🕊温聲提示🕊 (original) (raw)

コトニ社より上梓される、管啓次郎さんの『ヘテロトピア集』!その刊行を祝して、12・6の夜、東京は三軒茶屋のtwililightにて、管啓次郎さんとたっぷりおしゃべりします(歌みたいなおしゃべりと、おしゃべりみたいな歌も混ざるかも)。高山明氏率いるPort Bの演劇プロジェクト「東京ヘテロトピア」から11年。古川日出男氏率いる朗読劇「銀河鉄道の夜」のCD付き書籍化『ミグラード』の刊行からも11年。「33歳のジョバンニ」と同い年だった私も、+11の44歳になりました。この11年分の、私たちの祈りを再び。ぜひ、目撃しに来てください。”歓待の掟”を胸に心よりお待ちしております。イベントの詳細はこちらから!https://peatix.com/event/4207696

ユーウツなことが続くけど、あり得たかもしれない過去を懸命に想像することで、あかるい未来、というのが難しければ、今よりちょっとはマシな明日を、それでもなお信じる活力をどうにか保ちたい。たとえ、おめでたいと囁かれても。

「日本人としては生まれなかったものの、私は自分を限りなくネイティブに近い日本語話者なのだと感じている。その”根拠”の一つは、大好きだったドラえもんの世界を、大山のぶ代さんや小原乃梨子さんの声で満喫していたという自負だ」。

2024年11月4日毎日新聞朝刊より

「日本語の住人として」、今、この文章が書けたことを、しあわせだなあ、と思います。ありがとう、大山のぶ代さん、そして小原乃梨子さん。

公式サイトから拝借しました。

「日本語の住人として」アーカイブはこちらから。

mainichi.jp

2024/10/03発売『母の友』の恒例企画「こどもに聞かせる一日一話」に「リンリンアイーと、お母さんの言葉」と題したお話を書かせてもらいました。

ながしまひろみさんのチャーミングなイラストがと〜ってもうれしい💛

「子どもは大事。わたしも大事」な人たちのこころを支えてきた『母の友』創刊号以来、長年続く「こどもに聞かせる一日一話」は、あまりにも忙しい世のお母さんたちが、何かお話ししてよ、とせがむ我が子に話してあげられるお話をひとつずつ、1ヶ月分、提供する企画。嬉しいことに私もその書き手の一員に加えてもらいました。

一日に、一話ずつ。ここに参加させてもらえて、とっても幸せ。

私の願いは昔からずっと今この瞬間もきっとこれからも変わりません。ニッポンゴではない言葉を話すお母さん(あるいはお父さん)を持つこの国で育ちつつある子どもたちが、お母さんの言葉を堂々と愛おしく思えますように。この国で子育て中のどんなお母さんも、ニッポン人みたいなニッポンゴを喋らなければ、と縛られず自分自身の言葉を楽しく喋れますように。

寂しいことに今年度いっぱい3月号で休刊が決まったばかり。

この「リンリンアイーと、お母さんの言葉」を、親友・Nちゃんに捧げます。Nちゃんが誰の目も耳も憚ることなく、かのじょの夫や夫のご家族、父親の母国語をニホンゴと同じぐらい喋れる6歳の娘さんと楽しくおしゃべりできますように。ここ、日本でも。中国で、でも。

『私のものではない国で』より。この一篇の初出は『母の友 2018年9月号』でした。

ざんねんながら休刊が発表されたばかりの『母の友』ですが、これまでのお母さんたちを支えてきたその歩みに深い敬意を込めて。

www.fukuinkan.co.jp

きのう(2024/09/15)は、東京・青山ブックセンターで荒井裕樹さんの新刊『感情の海を泳ぎ、言葉と出会う』(教育評論社、2024)刊行記念イベントでした。荒井さんはいつかお目にかかれたら嬉しいと願っていた方なのですが、ほかでもない荒井さんご自身の新刊刊行記念イベントという場でそれが果たせて、とっても幸せでした。

トーク&サインを終えてにっこり。私の前髪がめちゃくちゃアレなのですがご愛嬌ってことで!

オンライン配信や見逃し配信のないイベントだったため、はじめこそ、遠方にお住まいだったり、きのうのあの時間帯はお忙しいながらも、わたしたちの話に興味を抱いてくださる方々がいたら申し訳ないなあなんて思っていたのですが、わたしも荒井さんも、いざ話し始めたら、ここだけで言っちゃおう、とか、いまなら言ってしまえる、みたいな話がぽろぽろぽろぽろ、次々!と溢れてきて、そのことをきっと面白がってくださっている会場の方々の雰囲気も含めて、すごく良い時間が過ごせました。今、改めて、大事な方とじっくりお話しする上で、それが同時進行で配信されない、映像記録にも残らない、活字にする予定がない、という状況も案外悪くないのかも? と感じいってます。とはいえもちろん遠方の方やお忙しかった方にはゴメンナサイなのですが……荒井さんとの「対話」を、少なくとも私としては今回限りではなく、いつかまたどこかで続けられたらなあ、と願っているので、どうぞまたご期待くださいませ🌱

