国際資金フローと金融市場 (original) (raw)

グローバリゼーションと国際株式投資

2003

本稿は,90年以降の国際証券投資の活発化について,それが従来の国際証券投資の性格とは異なる本質的な変化によるものか,否かを検討している。1では,国際資本フローに関する,最近の研究動向について言及した。2では,国際資金フローの変化の核となっている日米独の三カ国の現状をまとめている。特に,ドイツの国際金融市場におけるプレゼンスの増大,国内外の資金フローの変化には注目すべき点があることも示した。3では,これらを踏まえ,計量的に検証した。4では,その結果を受け,90年以降の国際的証券投資の拡大が,市場規模の拡大や資本ストックの増加によって説明される部分が多く,マクロショックを分散化するような性格の国際証券投資の活発化とはいえないことを示唆した。したがって,活発な国際的証券投資の拡大は,一時的な現象にとどまる可能性が高いものと考えられる

DOLSによる国際的経済ショックの波及ルート分析

2006

国際的な経済ショックの波及経路としては,交易条件の変動を通じたルートである「交易条件の外部効果」が強調されてきた。一方,最近の研究では,国際的な資本移動制約が,貿易不均衡や国際的なショック波及の程度に深刻に影響することが示唆されている。本稿では,「交易条件の外部効果」ルートと「国際資本移動」ルートが,国際的な経済ショックの波及にどの程度影響しているのか,Stock and Watsonの開発したDynamic OLS(DOLS)を用いて分析した

金融制度の進化ゲーム論による検討

2004

本論文は、進化ゲームの考え方を用いて、金融制度の発展の方向性について何らかのインプリケーションが抽出できないか、考察した試論である。1では、まず進化ゲームの基本的考え方を説明した。進化安定性の概念、ナッシュ均衡解との関連などが議論の中心である。2では、さらにレプリケーションという概念を説明している。3では、こうした準備を整えて、金融制度の発展の方向性を進化ゲーム論的に検討、直接金融型均衡解と間接金融型均衡解の二つが発生する可能性を示した。4では、危険支配戦略均衡や確率的社会安定状態という概念を提示、前節での分析で示された二つの均衡解の内、間接金融均衡解のみが社会的安定性を満たす可能性を論じている。結論として、金融システムの最終的進化の姿は、取引で発生するデフォルトリスクへの金融機関、資金需要者の動学的対応の中で形成されることを示唆した。5では、実際の金融制度と本稿の分析とを比較、検討、日本の金融制度の将来設計について、二つの異なる考え方を示した

海外研究室Now

Japanese Journal of Thrombosis and Hemostasis, 2014