令六 大相撲 秋場所を振り返る (original) (raw)

名古屋場所で10度目の優勝を果たした横綱照ノ富士が休場する中、大の里の大関取りや関脇に下がった貴景勝の大関復帰に注目が集まり、この場所限りで38代木村庄之助が定年を迎えた秋場所を主観と偏見で振り返っていく。

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今場所を振り返る

大の里、優勝と昇進

秋場所は大の里が夏場所以来2度目の優勝を果たし、直近3場所での勝ち星を34として場所後に行われた臨時理事会で大関への昇進が決定した。
初日はやや危うさをみせて千秋楽の取組は勿体無いものとなってしまったものの、今場所は終始力強く安定した内容で終始優勝争いを牽引する事となった。苦しみながらも勝ち越しを決めた先場所から殻を破れたのかなと思うところだし、師匠の二所ノ関親方自ら胸を出して稽古をした成果が表れたのかもしれない。
昨年夏場所での幕下付出入門から1年半弱、未だ大銀杏が結えない中で番付を駆け上がって掴んだ大関であるが、今まで以上に周りの力士から対策をされる事になるだろうし、かけられる期待成果や圧し掛かる責務は計り知れないものとなる。そういうものを跳ね除けられず思うような結果を残せない所謂大関病に罹ってしまう力士は数知れないが、どうかそんなものをものともせず大関など通過点だってくらいの強さを見せて欲しいと、大の里にはそう思うところである。

不甲斐無い…

そんな大の里が躍進する中で本来なら壁となって立ちはだかる事を期待された琴櫻・豊昇龍の両大関は共に揃って8勝という余りにも普通過ぎる結果に終わってしまった。
まぁ場所中は意地と力強さを感じさせる好取組もあったし、負け越すよりは遥かにマシなのは確かであるが、とはいえ常に二桁以上の好成績と優勝争いを繰り広げる事を求められる地位にいる大関がこんな為体では、本当に只々呆れてしまう。勿論自分が大関に対して過剰に期待し過ぎているだけかもしれないし、常に二桁の星を挙げるのは想像するよりも難しいだろうし、番付下位との実力差が拮抗しつつあるのかもしれないが、とはいえ好成績を残して昇進しながらこの有様というのは無様としか言いようが無いのではと思ってしまう。
来場所は昇進した大の里が加わり3大関となるが、大の里に置いてかれないように琴櫻と豊昇龍も先輩大関としての意地をみせてもらいたいところである。

早過ぎる力士人生の終わり

今場所10勝を挙げて大関への復帰を目指した貴景勝だったが、初日二日目と連敗発進となって三日目から休場、十三日目の9月20日の打出し後に引退と年寄湊川の襲名が発表された。28歳と1ヶ月、余りにも早過ぎる力士人生の終わりであった。
大関に昇進するまではこのまま一気に駆け上がっていくかと思われていたが、昇進してからは終始怪我に悩まされ続ける事となった。とはいえ大関在位中に3度の優勝を果たして他の不甲斐無い大関との違いを見せつけていたが、首の負傷は突き押しを得意とする貴景勝にとって余りにも致命傷だった。場所前も全然稽古を積めない状態であったがそれでも土俵にあがった事から気力だけで踏ん張ろうとしたのだろうが、最早満身創痍な状態ではそれだけでどうにかなるものではなかった。
本当に只々怪我が悔やまれるし、怪我さえ抱えてなければ違う景色も見られたのではと妄想したくなってしまうが、今後は力士を指導していく親方として自身の経験を活かせていけたらなと願うところである。

また秋場所終了後の24日には妙義龍と碧山の引退が発表され、それぞれ年寄振分と岩友を襲名した。共に昭和61年生まれのふたりの引退は、またひとつ大相撲の歴史が終わったように感じさせる。

各段優勝・三賞受賞力士

各段優勝

幕内 西関脇 大の里 泰輝 石川県 二所ノ関部屋 2場所ぶり2回目
十両 西11枚目 尊富士 弥輝也 青森県 伊勢ヶ濱部屋
幕下 東16枚目 羽出山 将 東京都 玉ノ井部屋
三段目 西51枚目 川副 圭太 熊本県 伊勢ヶ濱部屋
序二段 西5枚目 清水海 光星 高知県 境川部屋
序ノ口 東15枚目 豪聖山 穣 モンゴル 武隈部屋

三賞

殊勲賞 東前頭7枚目 若隆景 渥 福島県 荒汐部屋 初受賞
敢闘賞 西関脇 大の里 泰輝 石川県 二所ノ関部屋 3場所ぶり3回目
西前頭13枚目 錦木 徹也 岩手県 伊勢ノ海部屋 初受賞
技能賞 西関脇 大の里 泰輝 石川県 二所ノ関部屋 2場所ぶり3回目

て事で今回はここまで、次も期待しないでください。