された頃にフリッパーズギターのファンジン『FAKE』を作り、私はヘッド博士の元ネタ原稿を書きました。ファンジン『FOREVER DOCTOR HEAD'S WORLD TOWER』はもちろん「ヘッド博士の世界塔」の発売30周年として作りましたが、個人的には友人の大塚幸代ちゃんの七回忌に捧げる気持ちもありました。しばらくDJをやめていた私が再びイベントに誘われ回すようになったのはファンジンのおかげであり、彼女への感謝の気持ちも込め選曲しました。
●Seperation / Nicaud
無人島にいると一人で寂しいし夜は悶々とするのでジャケットも大切かなと、最後はエロジャケから一曲選びました。白状すると私はまあまあのエロジャケコレクターで、結婚した時に処分したつもりでしたがこの一枚は残していました。エロジャケは大抵中身はどうということもないイージーリスニングであることが多いのですが、この曲が収録されている『EROTICO...NICAUD』はDJで使えるネタありまくりのフレンチレアグルーヴの名盤で、DJでもかなり多用した思い出の一枚という言い訳をしておきます。
職場が遠方のため、他の方のDJがあまり聴けなかったのが残念でしたが、Venus Peter/Penny Arcadeの石田真人さんにファンジンをお渡しすることができ、当時の思い出話をさせて頂くことができたのは貴重でした。DJも自分の意思とは関係なく無人島に流れ着いてしまったという設定で、まず娘さんに自宅のレコードから10枚自由に選らんでもらい、さらにフロアのお客さんに1~10の数字のトランプを引いてもらい番号の付せんを貼ったレコードをかけるという自分で選曲しないDJは、ヤン富田の「偶然の必然」という名言を思い出す斬新なDJスタイルで驚かされました。
mexicoさんがかけた一曲目がモーターヘッドだったのも無人島でも元気一杯!なキャラ通りの選曲で楽しかったです。
イベントの〆の曲がこれだったのもみっこさんらしいと思いました。
主催のみっこさん、DJの皆さん、来場頂いたお客様の皆さん、Bar DOCTOR HEADのやなぎはらさん、ありがとうございました。また、お逢いしましょう。
3月31日(日)、あーるさん主催の「休日飲酒クラブ EPIC SONY 楽曲を四谷で歌う」にお誘い頂き、Bar DOCTOR HEADで夫婦参加でDJしてきました。
これまであーるさんにお誘い頂いていたイベントのテーマは「渋谷系」だったのですが、あーるさん主催のイベント「Bar薫る」で岡村靖幸の「だいすき」がかかった時に夫婦で盛り上がっていたら「岡村ちゃん好きなんですか?!」と訊かれ、「好きも何もリアルタイム世代でめちゃめちゃ聴いたよ」と言ったのがきっかけで今回のイベントに夫婦で参加することになりました。ちなみに妻はTM Networkのファンクラブ「TIME MACHINE」に入会していたほどのガチ勢の「FANKS」でしたが、DJをやるのは大学時代の学祭以来の30年ぶりでした。
(休日飲酒クラブのイベントに相応しくEPICソニーのアーティスト名にちなんだオリジナル・カクテル!)