何よりも、3連休の真ん中の日の午後という貴重な時間に私たちに会いに来てくださった皆々様、心からありがとうございます。荒井さんの教え子やご卒業生の方々がたくさん来てくださってて、しかもみなさんそれぞれ楽しそうで、いい先生なんだろうなあこの人は、と本を読んでいて想像していたことが確信に変わりました。荒井さんのおつれあいと息子さんも会場の片隅で見守ってくれてて、私まで!見守られている心地でほんとうに心温まる特別なひとときでした。そんなふうに会場の雰囲気はとても良かったものの、話をする荒井さんのお言葉の一つひとつは、最初から最後までずっと適度な緊張感に満ちていて、自分のことをよくわかってくれているであろう人(たち)への甘えや凭れかけのようなものがほとんどなく、やはり本で読んでいて想像していた通り、荒井さんのストイックなまでの誠実さにすっかり胸うたれました。『感情の海を泳ぎ、言葉と出会う』の帯にある「生きづらさの表現と向き合ってきた文学者が〈書くこと〉について綴ったエッセイ」という文章のとおり、今、荒井さんにとって重要なこの一冊の本の装幀のうつくしさを改めて噛み締めています。最後になりましたが、教育評論社の素敵なSさん、青山ブックセンターにてこのイベントを開催してくださった敬愛するYさんをはじめスタッフの皆々様方、ほんとうにありがとうございました!

本をたくさん並べてもらいました。ここで、私たちの本と巡り合う方々に🫶

補足。もしかしたら、きのう会場に来てくださって、このブログをお読みくださっている方へ。ひょんなはずみで、私がおもわず言及した本はこれです!いずれこの本についてもまたちゃんと書きます!

発売中の「すばる10月号」で、「旅」の特集が。わたしも、紀行エッセイ「わたし の/を/は 知らない場所」を寄せました。

ふだん、あまり遠くには出かけないわたしですが、今年は、KYOTO EXPERIMENTとTAIPEI PERFORMING ARTS CENTERが共催するリサーチプロジェクト「Cruising:《Traveling tongues》」の一員として、京都と台北に滞在する機会を得ました。

折しくも今年の春、「すばる」編集部から、「旅」にまつわる何かを書いて欲しいとご依頼があり、自分のメモだけのつもりだったあれこれをまとめて、この「紀行エッセイ」を書かせていただきました。我ながら「紀行文」と呼ぶには、名だたる観光地も登場しないし、変わったことも起きないし、美味しいものも全然出てこなくて、ぼんやりと昔のことやどこかのことやとにかく今ここにはない何か色々を考えながら歩いたり座ったり密かに興奮しているだけの内容なのですが、自分ではわりと気に入っています。目を通してくださった方々に少しでもお楽しみいただけたら幸いです🫶

この場を借りて、でぶしょうの中のでぶしょうなわたしをウキウキと誘い出し、とっても貴重な「旅」の機会を授けてくださったKYOTO EXPERIMENTのディレクターである川崎陽子さんをはじめ、超絶優秀なTAIPEI PERFORMING ARTS CENTERのスタッフの皆々様、パフォーミングアートの、パ、の字も知らず、京都でも台北でも緊張しっぱなしだったわたしを支えてくれた「cruising」の仲間たち——Ness Roqueさん、Jang-Chiさん、Ming-Chenさん——に心からの感謝を込めて。

紀行エッセイは京都篇でおしまいですが、台北篇も含むこのリサーチプロジェクトの”成果”として、「旅する舌」と題するつもりの「物語」を書き、メンバーたちにパフォーマンスの素材として活用してもらう予定。来年度の続報、ご期待くださいませ。

フランスの日本に関するカルチャーマガジン『ZOOM Japon 143 (septembre 2024)』p.9−11にて、日本と台湾の特集。東京は本郷のフランス語著作権事務所内のとっても素敵な応接室に招かれて、カンタン・コリーヌさんの取材を受けました。まさか、私のほぼ全作の書影もご紹介いただけるとは。感激です。取材はむろん日本語で行われました。出来上がった記事はフランス語であるため私は読めないのですが、フランス語がお分かりの方はぜひお読みくださいませ💛

zoomjapon.info

Ce magazine français a un dossier spécial sur le Japon et Taiwan. Heureusement, j'ai été interviewé pour cet article. Je suis très impressionné par le fait qu'ils nous aient même présenté des ombres de livres de presque toutes vos œuvres ! Merci à Corinne Quentin pour l'interview et la rédaction de cet article.Merci également à Eric Rechesteiner pour les magnifiques photos.Si vous pouvez lire le français, jetez-y un œi.

💛

This French magazine has a special feature on Japan and Taiwan. Thankfully, I was interviewed for this article. I am very impressed that they even introduced us with book shadows of almost all of your works! Thank you to Corinne Quentin for interviewing and writing this article. Thanks also to Eric Lechesteiner for the great photos.If you can read French, please take a look.

(仏文、英文ともに「Deep L翻訳」を使用しました。文責はもちろんWenYjuju)。

「違う。私が言いたいのは、そういうことではない」。”私のものではない国”で、私は私の言葉を書いている。そんな私の言葉を自分のもののように感じて救われたと言ってくれる人たちとの出会いは私を心底勇気づける。だが、こんな私の言葉を自分のもののように雑に利用する人たちと出くわせば私の闘争心はたちまち燃えあがる。これはこの言葉は私のものであってあなたのものでは決してない、ということを語るための新たな私の言葉を求め始める。結局、ずっと、その繰り返し。

2024年9月1日毎日新聞朝刊より

「日本語の住人として」過去の記事はこちらから。

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