超音速備忘録 (original) (raw)

山ヤの諸君、超リアル山歩きシミュレーター『デス・ストランディング』をプレイせよ!

2019年 11月 10日

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どっしりと腰を据えて遊ぶコンシューマーゲームが不得意なからぱたです。

コジプロのゲームはメタルギアの1と2を狂ったようにやりましたが、3からどうしても自分の手に余るようになり、

やるまでよくわかってなかったのですが、いまのところ「山歩きシミュレーターじゃん」という感じで

そのリアルさがあまりにもすごいので山ヤの皆様と共有したく筆を執りました。

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▲めっちゃホラーですので、心臓が弱い人はがんばろう。

まずこのゲームね。孤独。すげえ孤独。そしてクソ地味。だけど、喜びに溢れている。うまい。うまいことできてる。

基地では周りに御託を並べてくる雇い主がいるんですが、フィールドは一人ぼっちでウロウロすることになります。

根本的に「A地点からB地点にものを配達する」というゲームで、原因不明の大爆発で地上は大自然が支配しています。

神出鬼没のBTという謎の化け物やスター・ウォーズで言うサンドピープル(言葉は通じない)にも遭遇するのですが、

これは自分の胸に装着した赤ん坊の特殊能力を通じてしか視認できないし、赤ん坊はストレスを感じるとビービー泣きます。BBだけに。(お?)

で、まだ序盤も序盤なので「ゲームのシナリオとして劇的になんかすごいドラマがある」というところに到達していない状態で

しかしそれでもすでにめちゃくちゃおもしろいのが困ったところです。

「微妙に道があるような、そうでもないような原野を一人でめちゃくちゃ重い荷物を背負って歩く」というのがこのゲームなんすよね。

(バイクとかクルマとかの乗り物も出てくるけどまだそこまで行ってない)

荷物は基本的に背負子に積んでいくんですが、これがもう重たいのなんの。

いやお前が背負うわけじゃないじゃん、とツッコまれそうですが、ノーマン・リーダス演じる主人公の挙動が超リアル。

重い荷物背負ってガレ場を歩く、ちょっと大きい段差をよっこらせと登る……という動作のひとつひとつが「わかるー!」という状態で

さらに下りで勢いがついて止まらなくなったり(そのままコケて荷物が散らばったり)、トラバースでどれくらい斜度があるとコケるかみたいなのが、

「これ山やったことある奴じゃないとモーションつけられないやろ」というくらい実感的なんすよ。

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▲激坂、エグい岩場、渡渉などでブーツがどんどんダメになっていくという演出が最高。

で、背負子に荷物を積む際にも「何をどの順番で積むか」を考えないと、普通に歩けない。

重量物に自分の体軸を振られてコケまくるし、

ちゃんと積んでもすこし勢いがついたり斜度があったりすると「踏ん張る」コマンドを使わないとグラングランでまっすぐ動けないんですね。

さらに雨が降ってくるとそこにはクソやばい敵が出現する合図となるんですが、

めっちゃきれいなアメリカの山間部をてくてく歩いていると、遠雷がドドーンと響いてきて、パラパラと雨粒が顔に当たる。

「おっ、来たな」とカッパのフードを被り、ときに川を渡渉し、ときにハシゴがあり、ときにロープがある。

ハシゴやロープは自分でかけることも出来るし、他のプレイヤーがかけたものが残置されていることもある。

で、懸垂下降で崖を降りているときや、急斜面の岩場にすこし角度を変えてハシゴが2本続いているのを見るときなど、

もはや自分が山登ってるときに感じる痺れ感とほんとうに綺麗に相似形を描くので、ハチャメチャに楽しいんですわ。

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▲このグラフィックが自分で動かせるのマジスゴイね。

挙げ句、谷を詰めるしかないルートをトラバース気味に歩いていると普通に道に迷う。

迷って慌てて沢筋に降りて、感覚だけでこっちに向かわなきゃ……と歩いていると、さっき出てきた小屋が目の前に……。

あの焦ってぐるぐるして普通に方向感覚がバグって行き先を間違える感じ(そしてさらに焦りが加速する感じ)は

山で迷うときと全く同じ恐怖があって、すごいです。

荷物の量と目的を決めて、うまくパッキングして、つねに自分の現在地と進行方向をケアしながら、

適切なギアを出しつつ前進し、ときに雨に降られてゲンナリする……。

でもカラッと晴れたときの日差しにウキウキしたり、尾根筋の岩場をトコトコ歩いているときの高揚感にまた誘われ……ああ、いつやめればいいんだ!

(とくに、順調に距離を稼げるところでカメラがキャラクターからスーッと引いてメロウな音楽が流れる演出、あれは山をやってるひとなら泣いちゃうと思う。)

僕はゲームがへたっぴなので、まだまだ先は長いと思いますけど、

とにかく「山歩きの楽しさと怖さ」がこんなにもうまいことシミュレートされているゲームっていまのところ僕はほかに見たことがないです。

壮大なテーマ、複雑なシステム、小島監督独特のウィットはいまどきのゲームという感じですが、

とにかく山歩きシミュレーターとしての完成度がめっっっっちゃくちゃにすごいと思ったので、その感激をここに記しておこうと思います。

まだやってないみなさんも、ぜひ。