【選曲リスト】
Special Woman/The Street Sliders
時代を変える旅に出よう!/ボ・ガンボス
GO GO HEAVEN/大沢誉志幸
だいすき/岡村靖幸
ーB to Bー
瞳水晶/遊佐未森
EPICソニー楽曲のなかでもソウル/ファンクな横ノリで今聴いても普遍性があるものを選んだつもりでしたが、我ながらかなりベタな王道の選曲になりました。実はEPICソニーの楽曲を聴いていたのは高校時代だけで、あの頃はお小遣いで買えるシングルやアルバムに限りがあったのでレンタルに頼り、その代わりに貯めたお小遣いでライブに行くのが楽しみでした。
(高校生の当時観に行ったライブのチケット。チケット代がいちばん高かったTM Networkでも東京ドームで4500円、遊佐未森はパルコ劇場で3000円。昭和の時代のチケット代は高校生のお小遣いでも観に行ける値段でした)
また、私は大学生になった1989年にフリッパーズギターが「海に行くつもりじゃなかった」でデビューし、ストーンローゼズが「石と薔薇」をリリースしたのをきっかけに渋谷系とUKマンチェにはまり、一方、妻は1991年のプロディジーの1stでテクノにはまったため、EPICソニーのアーティストを聴かなくなり、後に深掘りすることもありませんでした。
そのため、今回のイベントで他のDJの皆さんの選曲を聴いてて妻と「いたよね、このアーティスト!」と懐かしくなったり、「これもEPICソニーだったんだ、知らなかった」と気付きがあったりで、楽しむことができました。特にnaoco.さんの「あぶない刑事」のサントラやxeviさんの土屋昌巳の「東京バレエ」などの選曲の幅広さには驚かされました。
とはいえ、女性のお客さん着ていたTシャツこそEPICソニーであり、DJよりもイベントの趣旨を理解していた方だなと嬉しくなったのも正直な気持ちです。
主催のあーるさん、DJの皆さん、来場頂いたお客様の皆さん、FOODのmanico maniaさん、Bar DOCTOR HEADのやなぎはらさん、ありがとうございました。また、お逢いしましょう。
先週に続き、Bar DoctorHeadのイベント「2月、節分・バレンタインとドクターヘッド」でDJしてきました。実質的にはBar DoctorHeadの2周年をお祝いするイベントで主宰者のあーるさんからは「Happy!でHot!な曲を」というお題を頂いたので、いつもの五十路のヨコのりではなく、20代だった90年代の頃に戻った気持ちで老体にムチ打ち「渋谷系+ネオアコ+昭和歌謡ソフトロック」のアゲめの選曲にしました。
Yeah!/International Resque
It's A Beautiful Day/ピチカート・ファイヴ
Jumpin' Jack Jive/オリジナル・ラヴ
Sending To Your Heart/フリッパーズ・ギター
Town And Country Blues/Jim Jiminee
I Love You/Pico
ちなみに1曲目はロシュフォールの恋人たちの「双子の歌」にしようと思っていたんですが、他のDJの皆さんが最初から飛ばしていたので咄嗟に変更しました。International ResqueにしろJim Jimineeにしろ回したのは何十年ぶり?でしたが、イントロだけであの頃の気持ちに戻れるぐらいの名曲ですね。特にJim Jimineeは下北沢のベースメントでのイベント「From Across The Turntable」で音楽ライターの宮子和和真さんが必ずかけたアンセムなので思い出深かったです。
久しぶりのアゲめの選曲で本人的には結構テンパってたはずなんですが、主宰者のあーるさんにノリノリの姿を激写されていました…。お恥ずかしい。
【夫婦漫才B2B】
Groove Tube/フリッパーズ・ギター(妻)
Groove Tube/井の頭レンジャーズ(私)
B2Bは主宰のあーるさんから「奥さまもぜひ参加してください」と言われ、妻も何をかけようかとあれこれ考えていたのですが、イベント自体が終始アゲめのノリだったので調子に乗ってGroove Tubeメドレーをやりましたが、あーるさんから「2周年お祝いの曲を」と言われたのをすっかり忘れてしまいました。反省しています…(ビートルズのホワイトアルバムの「Birthday」をかける予定でした)。
他のDJの皆さんの選曲も本当に楽しかったですが、やはりDJガンダムさんが1曲目に「燃え上がれガンダム」をかけたのは個人的にはイベントのハイライトでした。あと、還暦を迎えられたTequila Kubotaさんのハジケぶりは見習いたいです。
2週続けてDJなんて本当に何年ぶりのことでしたが、とても楽しかったです。またお逢いしましょう。